S:51 from
藍の目が――宝石がこちらを見据え、しばらくして、男が言う。
「お前――何で嘘つくんだ? 俺のこと嫌いか?」
「!」
悲しげな顔をした男が、確かにそう言った。『お前は嘘をついている』と。
――あの目に、秘密があるのだろう。何とか聞き出せないものか。間接的にでもいいので、知れたらそれは経験値になる。無駄にはならない。
「――どうして嘘が分かったんですか?」
「その話し方も――嘘なんだもんなぁ……悲しいぜ」
そう言って男は口を反対側にゆがめた。何ともわざとらしい。
しかし、ばれてしまっては仕方がない、対応の仕様を変えよう。
「はぁ――で、どうして俺が嘘をついていると分かった?」
「――なるほど、興味深い」
男は、自分から問うてきたくせに、空の話は一つも聞いていない反応をした。
「――。分かった、質問させてくれ。その目は何だ」
そう質問したら、彼は意外そうに目を大きく開いた。
「――へえ、君。『これ』が見えてんだ」
男はその目を主張するように右目を指で広げて見せた。
「これは『魔眼』さ。まあ、俺の『これ』は、『真偽眼』ってやつで、この世のすべてが正しいのか、それとも間違っているのかを見ることができる。ただ、心は読めないってのが難点。どうせなら読ませてくれたっていいのに……」
説明をしているのか、それとも自分の不運を嘆いているのか、よくわからない語り口調だったが、大方は察した。
「で、そろそろ教えてくれよ、俺は質問に答えた……お前、どこの出身だ?」
気さくに話しかけてくる男が、気色悪い。背景が見えない。
素直に答えても――問題ないだろうか。
「はぁ――しょうがない。話が進まないもんな」
致し方なく、頭をかきながら空は答える。
「俺の出身は――お前が知らないところだよ」
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