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S:65 確証
「なるほどねぇ……」
男は感慨深そうに、一方で考え込むような返事をする。
「僕は話したぞ。――それよりあなたは一体何が知りたかったんだ」
「――いんや、なんでもない。確証が得られただけだ」
そう言った直後、男が立ち上がり、部屋を後にしようとする。
「ちょっ……!」
男の退出を止めようとするセイルだが、体は鉛のように重く、動かない。
せめてもの情けか、男が振り返り、一言言う。
「確証は確証だ。その確証は、お前にも関係はあるが――今じゃない」
男の目はすごく淀んで見えたが、それが嘘ではないことは分かった。とても悲壮な表情を浮かべていたから。それこそ、もどかしいように、言いたいことが言えないようにしているようだった。
男が翼を広げ、空へと飛び立とうとしたその時。
「ちょっと待ってもらおうか」
怠惰な教師が参上した。
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