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Link. ~すべての世界線がつながる物語~  作者: ヤマ
2:Third Life ----七つの罪
94/105

S:94 悪魔か天使か

「――」


 これは、いったいどうしたものか。

 一旦カーテンを閉める。


「――」


 いや、だめだ。落ち着け。イレギュラーなことはこれまでたくさん起こっていたじゃないか。今回は相手も起きていない。今までよりも対処は簡単なはずだ。とっさのことでぼやっとしか見えなかったし。今逃げ出せばきっとばれない。

 どうするどうする。


「ん……あ」


 声が聞こえた瞬間、空の身体が雷に打たれたようにびくっとしてしまう。

 ばれたか……?

 ゆっくりと、カーテンから体の方向を変えず、一歩、一歩と後ずさる。


「先生、ですか……?」


 違います。


 なんて言えるはずもなく、空はその場から動き出せない。動いてしまったら不信感を与えてしまうし、動かなくても不信感を与えてしまう。どうすればいいんだ。


「――誰、返事して」


 少し強くなった言葉を聞いて――空は観念した。両手をゆっくり挙げて、小さく息を吸って、カーテン越しに言う。


「俺だよ。すまなかった。起こしたか?」


 覚悟を決めたはずなのに、少しだけ事実を捻じ曲げてしまったことが良心をえぐられる。


「えっと、ユーシャ?」


「お、おう」


「どうしたの、こんな朝から」


 心臓がバクバク音を立てている。アモスは自分の状況を理解した方がいいと思う。


「約束を果たしに来てやったんだよ……!」


 緊張のあまり、ぶっきらぼうになる。


「――。もしかして、見た?」


「――! 見てない!」


 まだ、何をさえ言っていないのに、決めつけて焦ってしまう。


「そっか――――嘘だよね」


「――。悪かったよ」


「……」


 しばしの沈黙が二人の間に流れる。

 その後、すすり泣く音が聞こえ、また空の心臓を跳ね上がらせる。


「ちょ、ちょっ!?」


 泣かれてしまったという事実から、慌てて弁明しようとカーテンをはがす。


 ――カーテン越しのベッドの上には、黒い翼の悪魔のような天使がいた。

来週確定で100話行きます。やったー!

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