S:85 俺らの部屋
長い廊下の末に、空たち二人の部屋が見えてくる――わけもなく、半壊した部屋、廊下の周りには柵がたてられており、その先からは入れないようになっていた。
外の景色が一望できる半壊した廊下からは、視覚だけでなく触覚さえも使わせて、そこが本当に壊れたのだと伝える。
「さむっ」
昼間の気温だけでいうと、初夏ぐらい。その温度が夜になると砂漠のように寒くなるし、暗くなるので一層寒さが強調される。
「ああ、君たち!」
「はい?」
突然背後からかけられた声。振り返ると、作業着のようなものを来た中年のおじさんが焦った様子でこちらに寄ってきていた。
「ここから先は危ないよ! ――って、そうか、君たちの部屋だったのか……」
こちらの不動の様子を見て察したのか、おじさんは申し訳なさそうに息を切らしながら言う。
「いいえ、気にしてないですよ。それより僕たちの部屋はどこになったかご存じですか?」
丁寧に対応をすると、おじさんは驚いた様子だった。果たしておかしな対応をしてしまっただろうか。
「あ、ああ、すまん。――君みたいな礼儀がしっかりとした少年を見たことがなくてね」
「――。ありがとう、ございます」
何でだろうか。
向こうでは絶対に言われなかった、かけられなかった――当たり前だで片付けられた言葉が。
今更しみる。
価値観が違う世界だと思い込んでも、その温かみは消えない。素直にうれしいのだ。
「ああ、そうだ。――部屋は俺が案内するよ。ついておいで」
優しそうな笑顔を向けて、背を向け、半壊した部屋とは反対側へと向かっていくおじさんに、空とセイルはついていく。
――ついた部屋は、今までいた部屋と何ら変わらない部屋だった。
半壊した部屋回




