プロローグ 書類の山の中からこんにちは
初投稿させていただいております。つたない表現に読みづらい事も有ると思いますがよろしくお願いします。
ガサッ、バン、ガサッ、バン、ガサッ、バン、ガサッ、バン、ガサッ、バン、
広い部屋の中にひたすらそんな音が響く。
部屋の奥にある机の上の書類の山を銀髪の少女が涙目になりながら目を通し、内容を確認してから機械的に判子を押して処理していく。
「魔王様、次コッチノ書類ニ判子ヲ押シテクダサイネ」
と骸骨兵が書類の山をさらに追加した。
「ソレガ、オワッタラコッチノ書類ニモ判子オネガイシマスネ」
と今度はオークがさらに書類を追加して行った。
書類の山はなくなる様子が全くない。
平凡な村娘Aに生まれ変わったはずなのにいったいなんでこんなことになったのだろう。
「クロノス、今回、なんでこんなに書類の山が出来ているの?」
と後ろで執事のように立っている悪魔に質問する。
「なぜ、書類が多いのかですか?まず、魔王様が前々から行っている。人間との共存に向けての書類が1/3程ですね。残りは来月予定されている。【魔王様就任8周年☆おめでとう記念祭】の出店希望や予算の申請などが有るからですね。領土にいる人間達も張り切って参加の準備をしていましたからね。」
「その書類全部私にまわしたの?経理の方で処理できるものはそっちで処理してよ・・・」
「個人的には魔王様のその泣きかけの顔が見たかったので全てまわしました。心のアルバムに永久保存です」
「この悪魔め・・・」
「悪魔ですから」
笑顔でそう言い放った。悪魔を軽く睨みながら書類を減らしていく。
やはり今年こそはこの祭りを止めさせるべきだった・・・毎年、毎年やるという度に止めさせようとするが配下の魔族達と領土の人達にがっかりするような顔をされてしまい結局押し切られてしまう。
「はぁ~」
転生する際にあの女神の言うことを真に受けずに絶対に普通の村娘に転生させてくれと念を押して言っておくべきだった。おそらく無駄だっただろうけど・・・
私、魔王コハク・リステナ・トワイライトはため息を一つつき、クロノスのスキルで世界ごと止めている勇者を見ながら自分が転生してからの事を思い出していた・・・。
次回からいきなり過去に入ります。結構長くなると思いますがよろしくお願いします。投稿は早く上げる様にしたいのですが、大変遅筆なのでかなり不定期になると思います。