表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/105

S:67 turning point 1

ここでひと段落つきます。次からの伏線たくさんあります。

 プレム学園の屋上にて――


「どういうことだ」


「どういうことだは俺が聞きてえよ。何で流派を使えるやつがいるんだよ。俺たちは聞いてないぞ」


「私だって驚いている。――その風穴、どっちに空けられた?」


「白いガキのほうだよ。あのやろ、型なんて贅沢なもん使いやがって……」


 男はぐちぐちと先ほどまでの出来事に文句をつける。


「そもそも、『剣の流派』を、よりによってあの二人に流し込んだのかよ。どうかしてんじゃねえのか」


「お前にだけは言われたくな――今、何と言った?」


「あ――」


「だから、今なんと言ったんだ。答えろ、グレッダ!」


 怒鳴られて、グレッダはいやいやながら返事をする。


「だから、あの二人は流派を持ってた、その原因がお前だって言ってんだよ!」


「そんなはずはない!」


「どうしてそんなことが言える!」


「私が『剣の流派』を流し込んだのは――ユーシャと、別の女子生徒だからだ!」


「――は」


 怒鳴りあいの末、グレッダはスロスの口から信じがたい事実を聞いた。


「おいおい、嘘だろ。だってあいつは――」


 それを聞いてたじろぐグレッダに、冷静にスロスが言う。


「本当だ。お前がこの程度の嘘も見破れなくなってしまったというのなら――落ちぶれたな」


 言われた通りに魔眼を使うと――もちろんというべきか、スロスの発言には一切の嘘が含まれていなかった。――しかしそれは、ユーシャの潜在意識下の、グレッダを打ち抜いた型が、もしかすると伝説の……という可能性もはらんでいるということだ。


「――。カハッ、マジか」


 グレッダが一通り問い詰め、納得したところで、今度はスロスが事情を聞く。


「ところで、どうしてセイルが流派を持っていると思ったんだ?」


「そうだな、それは、これが原因だ」


 そう言ってグレッダは、真ん中に穴の空いた服を左手でがばっと上げる。


「――ッ!」


 そこには、ユーシャに打ち抜かれた穴の周り、胴体のいたるところに、その褐色の肌には見えないような、焦げ目のようなものが無数についていた。


「なん、だ」


「どっかで見たことがあるはずだ。――――『希望事件』だよ」


「なッ!」


 本当にそうなのだとしたら、この焦げ目は、『光の剣』とさえ言われた、勇者『ルミラ』のシューティングホープだとでも言うのだろうか。しかし、スロスはあの現場に実際赴いて、誘拐犯の身柄を拘束した時も、同じような焦げ目を見た。それがもし本当なのだとしたら。


「セイルは――ルミラの型を、引き継いでいる……?」


「そういうことだな」


「だとしたら、あの二人は歴史を揺るがす二人になるかもしれない」


 型のない者と、伝説を引き継いだ者。そして――。


「今年かもな。――『災厄』が訪れるのは」


 今世代あたりにもたらされる、災厄の到来。


「型無し、そして、伝説――まだまだ隠れてるやつがいるかもしれない。それに、俺は旧知の奴にあることを伝えなければならないしな」


「旧知?」


「ああ。――セイルってガキが今の伝説なら――一昔前の伝説が、俺に連絡よこしてきやがったからな……突然連絡が来たから驚いだが、まさかそういうことかもしれんからな」


 うれしそうな声音で話す反面、その顔は険しい。それは、単に風がうるさいだけなのか――いくつもの事象が重なる今世代に、不安が隠しきれていないのか。


「どっちにしろ、平穏が続くのもあと少しかもしれないな……」


 スロスの言葉を肯定するように、風は一層強さを増した。

面白いなと感じてくれたら、

評価、ブックマークしてくれると嬉しいです!

「ここはこうしたほうがいいかも!」などの意見、感想も待っています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ