第三話 魔獣と青空教室
殆ど説明の話です(>_<)
「うむ。
ワタシが師匠ならまずは坊ちゃんの『仮の名』を付けねばならんな。」
「仮の名…」
鬱蒼と緑の茂る森の中。
俺が生まれた洞窟前では、師匠となった。
アスティアさんが「師匠」部分にあからさまな力を入れて話している。
師匠呼びは、アスティアさんの琴線触れたようで
めちゃくちゃ嬉しそうだ。
なんか可愛いぞ。
「何か言ったか??」
「いえ。ナニモ。」
こんな感じで、弟一回「アスティアの青空教室」は始まった。
∇∇∇∇∇
sideアスティア
では、はじめよう。
この世界、人間達が「ホーリー」と呼んでいるらしいが。
ここでは、毎日のように魔獣が生まれる。
だが、ワタシ達に親は居ない。
何故なら、ワタシ達は簡単に言ってしまえば魔力の塊だ。
大きく濃い魔力に意志が宿り生まれる。
それが、他の生物との一番の違いだ。
なぜ、わかるのか??
わかるからだ。
生まれた瞬間から『知っていたんだ』。
さて、最初に親は居ないと言ったが、「家族」は居る。
これは、種族によって変わる。
ワタシで言えば、青大鷲族。クロは黒狼族のようにな。
それぞれ種族は自然と同じ種族が集まり家族となる。
ん?
クロの家族か?
……実はな、黒狼と言うのはとっても珍しのだ。
「すーぱーれあ」が何か分からんが。
とにかく、滅多に生まれん。
ワタシも900年以上生きてきたが黒狼にあったのはクロが初めてだ。
つまり、ボッチ…。
すまん。
謝るから、洞窟の隅から出てきてくれ。
マジですまん。
(10分後)
おほん。
それでは、続きを話すぞ。
クロは魔獣の中でも希少な『幻獣種』だ。
他にもいるがこれはまた今度な。
幻獣種は、はっきり言って強い。
クロは、生まれて2か月と言ったな。
だが、なかなかのステータスだったのではないか??
ふむ。やはりな。
これも幻獣種の特徴の一つだ。
最初の魔力量と核の力が他の魔獣よりも濃く強い。
まぁ、クロの場合はそれだけではないようだがな。
よし。軽いがこれが魔獣の基本知識だ。
だが、最も重要なのはここから。
クロも気にしておった。『契約者』についてだな。
ワタシ達は魔獣だ。
しかし、ただの魔獣ではない。
【召喚魔獣】
これが、ワタシ達の中でも『契約者』と契約することができたもの達の呼び名だ。
自分と魂の核が同じたった一人の人間からのみ、
名前を貰い、魔力の封印を解いて貰い本来の力を行使できる魔獣。
今は、2割ほどが契約者を見つけている。
いや、見つけて貰えたが正しいな。
ワタシ達からでは契約者を見つける事はできん。
お?
ははは。
こんがらがって来たな。
そう、焦るな。
なぜ、ワタシ達かからでは見つけられないのか。
それは、『魔力が使えない』からだ。
魔獣は魔力の塊だが
ワタシ達は、契約者に名前を貰うその瞬間まで魔力は使えん。
強すぎる魔力に己だけでは耐え切れんのだ。
だから、ワタシ達は契約者が自分を召喚してくれることを己を鍛えつつ待っているんだ。
どうだ?健気だろう?
あれ?
大丈夫か?
目が白黒しとるぞ。
おおい。
こりゃダメだな。
ふぅ。
今日は、このくらいにしておくか。
∇∇∇∇∇
sideクロ
どうも。
絶賛☆混乱中☆の元:新谷 祐樹 今:クロ(仮)でございます。
さてさて、俺の今の心を一言で表すなら
「意味わっからーん」だ。
因み、クロという名は師匠が10分ほど悩んだ挙句、「まあ、クロ(仮)でいっか」
という。かるーいノリで付けてくれたものだ。
そんな軽いノリで始まったが。
中身は…詰め込み教育反対。
ダメ絶対。
自分の存在はスーパーレアものだし。
しかも、ボッチ……ぼっち……ぼっ
涙で前が。
しかも、ただの魔獣じゃなく【召喚魔獣】なんて大層な呼び名まであるし
契約者なんてあったことも無いやつに召喚して名前付けて貰わないと魔力が使えないときた。
もう、いや。
クロは、お腹いっぱいよ!!!
あまりの混乱ぶりに、師匠も見かねて
「寝ろ」って。
スーパー赤ちゃんでもまだ、赤ちゃんだから処理が追いついていない…らしい。
ご飯は?って聞いたら。
魔獣は空気中の魔力を勝手に吸収し栄養にしているそうだ。
まぁ便利。
「ふぁぁぁぁ。」
「まだ、起きていたのか早く寝なさい」
あ、そうそう。
スーパー赤ちゃんと言えど危ないからと師匠がおもりをしてくれるみたい。
男前だわ。
師匠かっけぇぇ。
何はともあれ、一人でないのは落ち着く。
やはり魔獣でもボッチは寂しいのだ。ぼっちは。
はぁ。
こんな感じで、平和に暮らしたいな。
俺は、初めて目覚めたときとは違う暖かさを隣感じながら眠りについた。
∇∇∇∇∇
side???
「幻獣種を感知しただと?」
主の顔が驚愕染まるのは自然なことだった。
幻獣種が現れるなど伝説にも等しいくらいに昔に一度あったきりなのだから。
「はい。」
驚愕から歓喜に表情を変えた主の次の言葉など考える必要もない。
「幻獣種は俺にこそ相応しい。
わかっているな?」
私は、ただ命令従うのみ。
「はっ。
必ず幻獣種を主のものに。」
∇∇∇∇∇
魔の手は確かに忍び寄っていた。
しかし、幻獣種は夢の中。
危険が近づいているなど夢に思っていなかったとさ。
めでたし、めでt「めでたくねぇよ!!!」
主人公のお気楽スローライフは長くは続かないのでした。
クロ「そいうことは王道にしてんじゃねぇよ。
俺を人間してからにしやがれ。」
人間姿なら良いのか??
だが、断る。
クロ「俺、お前嫌い!!!!」
ドンマイ(=゜ω゜)ノ
クロ「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」