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S:59 男は度胸


 抜けるのか。


 自らを恨み、ないがしろにした自分が、他人にそんなことを思えるのか。


 この――哀れなる子め。


 やめろ。やめろ。決意を揺らがせるな。


『いいか、復唱しろ……』


 どこからともなく、声が聞こえてきた。その声は、今まさにセイルの目の前で倒れている人物であり――不思議なことに彼は物音ひとつ立てることのないぐらいに静かに倒れているというのに。


『今日から――』


「僕が、るーる……」


 ――呟くと、まるで魔法のように、過去の自分は消え去り、視界が澄んだようにさえも思えた。

 なるほど、言葉が持つ力、か。案眼、馬鹿にできない。


「だって、僕を二度も救ってくれたんだもの」


 小さく息を吸い、一度だけ瞬きする。怒りは収まったが、状況が状況だ。きっと戦わなくてはならないのだろう。男が我慢強いようには見えない。血気盛んという言葉を形容したような男だというのは、先ほどまでのやり取りでセイルは嫌というほど実感している。


「目が変わった……」


 男の目の中で、何かが揺らいでいるのが見えた。


 今しかない! 想像だ!


 右手がつかんでいる剣を恐る恐る持ち上げる。――昨日まで全く上がらなかったその剣は、あっけないほどに軽々しく上がった。何の因果か、今はこれに乗っかるしかない。

 剣を自分の正面に持っていきながら、想像する。


 僕の憧れの、あの戦士を思い浮かべろ。


 あの人が生涯で一度だけ見せた、のちに伝説とさえ言われた――あの『型無し』とさえ並ぶほどの威力を携えた技。

 剣の先から、雷が出るイメージ。刀身の全てがそのまま形を変えながら一瞬で飛んでいくイメージ。

 剣は正面に、相手の胴をとらえた。

 あとは――度胸だけだ。

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