誘導
人の不幸は蜜の味、人間の本心をついた言葉ですよね。
〜LINEでのやりとり〜
田元「最近仕事しんどいわ〜」
相川「俺も。もう仕事辞めたいわ。」
田元「マジで!?公務員ちゃうん笑」
相川「俺には向いてないわ。まだ入って半年やけどな笑」
田元「辞めるんやったらはよ辞めた方が絶対良い。」
相川「何で?」
田元「いればいるほど辞めにくくなるやん。」
相川「う〜ん。今辞めたら上司に迷惑かかるし。」
田元「いつ辞めるにしろ、迷惑はかかるぞ。」
相川「上司に言うのホンマに嫌やねんな。」
田元「それも経験!まだ若いし、いろんな経験しといた方が良い。」
相川「誰やねん、お前笑」
田元「俺が言いたいのは、思い切りも大事やってことや。やりたくもない仕事を長々と続けるほどしんどいことは無いぞ。」
相川「・・よく考えとくわ。おやすみ。」
〜2日後、LINEでのやりとり〜
田元「おっす。決着つけたか?」
相川「そんなはよ決まらんて。」
田元「来週くらい?」
相川「分からん。」
田元「どうした?やっぱまだ続ける感じか?」
相川「そうは言ってない。」
田元「じゃあ、今月中に決着やな!」
〜さらに2日後、LINEでのやりとり〜
田元「決着ついたか!?」
相川「まだやて。」
田元「お前、はっきりしろや。少しでも悩んどるならきっぱり辞めてまえ。上司もそんな奴何人も見て来とるから想定内やろ!」
相川「まあ・・。」
田元「腹くくれって!」
〜30分後、LINE〜
田元「まっ、せっかくの安定職やし、続けるのもありかもな。お前がそれで満足なら。」
〜さらに2日後、LINEでのやりとり〜
相川「今日、退職届出したぞ。」
田元「お疲れ様!スムーズにいけた?」
相川「いや、スムーズではない。やっぱり色々と言われた。」
田元「でもまあ、スッキリしたやん!お前が悩んで決断したことやし。」
相川「まあな。これから職探しや。しんど笑」
田元「頑張れよ!」
相川「おう!色々アドバイスありがとう。お前も仕事頑張れよ!」
〜2週間後、ある喫茶店〜
草薙「やっぱり相川やん。久々やな。大学以来。」
相川「お〜、久々。まだこの辺に住んでるん?」
草薙「いや。俺、職場がこの近くで、昼休みはよくここに来るんや。相川は卒業後もこの辺に住んでるんやな。」
相川「そうやで。何の仕事してるん?」
草薙「アパレル関係の仕事。相川は公務員やっけ?」
相川「最近辞めたねん。」
草薙「えっ、辞めたん?」
相川「うん。」
草薙「お前、公務員辞めるって勿体ないな〜。」
相川「俺も迷ってたけど、やっぱ向いてないと思ったし、きっぱり辞めたわ。」
草薙「アホやな、お前。入って半年やそこらで向いてるとか、向いてないとか分からんやろ。
相川「いや、俺はこの先何十年もこの仕事は出来んと思ったな。どうせ辞めるなら早い方が良いと思って、腹くくって辞めたわ。」
草薙「田元も同じようなこと言っとったな。お前にしろ、田元にしろ、考えが浅はかやねん。」
相川「田元がなんで浅はかなん?」
草薙「何でって、あいつは仕事始めて1月で辞めとるねんで。お前と同じように向いてないとか言って。俺は、そんな早く辞めるのは勿体無いし、辞めたとしても印象悪いから就職決まらんぞって言ったんやけど、あいつ、聞く耳持たずで辞めてしもたわ。まあ、あいつは大学の時から我慢が足りん奴やって思ってたけどな。相川、田元が仕事辞めたの知らんかったん?」
相川「・・知らんも何も、最近仕事しんどいわってLINEしてきたのあいつやからな。それで久々に話したんやぞ。LINEで。」
草薙「いやいや、あいつ、今仕事してないはずやで。案の定全く仕事決まらんくて、実家に帰った言うてたぞ。」
相川「・・・」
草薙「やっぱ俺が言った通りやろ。お前も苦労するぞ。」
相川「・・・それは分かってるけどやな。」
草薙「まあ、頑張れや。俺、そろそろ仕事に戻るわ。じゃあな。」
一週間後、LINE〜
田元「就活、順調け?」
終わり




