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Link. ~すべての世界線がつながる物語~  作者: ヤマ
2:Third Life ----七つの罪
80/105

S:80 英雄の翼

 地面と激突する音が耳を貫いて、空は後ろへ倒れ込んでしまった。


「な、なんだ!?」


 砂ぼこりでセイルの様子が見えない。大丈夫か。

 尻もちをついてしびれる腰を上げ、セイルの元へ駆け寄る。

 くそ、どこだ。この濃さの砂ぼこりなんて知らないぞ。

 前が見えないし、目を開けようものなら目に砂が入ってしまう。極限まで目を細めて薄暗い視界の中、セイルのいたところまで何とかたどり着けた。


「セイル! 大丈夫か!」


「そ――ユーシャ!? 君こそ大丈夫かい!」


「俺はいいから! 何が落ちてきたかわかるか」


「分からない」


 セイルを支えて立たせ、セイルと共にその場を離れる。

 セイルはおびえた顔をしていたが、空は空から降ってくる奴にいい記憶がない。同じような輩だったらどうしよう。それに、少年、とは誰のことだ。あの場にいたのはセイルだけだった、少年とはセイルのことだろうか。ということはセイルの知り合いか。

 だとしても、どうして吹き抜けからやってきたのか、空がそうだったように、正面から入って、ここまで歩いてこればいいのに。

 砂ぼこりが収まるまで約一分。うっすらと現れるシルエットは、巨漢。それこそ、空よりも身長の高いグリードと身長差はないように思えるが、体格が違う。すらっとしているあいつや空とは全く真逆。筋肉で覆われ、背中には綺麗な翼が自慢げに、その存在を世界に示すように悠々と広げられている。


「少年」


 うっすらと舞う砂ぼこり、逆光に充てられ黒く光るシルエット。それから発せられた言葉は、少年に――セイルに向けられたもので。


「――!?」


 セイルはそれに驚愕を隠せないでいる。

 だってそれは――


「ルミラ――さん……?」


 英雄、だったからだ。

八十話にして、きりよく英雄の登場です。

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