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S:39 スロー・タイム


 ゆっくりと流れだした時間は、確かに動いていることを空に認識させ、さらに、先ほどまでなかったタイムリミットを示していた。

 スロスの剣が流れてくるのが分かるほどのゆったりとした時間。空自体には思考も意識も、走馬灯も見えない。なら、生きながらえる可能性が高いということだ。

 この場において引きたくもないカードを引いてしまった空だが、相手よりも早いという点においてはこの能力を高く評価する。

 まだ右側にある剣で、迫りくる剣を迎え撃つ。

 剣が接触し、スロスの剣に押される。

 空の体は空中に投げ出され、しかし空は体を回転させるようにスロスの剣に力を加える。

 ゆっくりと回転し、もう一度スロスが視界に映ったとき、空は自分の剣を振り下ろす。

 刻一刻と、スロスに近付いていく。

 あと一寸ほど。

 時間が、加速する。

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