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逃避思想
白紙。つまり空白だ。
そのようなものが俺の中にあった。
空白があったという説明は間違っているかもしれないが、聞いてくれ。
俺が特定行動を起こす際、その空白が蠢きだす。それは俺を冷酷に、そして操るかのように言葉を吐き出させる。
俺は、自分自身を制御できずに無慈悲な言葉を他人に投げつける。
いかにも醜悪な姿なのはわかるだろう。
そんな自分自身が嫌になり、孤独を選んだ。自然と周りも俺を避けるようになった。
これでいい。
けれど、そんな冷酷な俺でも、何故か心が痛いのだ。
空白に操られている人形でも、俺は人と関わり合いと思ってしまう。
俺は、いつか空白から逃げることができるのだろうか。