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魔獣な俺と契約者  作者: はずき
第一章 魔獣の世界
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第九話  もふもふの誘惑

久しぶり投稿( *´艸`)

 まだおぼろげな感覚の中、まず感じたのは無機質な固さだ。

最近は地面とお友達になるのはかなり慣れてきたと思っていたが、この固さは正直きつい。

不快感で自然と眉間にしわがよるのがいやでもわかった。


「・・・」


そんな自分を自覚しながら、だんだん明瞭になっていく意識の端で疑問が浮かぶ。

ここはどこだ?

俺は、何か大事なこと忘れ――――――――黒い体躯、青い瞳そして…


「っ―――――――」


急に、頭に言葉が浮かびそれを認識する前に俺は勢いよく無防備にも体を弛緩させていた筋肉に無理矢理力を入れて起き上がった。

 

そうだ。俺は、魔獣に。

過去の記憶を掘り返していくと、手は自然に自分の首元―――鋭い爪に抑え込まれ確実に殺されことを覚悟した場所を――撫でた。

しかし、そこには深い傷もそこから流れるはずだった赤い流れは一切なかった。


なぜ、なんで

「なんで俺は、生きて…いる?」

俺が、誰かに求めてワケではない思わず口に出した疑問の声。回答者などこの場にいないとわかっていたいや、いないはずだと思っていたのに。


くう…くう…


「・・・・・・え゛…うっそぉー」


意外にも疑問の答えは、何よりも近くに呑気に俺の傍で

「寝とるし」

それはそれは気持ちよさそうに寝こけていた。自分以外の生物の存在で体中を支配していた緊張が一目見ただけで解けてしまうほどの間抜け顔だ。

俺の記憶ではついさっきまで、でかい魔鳥の獣を従えながら俺のことを殺そうとしていたような気がするんだけど?なんで、俺を囲うように寝てるんだ!!??

疑問が頭を駆け巡るが、俺を混乱に陥れている張本人の鼻をスピスピしながら眠る姿は、癒しそのもの。


なんて可愛さ・・・撫でまわしたい!!



「っく、落ち着け俺、これは魔獣の誘惑に違いない。俺が、このもふもふの誘惑に負け触ったとたんにお陀仏丸かじりコース決定だ。・・・ふっ残念だったな魔獣お前の罠に俺ははまらない!!」

誘惑を鋼の根性で抑え込んだ俺は、まだ軋む体を反らし、ついでに魔獣の毛を撫でながら呟いた。

・・・・・・・・・撫でとる!!


「だ~!!なんて自分の欲望に忠実なんだこの体は、ああ・・・でも手が止まらない気持ちい、もふもふ感」



こうして俺は、魔獣が起きないのをいいことにだらしない顔のまま毛を撫でくり回すのであった。


∇∇∇∇∇∇∇∇∇


いや、起きてんだけども。

どうしよう。これ。


びびらせ気絶し、師匠が止めをを刺した人間(命名:にん君)はなかなか目を覚まさなかったので。俺は心配になり、彼をを囲うように目を瞑っていた。頭を体に乗せてあげてもいいんだが、一度気絶させるほど怖がらせているので目覚めた瞬間に俺が触れてるのがわかったらまた気絶すると確信し仕方なく冷たい床に上に横たえさせてた。

すまん、にん君。


俺が、見守りならぬ添い寝を始めてから意外とすぐににん君は目を覚ました。

勢いよく起き上がり、あたりを所在なさげに見回す。そうだよな起きたらこんな暗い洞窟で怖いよなゴメンと言いたい言葉を飲み込み薄目で観察を続ける。

まだ俺には気づいていないようだ目茶苦茶近くにいるんだが。


「******、********?」


にん君が口を開き何か言っているがやはりわからない。だが、声音から疑問の意味が感じとれ自分の体(特に俺かガタガタで力のない足で立っていたがためにバランスをくずし誤って抑え込んでしまった首元)を手が行ったり来たりしている。自分が生きているのが不思議なようだ。

また、襲ってきた申し訳なさでつい溜息が出る、しかし空気が抜けたのは鼻で「すぅー」と音が抜ける。

すると、にん君の首がぐるっとこっちを向いた。その顔の表情は驚愕と戸惑い微かな恐怖が入り混じった顔・・・・だったのだが。


ふにゃん!!

と音でもしそうなくらいの勢いで彼の顔の筋肉は仕事をすることを放棄した。

満面の笑みだった。

しかも、手がわきわきしている。待て。なんか気持ち悪いぞ!!!!


「っ********。******************!!」


よく考えれば、彼からしてみれば彼からしてみれば俺は彼を襲った化け物。

それが無防備に寝ているのだしかも、手を伸ばせば届く位置。今のうちに殺してしまおうなんて考えることも・・・・・・っ!?

巨大蛇と対峙した時よりも強い悪寒を感じた俺だったが、やはり動けずにいた。


緊張した体がぴっくと動いた。彼は急に真剣な眼差しになり、彼の口は「ふっ」と小馬鹿にするように笑った。起きていることがばれたか?

高笑いでもしそうな顔だな~と、内心冷や汗をかきながら彼の行動を警戒していたのた。


なでなで。もふもふ。

・・・・・・ん?へ?


彼の顔と体は一致していないらしくをそれはもういい感じに俺の毛を撫でてくれていた。なかなかテクニックで不快感など感じていられない。寧ろ気持ちいい。もっとやれ。

彼自身もやはり無意識だったようだ、悔しそうな顔だがやはり手は止まらい。

かなり苦悩してる。


そろそろ起きた方がいいな?と一瞬思ったが。転生した俺はさすが獣。

自分の欲望には忠実で気持ち良さにみを委ねるのであった。


あ~、気持ちいい♪



俺得のマッサージタイムは師匠が洞窟に突っ込んでくるまで続いた。




もふもふは正義。

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