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第4の厄災戦・3

おはようございます。

第123話投稿させて頂きます。

沢山の評価ポイント・ブックマークありがとうございます。とても励みになります。

また、誤字脱字報告もありがとうございます。

楽しんで頂けたら幸いです。

 あの後、少しして皆に見守られながら気分を落ち着けて私は黄昏の国の兵に勇者組に村に向かっている魔物の討伐に行ってもらう事を伝えて準備を行った。

 えぇ・・・自覚が無かったとはいえ思いっ切り皆に泣き顔見られましたよ。その所為かなんか知らないけど皆の視線がやけに柔らかく優しいものですよ。お願いだからその視線ヤメレ・・・

 まぁ、気分的には復活出来たし代償は大きかったけど良しとしましょう・・・仮面はしばらく外せないけど・・・


「出来る限りこっちも早く始末をつけるから絶対に無理はしない事‼命の危険を感じたら直ぐに逃げてよ。良いね?」


 ネージュに特殊な鞍を付けながら私は支度している皆にそう言うと狗神君が少しだけ笑いながら答えて来る。


「分かった。コハクも気を付けて」


 そう言う狗神君の横からリルが顔を出し、口を開く。


「そうだよ‼コハクちゃんの方が危険度が大きいし、傷を負う事が多いんだから気を付けてね‼後でテト君と仲直りしないといけないんだからちゃんと元気な姿で戻って来るんだよ‼」


 テトと仲直りをするその言葉に私は一瞬だけ気分が沈む。

 魔王として下した判断が間違いとは思わないけどそれが原因で仲違いしてしまったのだから仲直りしないといけないのは当然だ。でもなぁ・・・気が重いなぁ・・・

 そんな事を考えているとリルがジッと私の事を見つめて来る。あ、うん、はい、ガンバリマス


「そうだね。出来る限り頑張るよ。ネージュ、皆をよろしくね。夢菜さん。ネージュをお願いね」

「うん、主も気を付けてね」

「大切なネージュちゃんを預かるね。コハクちゃんも気を付けて」


 リルに返事を返しながらネージュの手綱を自分の準備を終えた夢菜さんに手渡す。

 それとほぼ同時に準備を終えた皆がネージュの背の上に乗りこむ。


「じゃあ、皆。村の事をよろしくお願いします」

「「「「「「「任せとけ(てください)(といて)(てちょうだい)‼」」」」」」」


 そんな快い返事を返してくれたのと同時に夢菜さんはネージュに指示を出しネージュが翼を羽ばたかせて空に舞う。

 その姿が見えなくなるまで見送り、私は通信機を使って先程連絡をくれた斥候部隊の団員に連絡を取る。


「フュッテ、私だ。今、狗神君達勇者5名とマカさんとリルが魔物の討伐に向かってくれた。彼等と連絡を取り最大限のバックアップを頼む」

「承知しました。魔王様も御無理はなさらない様にしてください」

「あぁ、皆も気を付けて」


 そんな会話をし、通信を切ってから私は、今度はこの場に居る第三部隊の方を向き、声を掛ける。


「皆、聞いてくれ‼当初の予定とは大きく異なった戦況に為ったけど私達のやる事は変わらない。当初より皆に掛ける負担は大きくなったけど私に力を貸してくれ‼誰一人欠ける事無く皆で国に帰ろう‼」

「おおおおおおおおお‼‼‼‼‼‼」


 柄にもなくそんな宣誓を皆に告げると皆は雄叫びを上げて同意してくれ、私達は迎撃の準備を進めた。




「来た・・・」


 狗神君達が出発して数時間後、私達の見つめる先に土煙が舞っているのが見えて来る。

 恐らく狗神君達はもう戦闘を開始しているだろう。無事だと良いけど・・・今は目の前の敵に集中しよう。

 そんな事を考えながら私は全員に向って声を掛ける。


「まずは数を減らす‼魔法を使った後で全員で殲滅する準備しろ‼総員、遮光グラスを装備‼直接、光を見るな‼目が潰れるぞ‼《デカ・フォーサウザンド・ルクスエレメントスフィア》」


 魔物達との距離がちょうど半分程になった頃に全員に予め配った遮光グラスを装備させ私は魔法を展開させる。

 4000個の光の玉が1000ずつに分かれそれぞれで巨大な円を描き始める。

 私は左手で持った《オカミノカミ》を上に掲げ、魔法の発動と同時に振り下ろす。


「自分達の仲間の攻撃をその身で味わえ‼厄災魔法サイプレス


 4つの巨大な光の円から直接見たら目を覆いたくなるような光と熱が発射され敵の半数以上を薙ぎ払っていく。

 厄災魔法サイプレス、前の戦いで第四の厄災が放ったビームを参考に現状で使える魔法で無理矢理再現した魔法だ。自分の総魔力量の半分を使う魔法だったけど大量の魔力を使うだけの成果は有るみたいだね。

 ビームの照射が終わり敵の数が減ったのを確認し、魔力の使い過ぎで多少、ふらつくのを我慢しながら全員に向けて大声を張り上げる。


「総員‼攻撃開始‼」

「我らが魔王様の為に‼総員、突撃‼」

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼‼‼‼‼‼」


 私の言葉の後にクエウスが突撃の命令を出し、皆が武器を構えながら雄叫び上げ走り出す。

 その言葉と同時に私も両手に持つ剣を構え直し魔物に向けて駈け出す。

 魔物を切り殺しながら潜んでいる第4の厄災を探しているとイビルベアの群れが私の前を阻む様に現れる。


「邪魔だぁ‼」


 叫びながら襲い掛かって来るブラッドベアの頭を切り飛ばしそのまま別の個体に切り掛かる。


「自分の意思で動いていない操り人形如きが」


 二頭目を切り殺し後ろから飛び掛かって来た三体目の腹を叫びながら切り裂く。


「私の邪魔をするなぁ‼《ノナ・サイプレス・サーヴァント》」


 残ったイビルベアやブラッドベアを魔法で殲滅し更に魔物の群れの奥に走り第4の厄災を探す。


「見つけた‼」


 魔物の群れの中に飛び込み、約1時間経った頃に私は襲い掛かって来たロックウルフを両断しながらそう呟き、阻む様に立ちはだかる魔物を切り飛ばしながら突進する。

 立ちはだかる敵を切り伏せ、私は遂に第4の厄災と対面する。


 ☆


 HP ?/?

 名称:第四の厄災=トネリコ

 ランク:ミソロジー

 特記:第四の厄災、束縛と服従を強いる。


 ☆


 脳みそに眼球が二つ付き無数の触手を生やしたグロテスクな見た目のそれはこちらを見つけると威嚇する様に触手を持ち上げる。


「《ノナ・セブンスエレメント・スフィア》《オーラ》《アクアエンハンスアーマメント》」


 そんなトネリコを睨みつけながら私は魔法を展開させ剣を構え直す。

 とっとと倒して皆の支援とイリアに戻る‼

 そんな事を考えながら私は地を蹴りトネリコに向かって切り掛かった。


読了ありがとうございます。

次回もごゆるりとお待ち頂けたら幸いです。

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