S:55 一の型――
「いってぇ……」
壁に激突した後、地面に突っ伏して、そして今に至る。
何が起こった。とらえきれなかった。俺の幻想は、やはり幻想なだけなのだろうか。
「おいおい興ざめだな。あれだけ馬鹿にしておいて、自分はその程度か」
青い眼が相まって、ひどく冷たく聞こえる。
「この程度なわけ、ねえだろ」
立ち上がりながら、相手をにらみつけ、言う。
「なんだよその目」
俺も、やはりこいつに勝てると思うのは幻想だと思う。
だけど、想像を具現化できたこの世だから、強く願う。
それでもだめだったのなら、やられるところまでやられてしまえ、空。
「かかってこい。真正面から――その剣で」
そう言うと、男は一瞬の間目を広げたが、すぐに。
「いいぜ。――叩きのめして、一生戦えないようにトラウマ植え付けてやる」
――どうしてだろう、面白くもないのに笑いがこみあげてくる。
これは、恐怖だろうか。
いいや、違う。
これは――愉快の感情。これから俺がこいつを倒す未来を想像して笑いがこみあげてくるのだ。
「いくぜッ!」
男は迫ってくる。対して俺は対策案なし。
することはただ一つ、剣を使うでも避けるでもなく。
ただ――型を『創造』するだけだ。
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