第十九話 合宿の始まり
今回で合宿一日目終わらせるつもりでしたが、長くなりそうなので二話に分けます。
二学期が始まってからちょうど三週間が経った、九月二十一日の月曜日。
夏休み前から告知されていた訓練合宿が、いよいよこの日から始まる。
二泊三日の予定になっており、期間そのものは決して長くはない。
だが智観は始まる前から不安でならなかった。と言うのは、野球部の愛海が先輩から聞いた話によると、毎年結構な数の一年生が音を上げるらしいからだ。
「でも先輩は練習で鍛えてたから大丈夫だったって言ってたよ」
愛海はこうも言っていたが、智観にとっては何の慰めにもならない。
智観は体育会系の部活で鍛えているようなタイプとは違う。
夜の自主鍛錬で多少は改善された気がするとはいえ、やはり彼女は体力には自信が無いからだ。
(私体力無いんだけど、大丈夫かなぁ……)
ただ弱気になりこそすれど、智観は諦めるつもりだけは毛頭無かった。
ここで挫けたら永久に憧れの存在である梨恵に近付けない。そんな気がして。
「考え事か? 早く乗らないと置いて行かれるぞ?」
「皆待ってますから智観も早くしてください」
物思いに耽っていた智観は現実に引き戻したのは、自分を呼ぶ明日華と千秋の声だった。
気が付いてみると、既に他のクラスの生徒達は校庭に待機している旅客船――民間の旅行会社の航空船らしい――への搭乗を済ませてしまっていた。
残っている者と言えば、明日華達四人と引率の教師くらいのものだ。
いずれも他ならぬ智観自身を待っている。
このままでは皆に迷惑が掛かってしまう。と言うよりは現在進行形で掛けている最中だろうか。
「あ、ごめん! 今行くよ!」
彼女達に謝りながら、智観は船のタラップへと向かう足を速めた。
船内は旅客船らしく、高級そうなシートが何列にも渡って並んでおり、その間に狭い通路が数本走っていた。
自分に割り当てられた席を見つけ出すと、智観は荷物をシート下の収納スペースに入れ、腰を落ち着けた。
高級そうな見た目通り、シートはふかふかとしていて心地好い。
何度か乗ったことがある梨恵の快速艇のそれとは雲泥の差だ。
あれはシートが硬くてお世辞にも座り心地が良いとは言えなかった。
もっとも、こんなことを言うと「軍艦と旅客船を比べないで!」と梨恵に怒られそうだ。
軍艦に快適性を求めるのは民間船に戦闘力を期待するようなもので、そもそも前提からして間違っているのかもしれない。
だが実際にこの船のシートは座り心地が良いのだから仕方が無い。
そうして智観がシートの感触を楽しんでいると、麗奈がやってきた。
「これから合宿が始まるって言うのに、のんきなものね。まぁ船に乗るのが珍しいのは分かるけど」
「そう言う麗奈は乗ったことあるの?」
「当然! 毎年お父様やお母様と一緒にヨーロッパ方面に旅行してるもの!」
智観の問いに、麗奈は胸を張って答えた。
「凄いなぁ……私もいつか行ってみたい」
彼女は自分の知らない土地をいくつも見てきたのだろうか。
智観は彼女のことが少し羨ましく思えて。
「私なんて軍用の快速艇に二回、それもちょっとだけ乗せてもらったくらいで……」
そう呟いた。
ところが、彼女の呟きを聞くや否や、麗奈は途端に語気を強めた。
「ちょっ! 何で軍用艇なんかに乗ったことあるの!? そっちの方が珍しいわよ!」
「え? そうなの?」
多少間の抜けた声でそう答えた智観だったが、考えてみれば確かに旅客船に乗るよりも珍しいことかもしれない。
「あたしだって乗ったこと無いのにー」
羨ましそうに麗奈は言う。
大佐を父に持つ彼女でさえ乗ったことが無いということは、どうやら相当に珍しい体験が出来ていたようだ。それも気付かぬ間に。
「やった、勝った!」
「くぅ……悔しいー!」
ちょっとした優越感がして勝利宣言をすると、麗奈は苦虫を噛み潰したかのような表情を見せた。
麗奈は基本的にいつも、自信に満ちた顔か不機嫌そうな顔のどちらかしか見せない。
そんな彼女が見せた嫉妬の感情は新鮮に思えた。
「今度お父様に頼んで乗せてもらうから、覚悟してなさいよ!!」
それから智観に人差し指を突き付け、それだけ言うと自分の席に帰って行ってしまった。
「無駄だと思うけど。それに覚悟って何を?」
覚悟と言われても何をどうすれば良いのだろう。
少し考えてみる智観だったが、よく分からない。
それから間も無くすると、船内に離陸を告げるアナウンスが流れた。
いよいよまだ見ぬ地、関東に向けて出発だ。
船内サービスで配られたジュースを飲みながら、智観達は空の旅を楽しんでいた。
アナウンスによるとこの船は時速六百キロほどのスピードで飛行可能らしく、約一時間で目的地に到着するという。
残念ながら智観の席は窓際ではなかった為、景色を堪能することは出来なかった。
全く見られないというわけでもないが、彼女の席からだと窓外には雲一つ無い青空が見えるだけだ。
両隣のクラスメイト達もどこか――恐らくは友達のところ――へ行ってしまった為、話し相手も居ない。
結局智観も彼女達に倣って、千秋と明日華のところへ遊びに行くことにした。
二人の姿はすぐに見つかった。
千秋は自分の席に座っており、明日華は彼女の傍に立って言葉を交わしている。
「千秋ー! 明日華ー! 暇だから遊びに来たよー」
そう言って彼女達のところへ行く智観。
「智観も暇潰しですか? 私達もそろそろ退屈してきたところなんですよ。何か話題でもありませんか?」
「そう言えば智観は関西圏から出るの初めてなんだよな? 今の気持ちはどうだ?」
どうやら彼女達も話題が尽きてきたのか退屈していたところのようだ。
話しかけるなり、智観はいきなり話題を振られてしまった。
「んー、そうだね……」
彼女は少し顎に手を当てて考える。
合宿自体はともかく、行き先の土地について不安はあまり無かった。
つい最近まで生まれ育った村から出たことが無かった分、むしろ楽しみなくらいだ。
もっともそれは自分の力のみによるものではないのだが。
結局智観は正直に想いを語ることにした。
「見たことない場所を見られるのは楽しみかな? 初めて学園に来た時だって本当は少し不安だったけど、何だかんだで楽しくやれてるし」
そこで一旦言葉を切り、表情をほころばせてから続ける。
「もちろん明日華や千秋達、皆のお陰でもあるけどね」
それにつられて彼女達も微笑んだ。
「恥ずかしいこと言うなよな」
「照れますよ……でも、そう言ってもらえると嬉しいです」
二人に言われると、智観も急に恥ずかしさがこみ上げてきた。
今頃になって、あっ、と口元を押さえた智観だが時既に遅し。
口にした言葉はもはや取り消すことなど出来はしなかった。
「そ、それより二人は何が楽しみなの!?」
こうなったら誤魔化すより他に道は無い。
慌てて話題を逸らそうと試みる智観。
「そんなこと、皆で夜遅くまで遊ぶのに決まってますよ!」
当然とばかりにそう答える千秋。
上手い具合に乗ってくれたようだ。
「トランプとかも持って来てるから一緒にやろうな」
「わぁ、明日華ったら準備いいねー」
明日華はしっかり遊び道具も用意してきているらしい。
これなら夜も退屈しなくて済みそうだ。逆になかなか眠れないかもしれないが。
智観は準備の良い明日華に感心していた。
ところが感心出来たのは束の間のこと。彼女は次にとんでもない遊びを口にしてしまう。
「それに定番の枕投げもな。智観に枕ぶつけるってのも面白そうじゃないか?」
「え? 何で私だけ標的に!?」
明日華が言うのは、旅行の定番である枕投げだ。
それだけならおかしくはないのだが、なぜか智観が名指しで標的にされてしまっている。
助けを請うように千秋の方を見るが、彼女もうんうんと頷いている。
「それはもちろん、反応が面白そうだからに決まってますよ。ね、明日華」
「だよな」
「それってどういうことー!?」
智観の魂の叫びが船内に木霊した。
先程、今夜はなかなか眠れないかもしれないと思った彼女だったが、その考えは改めなければならないようだ。
今夜は間違い無くゆっくりと眠らせてもらえない。
その後もしばらく談笑に興じていたのだが、智観はなぜか耳が痛くなってきて気分が悪くなってしまった。
「あぁ、そう言えば気圧の変化でそうなる人もいるらしいな」
明日華の言うように、これは智観に限ったことではなかった。
聞いて回ってみると、クラスメイト達の何人かも同じ症状に悩まされているようだ。
飴を舐めると楽になると言って千秋が飴玉を一つくれたので、智観はそれを頬張ると自分の席に戻って休むことにしていた。
飴玉のおかげかは不明だが、十数分ほどそうしていると次第に楽になってきた。
そうなるとまた退屈になってきてしまうので、再びどこかに遊びに行こうかと考えていると、いつの間にか悠里がすぐ傍に立っていた。
「うわっ! 驚かさないでよ、悠里」
「ふふ、驚いた?」
彼女は音も無く、気が付いたら傍に立っていたということがとにかく多い。
智観はその度ごとに驚かされているので普通に登場してほしいと常々思っているのだが、相変わらずだった。
時々わざとやっているのではないかとさえ思えてくる。
「ところでどうしたの?」
「もうすぐ富士山が見えるはず。麗奈の席、窓際だから、智観も一緒に見に行ったらどうかなって思って」
日本を代表する富士山が見られる。
彼女はそのことを伝えに来てくれたようだ。
ちなみに新学期が始まった頃、智観達は悠里とも互いに呼び捨てで呼び合うことにしていた。
彼女だけ仲間外れにしているようなのは気持ちの良いものではない。
そう言い出したのは千秋だったが、智観も同感であった。もちろん明日華と麗奈もだ。
結果、満場一致の末に現在の呼び方に定着した。
初めのうちこそ悠里は名前で呼ぶことに慣れていなかったようだが、今ではこの通りである。
それはさて置き、国内最高峰と名高く、太古より人々を惹き付けてきた富士山には智観も興味があった。
「うん、行ってみるよ。悠里も一緒に行こっ」
迷わず首肯すると、智観は悠里の手を引っ張りながら麗奈の席へと向かう。
「え? 私も?」
「もちろん!」
窓際の席に注意しながら通路を歩いていると、すぐに麗奈の姿が見つかった。
彼女は退屈そうに窓の外を眺めていた。
「せっかく窓際の席なのに何退屈そうにしてるの?」
「もうすぐ富士山が見える」
智観と悠里がそれぞれ話しかけると、麗奈はおもむろにこちらへと顔を向けた。
「別に……ただすること無いからぼうっとしてただけ。富士山なら何回も見たから見飽きたし」
張りの無い声で応える麗奈。
智観には何となく彼女の気持ちが分かった。
家柄の良いお嬢様で、何度も海外旅行をしたことのある彼女なら、それ以上に国内旅行の経験もあるのだろう。
そんな彼女にとっては、メジャーな見所である富士山など見飽きてしまっているに違いない。
ただ、智観にはそんな麗奈が少しかわいそうにも思えた。
知りすぎることは楽しみが無くなることにもなってしまい、幸せとは限らないのかもしれない。
「麗奈と一緒に見たかったんだけど、お邪魔だったかな?」
残念だが仕方が無い。
麗奈にとって退屈なことに彼女を付き合わせるのも悪い気がして、智観は踵を返して自分の席へ戻ろうとした。
「あ、待ちなさい!」
そんな智観を麗奈が呼び止める。
不思議に思い、足を止めて振り返ると、麗奈は難しい顔をして何かを考えている様子だった。
たっぷり十秒ほどそうした後、遂に彼女は口を開いた。
「確かに富士山は見飽きたって言ったけど、あんた達と一緒に見るってのは悪くないかもね。その……一緒に見ましょう?」
最後の方は小声になっていたが、それでもはっきりと彼女は言い切った。智観や悠里と一緒に見たいと。
「おっけーだって! 行こ、悠里」
「うん。上手く行ったね」
二人はそう言って顔を見合わせ、頷き合うと、座っている麗奈のところへ移動した。
一人分の座席のところに三人も集まると流石に狭かったが、彼女達は肩を寄せ合って窓の外を除く。
そこには眼下いっぱいに広がる雲海と、その上に顔を出している富士山の頂の姿があった。
まるで島のようにも見える。
「わぁ! これがそうなの?」
太古の昔から人々を虜にして止まないというその山の雄姿に、智観もまた目を奪われてしまった。
「分かってると思うけど、今見えてるのが最高峰よ。標高三千九百四メートル。九十年前の噴火で今の姿になったらしいわ。その前はもっと低かったけどね」
智観が見入っていると、麗奈が久しぶりに薀蓄を披露してくれた。
「そうなんだ……麗奈って物知りだねー」
「よく勉強してる」
「まぁね。誰かさん達はいつも無視してくれてたけど。ふふふ」
少し皮肉っぽく言って、彼女は笑った。つられて智観と悠里も笑う。
そうしているうちに、富士山はゆっくりと後方へと流れていた。
それから間も無く、船は目的地に到着した。
アナウンスに従って生徒達は順に下船していく。
智観達五人もその流れに従い、タラップから約一時間ぶりに大地へと降り立った。
「ん、良い香り……」
新しい土地の大地に立ち、大きく深呼吸をした智観を歓迎したのは潮風だった。
この土地――多摩川町と言ったか――は関東湾の西ほとりに位置する町だ。
風に乗って届く磯の香りが、智観の鼻孔をくすぐる。
「海が近いんですねー」
千秋は感嘆の声を漏らしながら、この海辺の空気を楽しんでいる。
そんな彼女を微笑ましそうに眺めていた明日華が、ふと思い出したように智観に尋ねてきた。
「智観は海辺に来るのも初めてだったよな?」
「うん。私、山育ちだからね」
智観の生まれ育ったところは山奥の村だった。
加えてつい半年前、あの事件の前までは村の外に出たことさえ無かった。
それゆえ彼女は海を間近で見たことがない(遥か上空から見たことならあることはあるのだが)。
「だったら時間のある時にでも、一緒に見に行かないか?」
それだけに明日華のこの誘いは嬉しかった。
「賛成! じゃあ今日の夕方とかに早速どうかな?」
「よし。なら夕食後にするか」
迷うこと無く賛成する智観。
夕方という彼女の希望を、明日華も了解してくれた。ところが。
「駄目……」
悠里は智観の服の裾を掴むなり、そう言ってきた。
「何が駄目なんだ?」
「怖い生き物がいるとか?」
揃って疑問符を浮かべ、首を傾げる明日華と智観。
二人の問いに対して首を小さく振ってから、悠里は続けた。
「二人だけじゃなくて、私と麗奈も連れて行って。麗奈も行きたいよね?」
「なぜにあたしに振る!? そもそも海なんて別に珍しくも何とも……」
唐突に話を振られた麗奈は素っ頓狂な声を上げる。
それから愚痴めいた呟きをしたところで、彼女は言葉に詰まった。少し俯いて何かを考えるような仕草になる。
船内の時よりはずっと短い思考時間の後、再び彼女は口を開いた。
「まぁ、たまにはそういうのも楽しいかもね。良いわ、一緒に行ってあげる」
「わぁ! ありがとう、麗奈!」
「何であんたがお礼言うのよ?」
「何となく、ねっ」
麗奈が意外なほど素直に「一緒に行く」と言ってくれたのが、智観には不思議と嬉しかった。
初めはクラスでも孤立していた彼女が、自分達には素直な一面を見せてくれるようになった事実が、その要因だろうか。
しかも徐々に好意的になってくれているように思えるのが、智観の思い過ごしかもしれないがいっそう心躍らされる。
まだ人当りが厳しいところもあるのだけれど。
「ところで、千秋は誘わなくていいの? あんた達、いつも一緒にいるのに」
麗奈はふと思い出したかのように、千秋のことを尋ねてきた。
千秋のことをすっかり忘れていた智観達だったが、彼女は相変わらず少し離れたところで潮風と磯の香りを満喫していた。
「あいつは絶対来るって言うから心配いらんだろ……」
「だね。他の用事放ってでも来るよ、千秋は」
特に気にする必要は無い、と四人は結論付けた。
「何か面白いことでもあったんですか?」
すると噂をすれば影とばかりに、千秋が話を聞き付けてやって来る。
「いやな、今日の夕食後に四人で海辺に行こうって話なんだが、お前も来るか?」
「行きます! と言うか私だけ置いてけぼりなんて酷いです!」
彼女に海を見に行くことを伝えた時の反応は、まさに明日華が言ったそのままであった為、四人は大笑いしてしまった。
「あはは。予言的中だね」
「予知能力者?」
「以心伝心ってのはあんた達二人の為にあるような言葉ね」
笑い声に包まれた中。
事情が分からない千秋は、一人首を傾げるばかりだった。
「いつもの五人! 早く部屋に荷物を置いてきなさい! 集合時間は十時半ですよ!」
そうしていると、担任である蔭山の鋭い声が飛んできた。
「現場ではちょっとした遅れが命取りになるでー。はよ行きや」
対称的に穏やかな関西弁で声を掛けてきたのは、黒髪をポニーテール(と言っても明日華のそれよりはかなり短く、肩あたりまでしかない)に結った少女だった。
見たことの無い少女だが、制服のリボンタイが緑色なので上級生ということだけは分かる。
そう言えば、と智観は合宿前に連絡されたことを思い出した。
確か三年生から各クラスに一人ずつ、訓練の補佐をしてくれる人が付くことになっていたはずだ。
恐らくはあの関西弁の少女こそが補佐役の一人だろうと智観は確信した。
それはさておき、教師と上級生の声で冷静になった智観達五人は、周囲を見回してみる。
すると既に他の生徒達は自分達の周りにはおらず、宿泊先の旅館らしき建物へ入ろうとしているところだった。
「ちょっと! あんた達と話してたら取り残されちゃったじゃない!」
現状を理解すると、まず麗奈が声を荒げて怒鳴った。
「置いてけぼり食らったのは千秋じゃなくて、私達全員だったみたいだね」
「笑いごとじゃないわよ!!」
苦笑する智観に、なおも麗奈の怒声が襲いかかる。
そう。彼女達は完全に取り残されてしまっていた。
ちなみに智観の場合、今日だけでこの展開は二回目である。
流石に智観もこれを恥ずかしく思い、苦笑しつつも真っ赤になった。
「みんな! 急いで荷物置きにいこっ!」
それから彼女は荷物の入った鞄をしっかりと肩に掛け、先頭に立って走り出した。
重くて走りにくいが、今は我慢する他は無い。
一時間もしないうちに最初の訓練が始まってしまう。
一刻も早く荷物を置き、体を休めておきたいからだ。