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おはようございます。

ブックマーク・評価ポイント・いいね。ありがとうございました。とても励みになります。

第180話投稿させて頂きます。

楽しんで頂ければ幸いです。

 変形した《タケミカヅチ》と《シナツヒコ》を構え、相手に切り掛かるが相手は動揺した様子も無く軽々と受け止めると余裕の笑みを浮かべたまま口を開く。


「私の言っている事を理解できていないのかしら?武器を変えた所で貴女に使いこなせなければ何にもならないのよ?」

「心配いらない。使い方なら貴女を見て学習した。走れ、《タケミカヅチ》」


 相手の顔を見ながら起動ワードを呟くと《タケミカヅチ》からバチバチと紫電が走り私に向けて展開されていた水の槍にだけに作用して電気分解していく。


「‼」


 その光景を見た彼女はこの戦い中で初めて驚いた様子で私から距離を取るので続けて《シナツヒコ》の能力を発動させる。


「吹け、《シナツヒコ》」


 《シナツヒコ》の能力で先程、《タケミカヅチ》で電気分解をした水素を風で彼女の周囲に風の壁と共に集める。


「《モノ・フレイム》」


 取り出した護符を投げ、一番威力の低い火の魔法を使い爆発を起こす。

 予想していた通り、炎の中から出て来る彼女につい、舌打ちをしてしまうと彼女はフードを目深に被った状態で喋りかけて来る。


「今のは、少し驚いたわ・・・でも、そんなのじゃ私は倒せないわ‼」


 一瞬、私とは別の方向に視線を向けた後、彼女は《オカミノカミ》と《クラミツハ》を構えて再び切り掛かって来る彼女の剣を《タケミカヅチ》と《シナツヒコ》で受け止め彼女の言葉に答える。


「いや、終わりだよ。貴女の事はよく観察させて貰った。今の体が本体でない事も何を破壊すれば良いのかもね」


 そう言って彼女の事を今度は私が蹴り飛ばす。


「その程度で‼」


 そう言って再びかけてこようとする彼女の右腕がガシャンと音を立てて崩れ落ちる。


「なに⁉」


 この戦いが始まって初めて彼女は心底驚いた様子を見せてから《泡沫の魔境》のある方に目を向けると声を漏らす。


「いつの間に・・・」


 《泡沫の魔境》には《カグツチ》が深々と刺さり、鏡がどんどんひび割れて行く。

 その場に膝を着いた彼女に落とした《オカミノカミ》を回収し、鞘に仕舞いながら答える。


「《タケミカヅチ》と《シナツヒコ》を使って起こした水素爆発と同時に《シナツヒコ》の風を使って《カグツチ》を《泡沫の魔境》に向かって飛ばしておいたんだよ。最初に《フレイムブラスト》を使った時も水素爆発の時も貴女は一瞬、《泡沫の魔境》を気にしていた。それにいくら装備が優秀だと言ってもあの爆発の中、全くのノーダメージというのはおかしい。だからアレが本体だと分かった」


 私がそう言ってやると彼女は少しだけ残念そうに口を開く


「あーあ、残念。今の貴女なんかに負けちゃった。まぁ、楽しかったし、今回は良いか」


 そう言うと膝を着くのも疲れたのかゴロンと床に寝転がると言葉を続ける。


「今回は負けって事にしてあげるわ。次は本気で相手してあげる。でも、貴女は気を付けなさい。帝国の連中に・・・転移者を含めた人間達に情けを掛けるのはやめなさい。じゃないと貴女の大切な人達は貴女を守る為に死んでいくわ・・・」


 彼女がそう言うのと同時に《カグツチ》が魔境の下まで落ちて魔境を破壊する。

 それと同時に彼女の体もどんどん砕けて行く。


「貴女が考えを替えなければそう・・・な・・・る・・・日は・・・す・・・ぐ・・・そこ・・・よ・・・


 最後にそれだけ言うと彼女の体はバラバラに砕け、彼女が消えた後には《クラミツハ》だけが残る。

 残った《クラミツハ》を回収しながら消えた彼女に私はポツリと呟く。


「私を守る為に誰も死なせやしないさ・・・」


 そう呟いた後で使った《クラミツハ》と《タケミカヅチ》、《シナツヒコ》をアイテムボックスに仕舞い込み。出口になりそうな仕掛けを探す。

 《カグツチ》を回収し、鞘に仕舞ってから改めて魔境の周辺を探索すると近くに感圧板が設置されており、感圧板を押すと壁の一部が二か所、音を立てて上に上がり出口が現れる

 二か所の壁が上に上がった事に疑問を持ちながら無事に出口が出て来た事に安堵していると開いた壁の片方からゴゴゴゴゴっと音がして来る。

 嫌な予感に顔を歪めながら音の鳴る元壁の方に視線を向けると大量の水が流れ込んできて私は思わず声を漏らす。


「げっ⁉」


 メイド長に聞かれたら笑顔で淑女再教育コースを施されそうな悲鳴を上げながら私は急いでもう片方の出口に向けて駈け出すが水の勢いは早く出口前に着いた途端に私は水に流されてしまう。


「くそ‼結局また流されるのかよーーーーーーー‼」


 そんな悲鳴と共に私は水の流れるままに流されて行くのだった。


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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