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女子会しましょ?

おはようございます。

ブックマーク.評価ポイントありがとうございました。とても励みになります。

第165話投稿させて頂きます。

楽しんで頂ければ幸いです。

 狗神君が手伝ってくれたお陰で予定よりも早く夕食の下準備とおやつの支度が終わったので皆が返って来るまで作ったチェスをして遊ぶことにした。

 それにしても、野菜の皮を剥いたり、野菜のカットを頼んだ際に危なげなく出来ていたのを見る限り狗神君はどうやら料理が出来る人だったみたいだね

 チェス盤を見ながらそんな事を考えてしまう。


「手伝ってくれてありがとう。狗神君のお陰で早く準備が終わったよ」


 お互いに席に着き、私が手伝って貰った事のお礼を言うと狗神君は顔に笑みを浮かべながら口開く。


「どういたしまして。足を引っ張らなかったみたいでホッとしたよ」

「足を引っ張るなんてとんでもない。私の方こそ手際が良くって驚いたよ。普段から料理とかしていたの?」

「あー俺、今は一人暮らしだからさ。簡単な物は自分で調理しているんだよ」


 お互いに手を動かしながら話をしていると彼が料理をする時の手際が良かった理由を言ってくれる。

 成程、高校生で一人暮らししていたのか・・・自炊してるなんて偉いな・・・

 そんな事を考えながら親元から離れ一人暮らしている理由が気になったので手で駒を動かしながら聞いてみる。


「へ~、何で一人暮らしをしているのか訊いても良い?」


 何とも無しに一人の理由を訊くと彼は些か言い難そうに意外な事を口にする。


「理由を聞いても笑わない?」

「笑わないよ?」


 彼の目を見ながら答えると彼は顔を赤くしながら呟くように答えてくれる。


「・・・小学生の時の初恋の女の子に合う為だったんだよ・・・告白する為に」

「・・・え、あ、そうなんだ」


 愛しそうな顔で思いもしなかった事を言う彼に何故か一瞬、胸が痛み、駒を持つ手が止まる。


「まぁ、ちょっとした理由で結局告白は出来なかったし、それに今は・・・コハク、どうした?」

「え?何でもないよ?」


 訳の分からない痛みに内心で首を傾げていると狗神君がぼーっとしている私を心配そうにこちらを見ているので何でもないと誤魔化しておく。

 このままだと気まずくなると思いとりあえず何かを言おうと少しだけ焦っていると玄関口から元気な声が聞こえて来る


「たっだいま~」


 突然の皆の帰宅に気まずくならずに済んで内心でホッとしながら私は返事をする。


「あ、皆、お帰りなさい」

「あ、お帰り」


 狗神君と二人で帰って来た皆を迎えるとネージュとレニちゃんがちょこちょこと近寄って来る。


「主‼ただいま‼お腹空いた何か有る?」

「おねちゃん。おなかすいた~」


 元気にそんな事を言う二人に私は笑顔を作り口を開く。


「用意して有るから手を洗って来なさい。その内に持ってくるから」

「「は~い‼」」


 私の言葉に二人は笑顔を浮かべながら手を洗いに行く。

 その後姿を見ながら遊んでいたチェスを片付け、用意してある()()クッキーとスコーンを取りに私は席を立った。

 幸いな事にネージュ達とのやり取りと皆でおやつや夕飯を食べている間に先程感じていた痛みを私は忘れていた。



「ふぅ~」


 皆が帰って来てから少しして、夕飯とお風呂を済ませて私はベッドに寝転がって息を吐きながら明日の予定を考える。

 明日の予定は何人かに別れて街を観光する事になった。理由は夕飯の時にフェルがそう相談して来て皆がそれに賛成したからだ。

 班はフェルとテルミア、山辺君と夢菜さん+案内役のオウル、アミルさん一家、ガイさんとアライさん、乾君と光さんと小父様とヴァネッサ達とネージュ、私と狗神君になった。

 何故かフェルがテルミアを見ながらそわそわして狗神君やガイさん、山辺君にお前らも頑張れと言っていた。・・・一体何を頑張るのだろうか・・・?

 そんな事を考えて居ると部屋のドアを誰かが控えめにノックする。


「はーい」

「コハクちゃん、今ちょっといいかしら~?」


 返事をするとアミルさんの声が聞こえて来る。


「どうぞ」


 ベッドから起き上がり入室の許可を出すとドアが開き、アミルさんと夢菜さん達が入って来る。

 何か有ったのかと疑問に思っているとアミルさんがニコニコ笑いながら口を開く。


「まだ起きていて良かったわ~。コハクちゃんお願いが有るの~」

「何ですか?」


 ニコニコとしているアミルさんに少しだけ面倒くさそうな気配を感じながら用件を聞く。

 よく見るとアライグマ状態のアライさんが後の方でヴァネッサに抱えられている。目が死んだ魚の様だ

 そんな事を考えて居るとアミルさんが再び口を開く。


「レニもネージュちゃんも寝たし皆で女子会しましょ~」


 やっぱり出て来た面倒事に私は内心溜息を吐きながら皆を部屋に招き入れたのだっ


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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