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S:37 第二ラウンド

「レイン。俺言ったよな? お前の全部を受け入れて、俺を受け入れさせるって」


「――ええ」


 ようやく意識がはっきりとしたレインが曖昧ともとれる返事をした。それを覚悟の表れととっても良いのだろうか。


「レイン。よく聞け。俺たちの向かいにいるのは英雄だが、今は対戦相手だ。なら、すべきことは分かるな?」


「わかるわよ。なめてんの? 対戦相手を倒す。基本よ」


「ああ、そうだ。――なら、お前は今までどうしていた? 思い出してみろ」


「……」


 黙り込むレイン。ようやくわかってくれたのかな?


「――悪かったわよ。気持ち切り替えて頑張ります! だからあんたも足引っ張んないでね!」


「了解だ」


「ようやく楽しませてくれそうだな」


 遠くからスロスがそう言ってくる。完全におちょくられている。


「なめられてんな……」


「相手が相手だから大きい声で言えないけど、おちょくられているわね……」


「そろそろ行くか。――とりあえずレインは攻撃を正面から加えてくれ。俺は別方向から攻撃を加える」


「防御の手がおろそかになるように別方向からこうげきしようって算段ね」


「ご名答」


 スロスの方を見ながら笑う。スロスには分かっているのだろうが、空の算段はそれともう一つあることをきっとスロスは知らない。

 それは、走馬灯を見るための手引きをする。何をトリガーにしているのかは分からないが、試してみよう。さしあたって、レガフから感じた殺意、他人の殺意から引き出せるものだと考えた。引き出せるかは分からないが、やる価値はあるだろう。


「じゃあ行くぜ」


「いつでも来い!」


 スロスの威勢の良い返事によって、実質第二ラウンドが始まった。

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