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S:40 所詮負けイベ
時間が動き出し、剣先はスロスの上空、あと数センチのところまで来ていた。
空が目視したのはその一瞬で、あとは流れに従えば一撃入れられるはずだ。
しかし、空の胸には靄がある。
時の流れが遅いとき、スロスの表情には何の変化もなかったからだ。
完全に停止していないので、変化には敏感に対処できるつもりだったが、変わらないそれが不気味でたまらなかった。
だが、ここで中途半端に止まっては、今までが無駄となる。
再び目の前に集中し、体が不安定な中、右手を振り下ろす。
「ハァ……ッ!」
息をすべて出し、渾身の力でたたく。
――刹那、スロスが笑った気がした。
瞬間、空の視界はいまだかつてない動き方をした。
世界が横に動くような、地球の自転に自分だけ取り残されたような、視界の動き方。
「ァ……」
小さな声の漏れた後、意識は飛んだ。
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