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殴りたくなるテンションの女神

お待たせしました。2話目を投稿させていただきました。楽しんで貰えたら幸いです。


 消毒薬のにおいの混じる病室に心電図の音と家族がすすり泣く声が静かに響いている。

 担当医の先生が心電図のモニターを見ながら家族に


「心臓が頑張っています」


 と告げているのを私は朦朧とした意識の中で聞いていた。


 ピィーっという機械音とともに私の心臓が止まった音が響き。


 私、宮城 白(みやしろ ゆき)は1年の闘病の末に16年の人生に幕を下ろした。


 ・・・ん!?


 死んだというのにやけに意識がはっきりしている。体の気怠さも今は無くなっている。

 不思議に思い閉じていた目を開けるとあたり一面真っ白な空間に立っていた。

 驚いてあたりを見回そうとすると耳元でいきなり声がした。


「おお、宮城 白(みやしろ ゆき)よ、死んでしまうとは情けない(笑)」


 どこかのRPGで言っているようなセリフを楽しげに言われ、びっくりすると言うよりはイラっとしながら声がした方向を振り向くとそこには肩にかかるぐらいの長さのライトブラウンの髪で修道服に似た服を着た奇麗な顔立ちの女性が立っていた。


「えっと・・・あなたはいったい誰ですか?それにここは何処ですか?私は死んだはずですよね?」

「そんなに一気に質問されても答えられないでしょ~♪それに人にものを尋ねるならまず自分からって教わらなかった☆」


 混乱していたこともあり目の前の女性に思わず一気に質問するとからかうような笑顔でそう言われてしまった。というかこの人さっき私の名前言ってなかった・・・?


「すみません。私は宮城・・・」

「あ、貴方の事は名前から死に方まで全部知っているから自己紹介とかしなくて大丈夫だよ(笑)」


 うわぁ…殴りたい


「さて、じゃあ貴方の質問に答えていくね☆」


 私が呆れているのをよそに女性は説明を始めた。


「まず、此処は俗に言う死後の世界だね。貴方が次の世界で何に転生するかを決める場所なのだよ☆」


 何処までも無駄に明るい声で女性はそう告げた。なるほど、やはり私は死んでいて次の人生を自分で決める為に此処に居るというわけか・・・。


「そして私は、この空間の主にして貴方を次の人生に送り出す女神なのです。普段は転生者の前に現れるのは天使とかなのだけど今回はちょっと特殊なお願い(強制)をするから私直々に貴方の担当になったの☆」


 ・・・女神ではなく、天使の方に担当してもらいたかった。



「それじゃあ次の転生先での種族を決めようか、私のおすすめは・・・」


 目の前の女神がなにか言っているが聞き流しながら病室で看取ってくれた家族の事を思い出す。入院してからというもの沢山世話をかけてしまい。最後には沢山泣かせてしまった。


 特に一つ下の妹の黒羽(くろは)は、しっかりしてそうで甘えん坊なところのある子だった。今年、受験生になるのに大丈夫だろうか・・・


「ねぇー、ちょっと聞いてる?」


 女神が聞き流していることに気が付き絡んできた。ちっ、よく見ている。

 思考をいったん中断して女神との会話に意識を戻すことにしよう。


「あ、ごめんなさい。聞き流してました。」

「このまま、もうしばらく無視されるようなら問答無用で虫にでも転生してもらう所だったよ(笑)」


 この女神今さらっととんでもないこと言いよった!?

 個人的な嫌がらせで次に転生するもの決めても良いんかい。この女神の親の顔が見てみたい・・・居るならだけど。


「さて、じゃあもう一度聞くけど生まれ変わるにあたって種族はどうする?」


 改めて種族の事を説明してもらった後にどの種族にするかを改めて聞いてくれた。思った以上にちゃんと説明してくれていたので聞き流していて少し申し訳なく思いながら最初から決めていた種族を伝える。


「また、人間でお願いします。前世もちゃんと生きられなかったから今度は村人で天寿を全うしたいと思っているので」

「え、、、人間にするの?」

「えっ?何か問題があるんですか?」


 女神が、え、人間なのマジで!?と言いたげな顔をして、固まっていたと思ったら急にしゃべりだした。


「いやいやいや、人間よりもっと長生きできる種族とかとかいっぱいあるよ。エルフとか、人虎とか、竜種とか、精霊とか、ちょっとエッチなところで夢魔とかがあるよ。人間だとすぐ死んじゃうかもだよ!!」


 んん~??この女神なんか急に焦りだしだぞ。そういえば最初にあったときにちょっと特殊なお願いがあると言っていたけどそれと何か関係があるのかな?

 そういえば、種族の説明の時にもなるべく人間については触れないようにしていた節があったなぁ・・・

 まぁ、真っ先に聞いたけどね。


「いえ、天寿を全うしたいとは言いましたが、死んでしまったら死んでしまったで、そこが寿命だったんだなと思うので大丈夫ですよ。」


 なんとなく女神が私の事を人間で生まれ変わらせたくないのが分かったので死にやすそうだからという理由での拒否をさせないようにしてみた。さて、どうするかな?


「とにかく人間じゃなくて別の種族にしようよ。きっと楽しいよ。」

「人間がいいです。」

「異世界だよ。ファンタジーだよ。別の種族を試すのにいい機会だよ!」

「人間最高~、人間万歳」

「人間なんてまた別の人生でなればいいじゃない」

「なんでそんなに人外にしたがるんですか?」


 ふざけるのをやめて真面目に女神に聞くと少し拗ねたように人間にさせたくない理由を言った。


「だって、人間だと魔王になったときに配下にすぐに殺されてしまって、すべて無駄になっちゃうじゃない」


 ・・・は、魔王?

また不定期に投稿すると思いますのでお付き合いいただけたら幸いです。

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