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左目、見えてないですよね?

おはようございます。

ブックマーク.評価ポイントありがとうございました。とても励みになります。

第162話投稿させて頂きます。

楽しんで頂ければ幸いです。

「ほいよ。ご注文の海鮮焼き串38本お待ち!嬢ちゃん達可愛いから2本おまけだ」

「ありがとうございます」


 元気よく注文した惣菜を渡して来るお店の人にお礼を言ってお金を払い注文品を受け取って店から離れながらオマケして貰った2本をだし、左隣にいる女性に手渡して食べながら歩く。


「さて、食材とお昼にする出来合いの物も買えましたし、僕達の買い出しは終わりましたね。そろそろ光さんやレヴィ様達と合流してレヴィ様の別荘に移動しましょうか」


 新しい服を身に纏い、灰色の髪をツインテールに結われた私より少しだけ背の低い(背の差にして約2㎝)可愛らしい女性が片手に紙袋を抱え、串焼きを頬張りながらレヴィさん達との待ち合わせ場所に向かって歩き出す。

 現在は、ショッピングも終わり、別れて夕飯の材料とお昼ご飯を購入している所だ。

 班分けは夢菜さんとネージュ、アミルさん、レニちゃん、ヴァネッサのチーム。光さんとテルミア、レヴィさん、ルージェの班。私とアライさんの班の三つに分かれて買い出しを行っている。

 ネージュは自分より小さい子が居る事が楽しいのか嬉しそうに夢菜さん達と歩いて行った。

 今回、アライさんと一緒なのは、何故かアライさんから二人だけでという御指名を貰ってしまったからだ・・・服屋での事で文句でも言われるかな?

 それにしても、アライさん。人の姿は思った以上に童顔で可愛らしい人だなぁ・・・初めて会ってから8年間、初めて人の姿を見たよ。

 そんな事を呑気に考えて居ると私の左側に居るアライさんがゆっくりと口を開く。


「それで、その左目は何時から見えてないんですか?」

「・・・いつから分かってたんですか?」


 唐突に隠している私の体の現状の事を訊かれて内心で驚きながらアライさんの質問に質問で返すとアライさんは溜息を一つ吐き答えてくれる。


「黄昏の城に行った時に左側をやたらと警戒してましたし、今もやたらと警戒してますよね。極めつけは今、僕が左目に串を突きつけていても気付いて居ない事です」


 そう言うアライさんの方を向くと彼女は紙袋を抱えたまま歩いている。


「ほら、やっぱり見えてない」


 呆れた様にそう言う彼女の言葉に私は嵌められたことを理解し、左目の事を白状する。


「第六の厄災の時に勇者が奥の手を使って来たので私も【カンナカムイ(未完成の魔法)】を使って応戦したんですよ。その際に左目の神経系がいかれちゃったみたいです」


 私の言葉にアライさんは更に溜息を吐き、口を開く。


「そんな所だと思ってましたよ。何で貴女は自分の体を大事にしないんですか・・・・当然、貴女の目の事はフェル様とオウル様も気付いてます。僕にタイミングを見て聞いておけと言っていましたからね。言いたい事は沢山ありますけど恐らく二人が何か言うから言いません。ただ一言だけ言うのなら友人である貴女が死んでテルミア様を悲しませるのなら冥土までシバキに行くのでそのつもりでいてください。僕だって君に死なれたら悲しくなります。だからもっと自分を大事にしてください」

「・・・善処します」


 呆れた様にそう言うアライさんに一言返事をしたところで皆との待ち合わせ場所に着き、私達はレヴィさんの別荘に向かった。


 少して、レヴィさんの別荘に着き、玄関のドアを開けるのと同時に狗神君達の驚愕の声が響き渡る。


「「「「はあああああああ⁉⁉⁉⁉」」」」


 何事かと思い皆で急いでリビングに向かい、ドアを開くとお茶をしていたらしい男性陣が驚いた顔でオウルの事を見ている。


「お、お帰り。帰って来て早々で悪いが飯にしようぜ。腹が減った。」


 リビングに入った私達にオウルが呑気に声を掛けて来てお昼にしようと促してくる。

 そんなオウルにフェルが驚きながらツッコミを入れる。


「待て待て待て待て‼お前、結婚してるなんて初耳だぞ‼そこをもっと詳しく説明しろ」

「はぁ⁉オウル‼アンタ結婚していたの⁉」

「あらあら~。知らなかったわぁ~」


 フェルの言葉にレヴィさんとアミルさんも驚きの声を上げる。

 ああ、オウルが結婚していた事を話したのか・・・まぁ、私は色々有って知っていたんだけど・・・てか、アミルさん。あんまり驚いた感じがしないね・・・


「まぁ、俺にも嫁にも色々有ってな・・・詳しい事は聞いてくれるな」


 納得できないフェル達が騒いでいる。そんな中、アライさんが後ろから身を乗り出し、有る人物を見て声を上げる。


「アレ⁉てか、ガイ‼こんな所で何してるんだよ‼」

「あ・・・よっよう、アライ。久しぶりだな・・・てか、お前こそ珍しい恰好をしてるな・・・てか、よく見ると全員すげぇ格好してんな・・・ゴスロリって奴か?」


 アライさんの声にガイさんは何故か気まずそうに返事をし、私達の服装に突っ込んでくる。

 そう。現在、私たち女性陣の格好はレースやフリルの沢山付いた所謂ゴスロリと言われる格好なのだ。

 自分の名誉の為に言っておくがこの格好は決して私の趣味ではない。こっちで着る服を購入した後でレヴィさん達が見つけてしまい皆で着ようと提案して来て夢菜さん達がそれに乗った結果だ。

 決して私とアライさんの趣味ではない。因みに代金はアミルさんとレヴィさんが全員分出してくれた。


「格好の事は突っ込むな‼僕の趣味じゃないぞ‼」

「あ、いや。良く似合ってる。可愛いと思うぞ」


 格好の事を言われたアライさんが顔を真っ赤にして服装が趣味では無いと言うとガイさんが似合っていると言うと更に顔を真っ赤にして黙る。

 ・・・早く付き合っちゃえばいいのに

 オウルが既婚者だという話に騒いでいる面々とアライさん達を見ながら収まるまでに時間が掛かりそうだなと思い私は密かに溜息を吐いた。

 視界にちらりと映った狗神君が私を見て顔を赤くしていたのが何故か分からないけど少しだけ嬉しく思ってしまった。


此処までの読了ありがとうございました。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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