第ニ話 魔獣と師匠
亀投稿ですいません。
※ここからは、魔獣の言葉も普通に「」内にします。
でも、実際はきゅうきゅう鳴いておりまry
▽▽▽▽▽▽
side黒狼
そりゃそうだよな…
見る限り俺一人…一匹(?)なのに、質問の答えが返ってきたら
逆にこわ…「契約者?クロの坊っちゃんはそんなことも知らんのか。」
「い…………ってのわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?????」
えっ、ちょ。俺やっちゃった?
前世じゃ、幽霊見たさにダチと古い邸に潜入して
管理人の熊みたいな体は男、心は乙女の方に遭遇して
お●かまの素晴らしさを心の奥まで教え込まれ危うく
新しい扉が開きかけたこと以外。
恐ろしいものを召喚たことなかったのに‼
あ、涙が……グス
「………なんかすまんな。
この世の終わりのような顔をさせるつもりはなかったんだが。」
気遣わしげな、面倒見のいい近所の兄ちゃんのような声は
最初と違い俺の前より良くなった耳でちゃんと聞き取れた。
この耳は本当にできが良いようで…声の持ち主の場所まで伝えてきた。
その感覚に従い『ま真上』を見上げ、聴覚の次に視覚で確認し思った。
「か…………」
「?どうしたクロの坊っちゃん?ワタシの翼に何かついているか?」
「(そこは、私の顔じゃないんだ‼??……それより)
マジかっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「!!??」
俺の反応に目を白黒させているのは、一言で言うと鳥だ。
しかも、ヤバい位にデカい!!!!
翼は透き通るような青。
知性を感じられる瞳は赤い。
対照的な色をしているの全く違和感を感じさせない所がまたいい‼
あれだ、賢者オーラむんむん。…むんむんてなんだ。
はっ!!
これは、王道異世界もので言う「初めての村人との出会い」なのか!?
………………………………あ。
「……人じゃねぇじゃん。魔獣じゃん。俺も魔獣じゃん。」
「すまんが。そろそろワタシを思い出してくれんか?」
自分が魔獣時点で王道の道から逸れていることに一気に気落ちして
しまった俺は、又も鳥さんを意識の外に追い出してしまっていた。
「!!…あ。ごめんなさい‼えっと…」
「む、すまん。名乗るのが遅れたなワタシは青大鷲族のアスティアだ。」
「アスティアさん。えっと俺は…」
……………あれ?俺ってば名前何!!??
人間時は、祐樹です☆だけど、ステータス欄の名前は空欄だった。
黒狼ってのは違うよな。多分、種族だろうし…
まともに自己紹介も出来ないの俺!?
「何か物凄く葛藤してるようだが契約前に名前が無いのは当然だぞ?」
「へ??」
「ふむ、本当に何も知らんようだな。
魔獣なら本能的に理解していることなのだが……
クロの坊ちゃんからは何やら不思議な気配がする。
それが関係しているのやもしれんな。」
カッコいい大鷲もといアスティアさんは、大きな翼を器用に組んで俺の目の前まで下りてきて
まじまじと見つめてきた。
きゃっ。
……何でもないです。
てか、『本能的に理解できてない』『不思議な気配』って絶対俺が転生者だから…だよな。
「あ…」
俺の体中を観察して「姿は幻獣種の黒狼に間違いないのだが。」とかまた気になることを
呟きながら唸っていたが、俺はそんな事が気にならないほど焦っていた。
『本能的に理解できない』
このことに気づいたからだ。
それがどうした???かって??
バカ野郎!!!(パンチ☆)
もし、俺が王道のごとく人間で綺麗で美人なお母様に抱かれ。
げへへ。言ってるだけでいいなら良い。
良いったら良い。
だが、これは俺には当てはまらない。何故ならしつこいようだが
俺は【魔獣】だ。
しかも、守ってくれそうな親もいない。
何が食べれて食べれないのか。
危険なのかそうでないのか。
自分が一体何なのか。
そんな当たり前で『本能的に理解できる』ことが俺は『できない』この微妙な差は
命に関わるのだ。
この世界・この場所は愚か、自分のことすら分からないのに身を守ることなんてできない。
簡単言うと、危険な無人島に真っ裸で何も持たず知識もなく放り出された状態。
OH……まずい。まずすぎる。
バナナで死んで、魔獣だが生まれ変わったのに
早々に命の危機とか笑えない。
「せめて、魔獣のいろはを教えてくれる誰かが居れば…」
「ん?
それならワタシが教えてやってもいいぞ??」
ふ…わかってる
そんなに人生…魔獣生甘く
「え??」
「だから、ワタシが坊ちゃんに魔獣のいろはを教えてやろう。
坊ちゃんの何が普通の魔獣と違うのか興味があるしな。
今、暇だし」
甘かった。
ゲロ甘だった。
おそらく…絶対最後の言葉が9割が本音だろうが。
俺の観察が終わり毛づくろいを始めていたアスティアさんはサラッと
俺が今後の魔獣生での一番の問題を消してくれると提案してくれているのだ。
例え、暇つぶしだったとしても!!
俺の答えは勿論。
「ぜひ、ぜひお願いします!!!!
アスティアさん…いえ、師匠!!!」
「……師匠。ほうほう、師匠とはなかなか」
∇∇∇∇∇
拝啓 メタボにも関わらず自称:ふっくらの母へ
魔獣に転生して2か月、大鷲の師匠ができました。
次回は、『魔獣の青空教室』が始まります。
人間sideは少し先。