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S:35 決勝戦

 ――それからは簡単だ。レガフを保険医らしき人物三人が連れて行って、こちらのグランプリも滞りなく進んでいった。

 剣もまともに握ったことのない集団、そんな中で勝ち進んでいくのはとても容易だった。

 結果として、決勝戦まで上り詰めた二人は、空と――レインだった。


「あんたのその意見を――真っ向からぶった切ってあげる」


 おおよそ女の子が言うセリフではないと思いながらも、本性を知られている――ここまで来たら皆にも知られているかもしれないが――レインには、挑発的に返す。

 剣を取って、相手に向けて一言。


「お前を全部受け入れて――俺の全部を受け入れさせてやる」


 真実を見せてやる、間違いなんてない、というニュアンスを含めてレインに返す。

 それに乗ってくれたのか、レインも剣を取って空の伸ばす剣にコンと当てる。


「それでは決勝戦を行うとしようか」


 空とレインの肩を叩いて催促するスロス。もちろんのことレインは顔を真っ赤にしていた。それは、憧れの英雄に肩を触れられたからか、それとも先の空とのやり取りが見られていたかもしれないという懸念からかは分からない。


「決勝戦は、君たち二人で――」


 共闘してもらおう。


「ん?」


「ん?」


 空とレイン、お互いに顔を合わせる。

 え? 共闘なの? じゃあさっきのやりとり、黒歴史になるだけじゃん?

 お互いに戦うことを前提にやり取りをしていたのに、まさかの共闘に、空とレインだけでなく皆も困惑していた。


「共闘って……一体誰と戦えってんだ?」


 その空の疑問に答えたのはスロスだ。

 スロスは嬉しそうに言う。


「もちろん、この私とだ」


 それを聞いた途端レインが失神しかけたのは言うまでもない。あとで聞くと、私がスロスに触れるなんて、生きている心地がしなかった。だそうだ。そこまで言われるといっそ可哀想である。

 そしてスロスは剣を鞘から抜き出し、無言で、態度で剣を向けるように催促してくる。

 それに体が呼応するように剣を抜き、構える。

二人の構えはまだ一人前とも言えないような、甘々な、素人レベルな構えだったが、それでもスロスは満足げにこちらを見ていた。


「何笑ってるんですか……」


「笑ってなどいないさ。ワクワクしているんだよ」


「ワクワクしてくださっている……!」


 ――一人だけ違うやつがいた気がするがあえてスルーで。


「さあ、始めようか」


 そうして、一番静かな戦いの幕が上がった。

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