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魔獣な俺と契約者  作者: はずき
第一章 魔獣の世界
7/10

第六話 契約者先を越される

いきなり、人間をぶっこみますた。


長いです。

三人も、視点が代わってウザイ。


更に、変態もウザイ。のでよろしくお願いいたします‼


∇∇∇∇∇

sideギル


乾いた風が頬かすめ、微かに人の存在を感じさせる煙の臭いがする。

おそらく町が近いのだろう、今日は硬い地面を寝床にする必要がないことが分かったことに

隣を歩いている相棒からは安堵の溜息がもれスキップをしそうなほどだ。


いや…スキップをしていた。

こけろ


どしゃぁぁ


「遠いな…」

隣にいた人影が消えたが気にする必要はない。

二つ目の村『キキス町』の門が見えてきたのとは裏腹につい呟いてしまった。



俺が故郷を出て一週間と少し、まだ王都は見えてこない

自分が田舎も田舎から出てきたとはいえなかなか進まない足が嫌になる。

かなりとばしてはいるがまだ二つ目の町、あと八つの町も越えなければならない。


くっ…

あと少しで俺の片思いが実るかもしれないと言うのに!!!!


焦る気持ちは日を追うごとに増していく

なぜか分からないが頭の奥から“早く、早く”と湧き上がる思考が頭の中を占領してしまう。



「急がねば…」


「も~ギルったら、またそんな怖~い顔しちゃって!!!

 折角のイケメンが台無しだよ~

 普段の無表情に加えて眉間にふっかぁぁいしわなんて…」


焦る気持ちをそのままに出た言葉に被せるように隣から声がかかる。

ちっ……もう復活しやがったか。

隣で鬱陶しく吠えているのは、奇しくも生まれた時からの付き合いである

ダイス・メイナスだ。

短く切られた亜麻色の髪と好奇心を隠す気もない翡翠色の瞳。

小さい田舎町だったこともあり子供と言えど大人たちの手伝いをしていたからだろう

体つきも悪くない。

見た目だけなら女は黙っていても寄ってくる。



「それに……!!!!

 女の子がよってこないだろぉぉぉぉぉぉ!!!

 俺は、女の子たちと遊びたいの!!香をクンカクンカした「黙れ変態」…ぐほぉぉっっ」


一瞬で変態…ダイスの鳩尾に拳を抉るように突き上げ地面へしずめた。

前言を訂正しよう……正確には、『黙っていないと寄ってこない』。


「……………ごふっ。

ギルった………ら、げほ。相変わらず容赦のない…拳。

でも15ね…んの中だからわかってるよ…


愛情の裏返しだr………あ、足は、蹴りはだめ、いや本当すいま……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ‼」



バカは道端に捨て、俺は振り替えることなく門をくぐった。

その際、門の兵士に同情の籠った眼差しを向けられたので「あれ、回収しといて下さい。」と

押し付けた。



同情するなら引き取ってくれ。




だから、この時の俺は知らなかった。


まさか、このことで変態に先を越されることなるなんて!!!!!


▽▽▽▽▽▽▽

sideダイス


「…………腹、いってー」

目覚めた瞬間感じたのは痛み。

理由は分かってる、ギルちゃんが本心を当てられ照れ隠しのために

右足を軸にし俺の横腹へ見事な回し蹴りをはなったからだ。

回数を増すごとに切れが良くなっている気がする……………あれ、死亡フラグ?



………………ごほん。

いくら、ギルちゃんでも15年の付き合いの大親友☆を殺したりしない…………はずだ。

可笑しいな。自信が全くわかないぞ〜??




だ、駄目駄目!!!!!気を取り直して。

ギルちゃんは俺の故郷でもある『ギース町』の町長様の息子だ。

生まれてから15年ずっと一緒!!!

一緒に食べて、寝て、勉強して、鍛練した。

そして時に、殴られ、蹴られ、叩かれ、埋めら……




………………とにかく‼仲良しだ‼




ギルちゃんは俺ほどじゃないけど普通に格好いいと思う。

青みがかった黒髪に、切れ長ので黒い瞳は宝石のように綺麗だ……

スーハー。ok、俺はノーマルだ勘違いしないでくれ。

体つきは、しっかりしていて所謂細マッチョと言うやつだ無駄がないのだ。


だが、『無表情』なんだ‼

もう、顔の筋肉が死んでるんじゃないか?って言うくらい。

俺は、気にならないけどあんな綺麗な瞳で無表情で見つめられると

"生きててスイマセン"という気持ちになるらしい。


唯一、ギルちゃんの表情筋が生き返るのは

皆さんご存知【魔獣】に関することだけだ。

だから、ついつい極秘情報でも伝えちゃうんだよなぁぁぁ。


もう、ギルちゃんたら罪な子!!!!!


う?

その情報は何処からかって?

それは



企業 ひ み つ☆



なぜなら‼ミステリアスな男って何か格好いいからだ!!!!!






……………………………あら?

ここで何時もは鉄拳がとんでくるんだけど



え?



Q 私は誰?

A ダイス・メイナス

十五歳、彼女募集中のイカした男

よし、完璧!!!



でもさ、言ってもいい?お決まりだけど





「ここ何処?」




可笑しいんださっきまで町が見えていたのに

俺の目の前には深い森となぎ倒された木の山が広がっていたんだ。

何があったんだよ(笑)



うん。でも、これ絶対夢だわ。



目の前で俺がいたとこじゃ見たこともないような大きな体を地面に横たえている大蛇と此方をじっと見つめる狼。


その姿を見守るようにこれまた大きな鷹



うん。間違いなく夢。


だってそうだろう?


俺のいた世界には



野生の【魔獣】はいないんだから。







▽▽▽▽▽▽▽

Side不幸な門番


ああ、今日の俺はついてない。

朝から俺の運のなさは絶好調だったんだ。


非番で夕方まで寝て、夜は友人の紹介で可愛いと噂の

女の子たちと飲む予定だった。

彼女なんていた試しがない俺にとっちゃぁ何よりも

最優先事項だ。

とうとう、俺にもつきが回ってきた‼何て浮かれて居たのにも

関わらず。



「わりぃな。今日の当番代わって貰っちまって。」


「いや、気にすんな。」


気にしろ。

あり得ない、何でよりにもよって今日なんだ‼

そう、本当は今日門番をするはずのこいつは家の事情で

里帰りするのだ。

本音を言えば俺何かじゃなくて他の奴らに頼めよ‼と言いたかったが

一週間とちょっと前に異常に大きな魔力を探知したとか

何かで異常がないか確認のために人員が駆り出されていたため

それも、できない。


つまり、交代もないため"今日一日"俺は門に張り付いてなきゃいけないってことだ。

可愛い彼女の夢は脆くも崩れさったのだ。

はぁ、ついてないなぁ………………



沈んだ気持ちのままずっと、門番を続けた。

俺の運のなさはここでも遺憾なく発揮されたが、割愛しよう。

主に俺の心のために。


だが、更なる不幸は俺が油断したときにやってきた。

森からやってきたのは少年二人だった。

おそらく、行き先は学園だろう。普段だったらこんな田舎に

若者が来ることが珍しいと感じる程度だろう。


しかし、彼らの容姿と行動がそれを許さなかった。

青みがかった黒髪の綺麗な少年とその隣でスキップしている亜麻色の髪の格好いい少年。

かなり、真逆な性格だとわかる。


あ、こけた。

正確には、転ばされた。

お、起き上がった‼



真正面から見ていたから分かったが

スキップしていた少年の足に黒髪の少年が無駄のない動きで

足払いをかけていた。

早いな!!!


しかし、足払いされた少年の回避の仕方も負けていない。

地面に顔がつく刹那に手を滑りこませ、腕の力だけで跳ねるように起き上がりめげずに話しかけ始めた。



あ、殴られた。


見事にきまっているが、殴られた少年は打たれずよいらしい。

更に明らかに、鬱陶しがられているにも関わらずまだめげない

心も打たれ強いみたいだ。



ある意味凄いな。

だが、その頑張りもここまでだったようで、

少年はイラつきが頂点たっした、素晴らしくきれのある回し蹴りをきめられ、地面に沈められた。




生きてんのか?あれ。



少年の生死が気になるほど蹴りだが、

何となく全ての行動に慣れを感じたので人として一応。



「大丈夫なのか?彼?」


此方に、何事もなかったかのように歩いてくる彼に聞いておいた。


「大丈夫です。アイツ、ゴキ●リですから。」


「……………」


「あれ、回収しといて下さい。」


「え?あ、ああ。」


「お願いします。」


多分、ゴキ●リ並みの生命力って言いたかったんだよな。

うん。

きっとそうだ。

ちょっと、同情的な目をしていたら。目があって。

強制的?に押し付けられてしまった。

何か、無表情であの目に見つめられると何とも言えない気持ちになりつい了承しちまったんだ。


「はぁ」


回収しないといけないようなので、溜息を吐きつつ倒れている少年に近づいた瞬間それは起こった。




キ――――――――――――ン


「っ―――――!!!??」




突如耳鳴りのような嫌な音と共に目の前は光で一杯になり

何も見えなくなった。




そして、目が正常に機能を復活させ見えたそこには

いつもの森へと続く道があった。




只一つ、先程まで倒れていた少年の姿は何処にもなかった。




ああ、神様。

そこまで、俺が嫌いですか?

分かりたくないが。分かってしまった。



目の前で、起こったの音と光はこの世界の人間なら必ず

一度は体験するはず。

但し、今回起こったのと違う点は。

消えるのではなく"現れる"。



【魔獣召喚】だ。



だが、消えたならば間違いなくこれは起こる筈のない

起きてはならない禁忌。



【逆召喚】。



その目撃者になった俺は、此れから巻き込まれる厄介ごと

と此れからしなければならない面倒ごとに何度めになるかもわからない溜息を深く深くついた。


まずは、あの黒髪の少年を走り回ってでも探さなければ。





ああ、今日も俺はついてない‼



作者もまさかの展開。


まぁ、変態のやることだからしょうがないよね‼

うん。変態だし。


更に、不幸な門番が一番長い驚き。


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