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壊れた世界・2

おはようございます。

第259話投稿させて頂きます。

今回はコハク視点です。

楽しんで頂ければ幸いです。

 目の前で起きている信じられない光景に私は傷の痛みも忘れて事の原因を注視してしまう。


「あは♪驚いてる♪驚いてる♪まあ、当然だよね♪首を刎ねたはずなのに生きていたら僕だって自分自身で仕込んだ事じゃなければ驚いちゃうもん♪」


 そう言いながらエリス・ケールは首が完全に付いたのを確認する様に左右に一回ずつ降ると服のポケットから割れたメダリオンを取り出すと私に見せる様に手に持っている。

 何の意味があるのか今の私には解らずエリス・ケールの持っているメダリオンを凝視しているとエリスは笑みを深めながら口を開く。


「あは♪コレはね身代わりの護符って言うんだ~♪一度だけ死を身代わりして肉体を万全の状態に戻してくれる優れ物なのさ♪まぁ、これを一つ作るのに何百って人間を犠牲にするんだけどね♪あ、勘違いしないでね♪別に僕が作ったわけじゃないよ♪昔、愚王が作った物を奪い取っただけだよ♪」


 百人の命を犠牲にすると言った時の私の視線に気が付き、エリスが自分で作った物では無いと笑みを苦笑いに変えながら答え言葉を続ける。


「何処にでもアルベルトやエリュナみたいな愚王って絶対に出て来るんだよ♪」

「そんな愚王になんでお前は力を貸す?」


 蹴られた腹部を抑えながら立ち上がりエリスに問うと彼女は相も変わらず笑みを浮かべながら口を開く。


「あは♪それはもちろん♪僕に目的が有るからだよ♪此処では言わないけど僕には僕の目的が有る♪それを叶える為に利用するのに馬鹿は扱いやすいんだよ♪さて♪そろそろお喋りも終わりにしようか。あ、僕は武器を換えさせてもらうよ♪君にはコレの方が効果的だしね♪」


 そう言うとエリスは剣を持ったまま両手を一度後ろに回すと何処(恐らくアイテムボックス)からか見覚えのある双斧を取り出す。


「貴様ぁ・・・」


 あの人の使っていた武器を見せられエリスを睨みながら剣を握る手に力を入れてエリスへと向けて駆け出す。

 エリスに向けて両手の剣を振り下ろすとエリスは余裕を持って双斧でガードする。


「あは♪軽い♪軽い♪そろそろ限界なんじゃない♪」

「五月蠅い‼なんでお前がそれを持っている‼」


 本来だったら前の持ち主が死んだ時点で次の持ち主へと渡るはずの専用武器をなぜエリスが手にしているのかを刃を交えながら問うとエリスは笑いながら口を開く。


「あは♪誰かの手に渡ると面倒くさそうだったから僕が貰っただけだよ♪まぁ、僕には少しだけ扱い難いけどね♪」


 そう言って右手に持つ双斧の片割れを思い切り振り、私の手から《オカミノカミ》が弾き飛ばされる。


「まぁ、今の君にならこれでも十分だけどね‼」


 そう言って再び先程よりも強く腹部へと蹴りを食らい私も後方へと蹴り飛ばされ地面へと倒れ込む。

 痛みにより動けないでいるとエリスはすっかり勝った気で油断しながら近づいてくる。


「あは♪精も魂も尽き果てたかな?」


 そう言いながら私の前まで来たエリスは私の事を見下ろしながら思いがけないことを口にする。


「ねぇ、トワちゃん。提案なんだけどさ。僕に協力してくれる気は無いかな?」

「協・・力だ・・・と」


 今までの楽しそうな態度から一変して真面目な声音で問いかけられ痛みが少し引くのを待つ為にもエリスの話の続きを促す。


「そう。一緒にこの世界を滅ぼさない?どうせ君だってやりたくて魔王をやって居る訳でもないんでしょう?だったらそんな事を強要してくる世界を一緒に滅ぼそうよ♪」


 エリスの意外な提案に私は何とか動けるまでに回復した体を無理矢理起き上がらせてエリスを見る。

 笑みを浮かべながら冷たく輝く黄金の瞳を睨みながら私はゆっくりと口を開く。


「生憎だけどやって居たらそれなりに楽しかったんでね。世界を滅ぼす理由にはならないさ。大切な人達もそれなりにいたみたいだしね・・・なにより・・」


 エリスと話しながらゆっくりと手をエリスから見えない所へと持っていきアイテムボックスか切り札として持ってきた物を手に取り、エリスへと向けながら言葉を続ける。


「お前は信用できない‼」


 そう言ってアイテムボックスから急いで作ってもらったらしいソードオフ・ショットガンをエリスの頭部へと向けて引き金を引こうとした瞬間にエリスは笑み浮かべながら口を開く。


「あらら♪やーっぱり駄目だったか♪しょうがないかぁ~♪《スカーオープナー》♪」


 エリスがそう呟いた瞬間にショットガンを持っていた私の右腕が地面へと落ち、それと同時に全身の傷口が開き、私の全身から血が噴き出し、私は再び地面へと倒れ込んだ。


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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