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森の中の異変

今日は寒かったですね。

風邪やインフルが流行っているようなので皆様もお気を付けください。

第10話投稿させていただきます。


 いやぁ~、本当に穏やか森の中を歩くって本当に気持ちが良い。

 前世では、死ぬ少し前は病院のベットの上だったし、病室しか記憶にないんだよねぇ

 そんな事を呑気に考えながら昼過ぎの森の中を進んでいく。あと少しでリコの木がある場所に着く。リコの実はリンゴに似ていてなかなか美味しい実だ。


「はぁ~、長閑で最高だぁ~」

「そうだねぇ~」


 私の言葉にムウが同意しているとユユが少し寂しそうにしている


「ユユ?どうかしたの?」

「ううん。何でもない、大丈夫だから気にしないで」


 気にしないでと言いながらまだ寂しそうにしているユユの隣に行きそのホッペをビヨ~ンっと引っ張る。

 子供のもち肌はよく伸びる


「いひゃい、いひゃい」

「何でもなくないでしょう。嘘つかないの」


 パタパタと暴れるユユの頬を離し、今度は頭を撫でながら言葉をつづける。


「どうせ来年は皆で集まるのが難しくなると思って寂しくなったんでしょ?」

「うん・・・」

「あんまり気にしないの。日常何てそんなに変わらないよ」

「だって、ムウは来年から家の手伝いが忙しくなるし、コハクとテトは町の学校に行くんでしょ?なかなか会えなくなると思うと寂しくなっちゃって・・・」


 ユユが物凄く寂しそうにそんなことを言う

 んん!?学校に行く!?私が!?いつ!?誰がそんなことを言ったのだろう?

 確かにテトは来年から国の首都にある魔法学校兼騎士学校に入学する。これも今年おじさんと大喧嘩の末に特待生になれたら入学させるという条件を出した際に《ライトニング・オーラ》を使って更にその魔法を使いこなしていることから見事に合格したのだ。もっとも面接の時に使った魔法を作ったのが自分では無く私だと言ってくれたおかげで色々と誤魔化すのが大変だった。


「え?私が学校に行く?誰がそんなこと言っていたの?私はこの村でシスターやお父さんの手伝いをしながらのんびりゆったり過ごしていくつもりだよ」


 私の言った事に三人はポカーンっとした顔をしている。

 え?私何か変なこと言った?


「え?でも、前に学校の先生がコハクの家に話をしに来ていたよね?」

「そこのピヨコが試験の際にうっかり私の事を喋ってくれた所為で確かに入学を進められたけど色々な手を使って誤魔化したよ」

「毎日、色々な本を読んでいるのは?学校に入るからじゃなかったの?」

「ただの個人的な勉強だよ。学校に入るのとは全然関係ないよ」

「俺との勝負はどうなるんだよ」

「村に帰ってきたときにやればいいでしょ?一番どうでもいいわ!」


 口々に色々と聞いてくる三人に答えながら森を歩く。なるほどねぇ前に入学を進めてきた先生をユユは見ていてそれで勘違いしちゃったのかぁ。

 この世界での私の目標はとにかく魔王になりそうな事柄から完全に逃げ切ることだ。そのためには生まれた村から出ないのが一番。

 私は、此処で絶対に老衰で死んでやる!


「「才能が勿体無い」」

「一番どうでもいいのかぁ・・・」


 ユユとムウが同時に同じことを言っている。本当に仲が良い二人だ。

 ピヨコはどうでもいいと言われたのがショックだったようだ。だって本当にどうでもいいんだもん。


 他愛もない話をしながら進んで行くと目的の木の近くまで来た。

 最後の距離を皆で走って行こうとした所でいつもと何かが違うことに気づき全員に声を掛ける。


「皆、ちょっと待って!」


 全員が不思議そうな顔をして止まったのを見てから草の生い茂っている方に全員で移動するように促し進み草の隙間から木の方を窺う。


「なっ」

「嘘ぉ・・・」

「なんだよこれ・・・」


 草陰から見た光景に私以外の三人がそんな声を漏らした。

 リコの木の下はこの辺りで最も危険な熊型の魔物ブラッドベアの群れに覆いつくされていた・・・


此処から少し動きます。


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