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Link. ~すべての世界線がつながる物語~  作者: ヤマ
2:Third Life ----七つの罪
71/105

S:71 馬鹿だと笑って

「ちょちょちょ……!」


 いったいどうしたというのだ。泣くほど嫌がられたのだとしたらメンタルがズタボロなのだが。


「ん、何?」


 彼女は声音こそ平然としていたものの、顔は歪んで涙を引かせるのに必死だった。

 ――なんというか、ほっとけない。同じ匂いがする。それはもしかしたらただの思い違いかもしれないけど。


「ほら。これ」


「何、これ」


「黙って受け取ってくれ」


 空はハンカチを渡し、足元を見る。泣いている姿を見られるのは――空はみじめだと感じているから。空自身がそうだったから。

 ハンカチを受け取ってくれたのが分かったので、空は話しかける。


「なあ、どうして泣き出したんだ?」


「――。教えなきゃ、いけない?」


 涙をぬぐいながら答える。


「できればでいいけど。俺がなんか無神経なことをしたんなら、謝るよ。悪かった」


 ぶしつけではあるが、これも気遣いだということで、顔を見ずに謝っている現状を許してほしいものだ。


「どうして許しを請うの」


「は?」


「別にあなたが悪いわけじゃないのに。みんなはそんなことしても謝らないよ。それに、誰も誰かの気持ちなんて考えない」


 その言葉を聞いたとき、なぜか空は彼女を見てしまっていた。その横顔は涙が滴り、やはり美しかったが、その表情はこの世界に対して、一種の諦めに等しい感情を持っていた。

 だからか――さっき、空自身と同じだと感じたのは。彼女はきっと、セイルのように何かがあっても真っ白であるわけじゃない、何かがあったから、空側に思考回路が寄った、世界に対する気持ちが汚れてしまったのだと。


「――もうちょっと、吐き出したいんじゃないか?」


「――」


 彼女は答えない。が、その口は動きたそうに震えている。

 不満の代わりに、一言返ってくる。


「どうして、そう思うの?」


「君の顔を見ればわかる」


「――。分かった。馬鹿だと思うなら、笑ってね」


 目を合わせることなく、二人は語る。

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