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男子会、女子会

おはようございます。

ブックマーク.評価ポイントありがとうございました。とても励みになります。

第166話投稿させて頂きます。

申し訳ございません。前回、誤って閑話だと書いてしまいましたが間違いです<m(__)m>

☆は視点変更です。和登→コハクになります。

楽しんで頂ければ幸いです。

「その箱は今でも見つかっていないそうです・・・」


 そう言って戌夜は手元の蝋燭をフッと吹き消すと口を閉じる。

 現在は零時を少し回った頃で俺達は大部屋に布団を敷いて怪談話に洒落込んでいる。

 部屋は個室も選べたのだが男連中は子供と奥さんの居るグレックさん以外は何故か大部屋を選んだ。

 オウルは夕飯を食べて直ぐに「夜の街が俺を呼んでいる‼」と言って外に飛び立っていった。

 あと、何で怪談話に為ったのかと言うとフェルと乾が皆で集まったら怪談だろと言って始めて今、最後の戌夜の話が終わった所だ。


「さて、場も温まった事だし、そろそろ本題に入るか・・・」


 明かりをもう一度灯して机の上にこの街の観光用の地図を広げて唐突に話し始める。

 どちらでも良いが場を温めるというのなら怪談話をするべきでは無いと思うが・・・

 そんな事を考えながらフェルの言葉に耳を澄ますとどうやら明日の観光地を話し合うみたいなので素直に話を聞く。

 フェルは地図を指差しながらアクセサリーの店や食事処等を教えてくれる。


「まあ、観光に良さそうなのはこんな所だな。ガイとアライちゃんは当然の如く何回か来たことがあるし、和登はコハクと一緒だから心配いらない。戌夜はオウルだからな・・・昼間のアイツは役に立たねぇ・・・夢菜を楽しませるのに覚えておいて損はねぇだろ」


 一通りの説明を終え、フェルがそう締め、俺達の方を見る。


「明日行動で告白する。しないは自由だがとりあえず健闘を祈る。各自後悔の無い行動をしよう」


 フェルの言葉に俺、戌夜、ガイさんの三人で頷くと乾が微妙な顔で口を開く。


「あー、皆で一致団結している所申し訳ないんだが、一つ訊きたい事があるんだが良いか?」


 全員で乾を見て乾に先を促す


「なんで俺、此処に居て明日のアンタらのデート計画聞かされてるの?」


 うん、確かに乾は今回の話に関係ないな。クリストさんはとっくの昔に寝ちゃったし‥‥

 そんな事を考えていると戌夜が苦笑いをしながら口を開く。


「すみません。乾先輩。でも、僕達も先輩の時には協力しますんでもう少し付き合ってくだいよ」


 戌夜がそう言うと乾は渋面を作りながら答える。


「はぁ、あと少ししたら俺は寝るぞ。それと俺にそう言うお節介はいらねぇ。黒猫クロちゃんのダウンロード動画見てるから早く済ませろ」


 そう言って乾はスマホに挿したイヤフォンを耳に着けダウンロードした動画を見だす。

 黒猫クロちゃんって確か配信後の動画のダウンロードをさせてくれるV系の配信者だっけ?そう言えばコイツそんなのに嵌ってたな・・・

 そんな乾の様子に全員で苦笑いを浮かべながら俺達は再び明日の予定を練りだした


 ☆


「私と旦那の出会いは私の城に旦那が来た事でお互いに一目惚れした事が切っ掛けよぉ~。さ~て、じゃあ、次はユメナちゃんにしようかしら~」


 私の部屋にアミルさん達が来て早数時間、時刻は零時近くになり私達はテーブルに座りながら服の話やお菓子の話から始まり現在は恋バナと言われる物に興じている。

 レヴィさんの何故か泣きたくなる話から始まり浮いた話の無いヴァネッサ、ルージェを通り、過去に結婚の話のあったリューンが語り、アライさんのツンデレが有り、テルミアの惚気の後に光さんの特に何もないとのお言葉が有り、現在、アミルさんご夫妻に馴れ初めが終わった所で夢菜さんに御鉢が回る。

 正直、私はそろそろ眠りたい。段々と瞼が下がってきそうだよ・・・そもそも、私も浮いた話なんて無いし、この手の話って苦手なんだよね・・・

 そんな事を考えていると夢菜さんが少しだけ恥ずかしそうにしながら口を開く。


「えっと・・・私もひかちゃんと同じで特にお話できる事は無いんですけど・・・一つだけ、ここに来てからは普通に話せているんですけど戌夜君と元の世界でも普通に話せたらなって言うぐらいですかね。私と戌夜君とひかちゃんは幼馴染で小さい頃から良く話したり遊んだりしてたんですけど中学校という所に行くようになってから少しずつ疎遠になって来たので少しだけ寂しいなぁってぐらいですかね・・・」


 へぇ、夢菜さんは山辺君が好きだったのか・・・・

 そんな事を考えているとアミルさんがものすっごくニコニコとしながら口を開く。


「あらぁ~、ユメナちゃんはイヌヤ君が好きなのねぇ~。じゃあ、明日は、告白はするのかしらぁ~」


 そんな発言に夢菜さんは驚いた顔で椅子から立ち上がり声を上げる。


「いやいやいや、違いますよ‼私と戌夜君は幼馴染で有ってそう言う対象じゃないんです!私の話は終わりです‼コハクちゃんどうぞ‼


 慌てた様子でそう捲し立て何故か私にバトンを回して来るアミルさんはその様子をニコニコと見ている。

 まぁ、アミルさんは淫魔だし、その手の経験も豊富だし、色恋沙汰も大好きだから他人のそう言うのを見抜くのもうまいんだよね。

 まぁ、取り敢えず、特に何もない事を話してこの話を終わりにして早く寝よう。


「う~ん。私にどうぞと言われても私は全然何も無いよ?」

「『はぁ⁉』」


 私がありのままの事実を口にするとヴァネッサ達を含めたその場に居た全員に何言ってんだコイツ?っという視線を向けられる。


「いや、はぁ⁉って言われても・・・何も無いから何も無いっと言っているだけなんだけど・・・」


 皆の態度に些か引きつつもそう答えると全員から呆れた様な視線を向けられる。

 ・・・なんだよ・・・私何かおかしなこと言った?

 何も言わずに皆を見ていると夢菜さんが口を開く。


「狗神先輩の事は?コハクちゃん好きだよね?」

「え?好きだけどそれは友達としてだし、そう言う意味の好きでは無いと思うけど・・・」


 夢菜さんの質問対して答えると周囲の呆れたという空気が更に濃くなる。

 どうでも良いけどアライさんにはそっち側に行ってほしくないんだけど・・・


「よし、コハクちゃんが滅茶苦茶鈍いのは分かっていたけどいい加減、狗神先輩だし、そろそろ自覚しようか?今から幾つか質問するからはい、いいえで答えてね?」


 そろそろ部屋から逃げ出そうかと思っていると夢菜さんがそう言いながらアイテムボックスから紙とインクとガラスペンを取りだす。

 ご丁寧に光さんは私が逃げられない様にドアを塞ぎに行った。


「では、これから幾つか質問を投げかけます。普通は気になっている異性か仲が良いと思っている人を思い浮かべてやるんだけど今回は狗神先輩を思い浮かべてハイかイイエで答えてください」

「・・・えっと・・・はい」


 改まった口調でそう言い紙とペンを持ち質問を開始する。


「では、第一問。その人の事を考えると胸が痛くなる」

「・・・はい?」


 胸が痛くなるかは分からないが昼間の事を思い出し一応、ハイと答えると夢菜さんは紙に何か数字を書いて行く。


「第二問、その人が嬉しそうだと自分も嬉しくなる」

「はい」


 確かに狗神君が嬉しそうだと私も嬉しくなるので此処はハイと答える。まぁ、基本誰かが嬉しそうだと私も嬉しいのだが・・・


「第三問、笑い掛けられると泣きそうになる事がある」

「・・・はい」


 これは確かに彼の笑顔で何故か涙出そうになったことが有った。理由は解らなかったけど・・・


「第四問、その人の声を他の人の声よりも良く拾ってしまう」

「・・・はい」


 これもハイだ。乾君達よりも彼の声を拾う事が多い


「第五問、その人には尊敬するべき点が多いと思う」

「はい」


 これも迷うことなくハイだ。トネリコの時やガマズミの時みたいに自分が危険な目に会うのも厭わずに人の為に行動できる彼を私は尊敬している。


「第六問、その人の力に為りたいと思う」

「はい」


 これも当然、ハイ。彼が困っているのなら今度は私が彼の為に何かをしてあげたいとは常々思っている。

 そんな質問が数回続き最後の質問が終わると徐に夢菜さんは数字を集計し始める。

 周囲を見ると光さんもアミルさん達もなにやらニコニコ(ニヤニヤ?)としている。

 そんな周囲を見ていると夢菜さんは満足そうな笑みを浮かべながら口を開き衝撃的な一言を放つ。


「合計点が80点以上だったアナタ。ズバリ‼その彼に恋をしちゃっているでしょう‼」

「え⁉は⁉ええええぇっぇぇぇぇぇっぇえっぇぇぇっぇ⁉」


 何かのテレビ番組みたいな口調でそんな事を言う夢菜さんの言葉に予想以上の混乱を招いた私の頭は許容オーバーを起こし、私は自分の気持ちの自覚と共に訳の分からない奇声を発する。

 正直、部屋に防音の結界が張られていて良かった・・・

 周囲がやっと自覚したのかコイツはという視線を向ける中、私はそんな事を思いながらその日の私の意識はそこで途切れてしまった。


此処までの読了ありがとうございました。

次回こそ本当に閑話になりますのでごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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