S:63 少年の記憶
暗闇は打ち砕かれ、突然の光に視覚が悲鳴を上げる。
しばしの間目をつむり、その代わりに音がよく聞こえた。
暗闇の中、がれきの崩れる音、子供大人の騒ぐ声が聞こえてくる。
もしかして、助けが来たのか。
思っただけのその問いに呼応するように、騒ぎの元凶が答える。
「大丈夫か、少年!」
「――あ……」
声をかけられても、発生する術を忘れてしまった少年は返答しかねる。
それでもその声主は気にしないように。
「任せとけ、少年。子供たちはここにいる分で全部じゃない。この戦いが終わった後、皆救ってやる」
男は笑顔でこちらに振り返り、しばらくしてから誘拐犯に向き直る。
「さて、お遊びはここまでだ。――今まで踏みにじった命の代償は、高くつくぞ?」
物騒なことを言っているにも関わらず、その目に怒りを携えているにも関わらず、その表情は笑っている。何よりもまぶしく、頼もしく思えた。
「――頑張、って……」
その姿を見た少年の口から出た言葉を、男は笑い飛ばして
「任しとけ。お前の不安もトラウマも――全部吹き飛ばしてやる!」
そして男は――剣を抜く。伝説が始まる。
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