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で?殺せたの?

おはようございます。

第245話投稿させて頂きます。

今回は第三者視点です。

楽しんで頂ければ幸いです。

 品の良い調度品が置かれた部屋にシクシクと泣く少女の声が小さく響く。


「・・・どうぞ」


 少女が泣いていると部屋の扉を控えめに叩く音が聞こえ、少女が入るように促すと鎧を着た騎士が気遣うように扉を開け、中に入り口を開く。


「姫様、お休み中の所申し訳ありません。現状の報こ・・・‼」


 騎士が今日国で起きた事件の報告をこの国の姫である少女に報告しようと口を開くが、騎士は顔を上げた少女の頬が涙で光っているのを見て言葉を詰まらせる。


「なんでしょう・・・」


 泣いている少女の顔を見て固まっていた兵士に向け、少女は涙を拭いながら問いかけると兵士はハッとした様子で口を開く。


「いえ、申し訳ありません。民が傷つけられてお優しいエリュナ姫様が傷ついていないはずがないのに配慮が足りませんでした・・・また後でご報告します」

「私の事は大丈夫です。報告をお願いします・・・」


 泣いているエリュナに気を使い、兵士が報告を後にしようとするとエリュナは凛とした声で涙を堪えて報告を促す。

 その健気で気高い姿に兵士は感動に似た感覚を覚えながら口を開く。


「・・・はっ‼先に起こった襲撃の被害ですが町の各方位から火の手が上がっており、今は手の空いている者達が鎮火しております。また、多数の死者も出ております」

「・・・そうですか・・・」


 被害報告に心を痛めているように顔を俯かせるエリュナに兵士は心を痛めながら更に気分んが落ち込むであろう報告を続ける。


「また、今回の賊からの襲撃で国王、王妃、両陛下と宰相閣下の尊い御命が失われました・・・。また、離宮に居られた皇太后陛下とアメリア姫様、勇者二名の安否は確認できてはおりませんが恐らくは…」


「そんな・・・お婆様とアメリアまで…」

「姫様‼」


 そう言って最早立っている事もままならないのかエリュナは大粒の涙を流しながら床に崩れる様にして座り込んでしまう。

 床にへたり込んでしまったエリュナに慌てて近づこうとする兵士をエリュナは手で静止し、弱々しく口を開く。


「わたくしは大丈夫です・・・報告は以上ですか?貴方もまだやる事が有るでしょう?ならばそちらを優先してください。また報告が有ればよろしくお願いします・・・」

「は!姫様、我々は姫様の味方です。どうか気を落とさずに・・・」


 下を向き、震える声で兵士に持ち場に戻るように促すエリュナに兵士はそう告げると敬礼を一つし、ゆっくりとドアを閉めて部屋を後にする。

 兵士が出て行き、部屋にはエリュナ一人のすすり泣く声が静かに響く・・・・そのすすり泣く声がしばらくして笑っているかのような声に変わる。


「フフ・・・フフフフフ‼」

「そんなに楽しいかい♪」


 先程まで兵士に見せていた悲しそうな様子は鳴りを潜め、心底楽しいといった様子のエリュナに誰もいない部屋で声が掛かる。


「えぇ、エリス。貴女のお陰も有って全てうまくいってとても楽しいわ」


 そう言って顔を上げたエリュナの顔にはもはや涙は無くかわりに可憐だがどこか毒を含んだ笑みを浮かべながら窓の方を向き、答えると窓辺に金の髪に金の瞳を持つ少女が姿を現す。


「うっは♪怖♪実の親を殺して置いて何にもないのかな♪」


 軽い口調でエリュナに向けて声を掛けながら近場の椅子を引っ張り座る金の髪の少女に特に不快だと思う様子もなくエリュナも椅子に座りながらカップに入ったお茶に口を付け、笑みを崩さずに口を開く。


「さっさとわたくしに主導権を渡して置けば生かして差し上げたのですけどね。権力にしがみ付くだけの老害が死んだくらいで思う所は何もないわ」

「あは♪宰相も同じ理由で殺させたの♪」

「いいえ、あの男は無能な上にこのわたくしを厭らしい顔で見ていたから只々、不快だったのよねぇ」


 エリュナの言葉に楽しそうな声を出しながら質問をするエリスに少しだけ気持ちの悪そうな顔をして答えるエリュナにエリスは更に質問続ける。


「国民は?」

「あんなのただの数でしょう?わたくしも二つ訊きたい事が有るのですけど良いかしら?」

「なーにかな♪」


 楽しそうに今回の狂言の内容を質問するエリスに今度はエリュナの方から質問を投げかける。


「さっきの兵士の話だとお婆様とアメリア、それと兵器二つ(勇者二人)が行方不明という事だけどちゃんと消せたのかしら?」


 質問の時だけ親し気な声のトーンから少し低く見下すような物にしながら目の前の少女に質問する。

 エリスからの返答を待っていると彼女は特に効いている様子もなくいつも通りの様子で口を開く。


「あは♪そんなの知らなーい♪アメリアに至っては僕が来た時に既に離宮にはいなかったし、勇者二人は助けに来ていた魔王(トワちゃん)と一緒に消えちゃったもん♪」

「お婆様は?あの人が生きているのが一番厄介なのよ‼アメリアを帝国の皇帝に引き渡すのも勇者が生きているのも最悪どうでも良いのよ‼お婆様だけは殺せたの?」


 エリスの些か無責任な言葉に少しだけ焦った様子でレティシアだけは殺せたのかと問うエリュナにエリスは笑みを崩さずに楽しそうに答える。


「あは♪それなら心配いらないさ♪ちゃんと一太刀加えたからね♪」

「一太刀?一太刀しか加えていないの?それじゃあ、万が一にでも息が有ったら逃げられた先でポーションを使われて生き延びてしまうじゃない‼」


 祖母に一太刀しか加えていないというエリスの言葉にますます焦りを募らせ大きな声を出すエリュナにエリスはあくまでもいつも通りに答える。


「あは♪その点は問題ないよ♪だってレティシアにはもうポーションなんて効かないもん♪」

「どういう事?」


 エリスの言葉に今一要領を得ないエリュナが詳しい事を訊くとエリスは黒い剣を取り出し、喋り出す。


「僕の剣にはこの前殺した第七の厄災の能力を奪い取らせてあるんだよ♪その能力は毒の生成。呪毒からしょっぼい毒まで幅広く生成できるんだ♪で、今回はその毒生成を使ってポーションの効果を打ち消す毒を斬撃と一緒に投与しておいたんだ♪手応え的にもポーション無しで生き残れる傷じゃないから安心して良いよ♪」


 エリスの言葉を聞き、エリュナはフーっと息を一つ吐き、安心したように口を開く。


「それならば良かったわ。では、そろそろ次の行動を考えなくてはね。国民にも面倒な演説をして誘導しなくちゃいけないしね。フフフ、忙しくなるわぁ」


 直近の不安が無くなった途端に再び楽しそうに次の事を考え始めたエリュナを馬鹿にしたような色を瞳の奥に宿しながらエリスは笑みを浮かべながら眺めていた。


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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