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寝過ごした・・・

おはようございます。第132話投稿させて頂きます。

評価ポイント・ブックマークありがとうございます。とても励みになります。

また、誤字脱字報告もありがとうございます。

楽しんで頂けたら幸いです。

「「「「お帰りなさいませ。魔王様。御無事に帰還されて何よりです」」」」


 転移陣を使って戻るとずっと待っていてくれたのかメイド長やバラン、メビルス達が出迎えてくれた。


「勇者様方とネージュ、第三部隊及び斥候部隊は無事に帰還しております。被害報告は後ほど書類にて提出されますので後日、確認をお願いいたします」

「分かった。今回の報酬や遺族に対する保証は資料の確認後に」


 メビルスからの報告に答えながら私はゆっくりと転移陣から動く。

 正直、向こうで休みはしたけど体が怠い・・・


「そう言えば皆はどうしている?」


 歩きながら此処には居ない狗神君達について聞いてみるとメルビスが後を付いてきながら答えてくれる。


「皆様も魔王様の帰還までお待ちすると言っていたのですが何分激しい戦闘の後でしたので先にお休みに為って頂きました。ただ、マカ様だけは先に母国にお戻りになり話を通しておくと仰っていたので休んでからでも良いのではと引き留めたのですがどうしてもと仰ったので転移装置にて一足先にルファルデ法国にてお送りいたしました」

「分かった。ありがとう。メルビス」


 続けて答えてくれたメルビスにお礼を言いながら部屋を出ようとするとメイド長に声を掛けられる。


「魔王様、湯浴みはどうされますか?」


 私の姿を見て相当汚れていると判断したメイド長はお風呂に入らないかを聞いて来る。

 正直、すっごく入りたいけど現状血液不足でフラフラだし今日は体を拭くだけにしておいた方が良いだろう・・・


「入りたいけど今日は血を失い過ぎたからやめておくよ・・・でも、体は拭きたいから用意してくれる?」

「畏まりました。リューン。私は準備するから皆に予定は明日に変更と伝えて頂戴。その後で貴女は魔王様を連れて脱衣所まで来て頂戴。では、魔王様、準備が整うまで談話室でお休みください。準備をいたしますので失礼いたします」

「はい、メイド長。魔王様、後ほど失礼いたします。」


 準備をする為にメイド長とリューン一足先に部屋を出て行く。


「では、魔王様。談話室に向かいましょう」


 その後、談話室でバランに入れて貰ったお茶を飲みながらリューンを待ち、迎えに来たリューンに付き添われながら脱衣所まで行き、メイド長が用意してくれたタオルとお湯で体を拭ってから片づけを頼み。部屋に行って寝て居るであろうネージュを起こさない様にベッドに入ると不意にネージュに話しかけられる。


「あるじぃ?かえってきたのぉ?」

「うん。起こしちゃった?ごめんね?」


 眠そうに問いかけてきながら私の身体にゆっくりと抱き着いて来るネージュを抱き返しながら私は小さな声で起こしてしまった事を謝る。


「んん、ぼんやりとだけどおきてたぁ・・・怪我してるの?血のにおいがするよ?」


 ぼんやりとした様子だったネージュが私の血の臭いに反応して心配そうに顔を歪める。

 そんなネージュの頭を撫でながら私は安心させるような声音を心掛けながら答える。


「うん、少しだけ怪我をしたけど向こうの国で治して貰ったから大丈夫だよ。血を使い過ぎちゃったからお風呂に入れなくて拭いただけだから血の臭いが落ちてないのかも・・・臭いよね?ごめんね」


 そう言うとネージュは顔を押し付けながら首を振り、口を開く。


「ううん、あるじが無事だったからそれでいい~。おやすみなさい。あるじ」

「おやすみ。ネージュ。また明日」


 大丈夫だと言ってくれたネージュの頭を撫でながら最後にお休みと言い合い。私は長い一日を終えた。


「・・・12時・・・だと・・・?」


 翌日、どう考えても寝過ごした感が半端ないぼやけた頭で時計を確認し、私は驚愕の声を上げて呆然としてしまう。

 確かに昨日は色々有って疲れていたがまさか12時まで寝てしまうとは思わなかった・・・

 当然の事ながらネージュの姿は既に無く私はまだ少しだけ怠い体を起こし、着替えてとりあえず朝食?を摂りに食堂に向かう。


「お、会頭。おはよう‼体調は大丈夫かい?」


 食堂まで来ると食事の準備をしていたヴァネッサが元気に挨拶してくる。

 てか、なんでヴァネッサが此処にいるの⁉

 内心、驚きながらとりあえず挨拶を返そうと口を開こうとするとまた別の聞き覚えの有る声が食堂に響く。


「あ‼主様‼おはようございます‼お加減はいかがですか?」


 声の方を向くとこれまた見覚えの有る少女がスープの入った皿を乗せたお盆を持って此方に寄って来る。

 だからなぜルージェも此処にいるの⁉

 とりあえず驚愕を押し隠し、私は二人に挨拶を返す。


「おはようと言って良いのか分からないけどおはようヴァネッサ、ルージェ。二人は何で此処に?」


 はっきり言って「おそよ」っと言った方が正しいような時間なので微妙に気まずい返答をしながら二人に此処にいる理由を聞く。


「「昨日の晩にメイド長に呼ばれたんだよ(です~)」」

「あ、そうなの。なんで?」

「「う~ん、それはまだ言えないなぁ~(ですねぇ~)」」


 メイド長が呼んだという言葉に驚きながら理由を聞くと二人揃って適当に誤魔化される。


「さ、まずは腹が減ってるだろ?とりあえず食事にしなよ。会頭」


 そう言いながら席に着かされルージェが目の前に持っていたスープを置いてくれる。


「そう言えばネージュや他の皆は?」

「ネージュは夢菜と光と一緒に街に買い物に行ったよ。男連中も皆各々街に出てるみたいだな」


 席に着き私以外来ていない事に気が付きヴァネッサに聞くと皆の行き先を話してくれた。

 ・・・ネージュは夢菜さん達と出かけたのか・・・・・・

 置いて行かれた事に少しだけ寂しさを感じながら私は食事を摂る為に匙を取った。


「さて、主様。食事も済んだ事ですし、次はお風呂に行きましょうか?」


 食事を摂ってから少し時間が経ちヴァネッサ達と話していると唐突にルージェが笑いながらお風呂に入る事を進めて来る。

 確かに私も体を綺麗にしたいし、食事を摂ってから結構立ったので丁度良いだろう。


「そうだね。じゃあ、私はお風呂に入って来るよ」

「えぇ、ごゆっくり」


 ヴァネッサとルージェにそう言い残し、私は温泉に入る為に脱衣所に向かった。


「はぁ~、さっぱりした・・・」

「「「「お疲れ様です。魔王様(会頭)(主様)」」」」


 体にタオルを巻きながら昨日からの汚れを完全に落としてさっぱりし、一言呟きながら脱衣所に出ると満面の笑みを浮かべてリューン達が立っている。

 は⁉何してんの⁉


「では、魔王様のマッサージに入りまーす。皆、魔王様を捕獲してね‼」


 私が呆然としていると私の脇を複数人の侍女達に抑えられ私はズルズルと別室に連れ込まれた。

 その後、リューンと愉快なエステ隊の手によって私は全身をピカピカに磨き上げられるのだった。


ここまでの読了ありがとうございます。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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