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47話 ムクロの執着

戦闘コート試験試合後です。ケサギの心情が入ります。

ダンの「ぴちっとしたヒップラインは男の最強セクシーポイント!」は筆者の心の叫びでもあります//

「はいはい、では仮縫いで戦闘:上忍編はこれで終了しまーす。

上忍さんたちはこちらにきて意見を聞かせてくださーい。あとコートと上下一式を脱いでこちらの剣客服に着替えてくださいね」

ダンが太い手をぶんぶん振って呼び掛ける。


ムクロはコートを脱いで斬られた部分を見ておおー、と声を上げた。

「表面だけが斬れてるね。この装甲板だっけ?薄くて柔らかいのにすごいね!」

「それはもう、長年研究に研究を重ねて開発した新素材ですから!」

ダンが胸を張る。ぴっちりしたシャツを着ているので筋肉がピクピクと動いているのが見える。


ケサギもコートを脱いでダンに手渡す。

「背中がヒリヒリする。これ、痣になってない?」

ケサギが上半身を脱ぐと、ムクロの長針を受けた場所が3つ赤くなっていた。


「あー、やはり上忍様クラスの力で投げたものは完全に衝撃を分散できてませんねえ……」

ダンは注意深くケサギの背を観察した。


「けっこう本気で投げたからね。でもそれで貫通しないってすごいよ!」

ムクロは素直に賞賛した。

「ありがとうございます!なんとかもうちょっと調整してみますね。他に気になったところ、あります?」


上忍3人は顔を見合わせて言った。


「「「足が上がらない」」」

「ああーやっぱりか!」

ダンが頭をかかえる。


サカキが右足を曲げて膝を自分の胸に付けようとするが。

「これ以上上がらないのはツライ。足技の威力がガタ落ちだ」

上忍に限らず、忍者であれば180度開脚は出来て当たり前だった。


「それなら中忍、下忍たちと同じズボンでいいんじゃない?

彼らのは腰回りに余裕があるタイプでしょ?足も限界まで開けるって言ってたし」

ムクロが提案すると。


「ダメです!」

ダンが両手で×を作る。


「このロングコートの下はピチピチの黒革ズボンでないと!私のセンスが許しません!

ぴちっとしたヒップラインは男の最強セクシーポイント!これだけはぜえーーーーーーったいに!譲れません!ふんふん!!」


上忍3人はガクリとうなだれた。

(めんどくさいタイプだ……)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


一同が解散し、ケサギとムクロは自分の投げたものを回収するために演習場に残った。

いちいち拾いに行くのも面倒なので2人とも風遁を使って自分の手元に手裏剣や長針を引き寄せる。

土で汚れているので後は持ち帰って手入れをするだけだ。


「……」

「ん、どうした?泣いてるのか?」

下を向いたムクロを見てケサギが声をかけた。


「泣いて……ない」

と言いながらも目の端に涙が浮かんでいた。


「――よかったな、サカキに受け入れてもらえて」

ケサギがぽん、とムクロの肩を叩いた。

ムクロは何も言わなかったが、肩が少し震えていた。

(まあ、6年間も仕事以外では無視状態だったからなあ。それが、形見の約束をあちらから言い出してくれたしな。しかしオボロがなぜ我らとなるべく話をするな、と言ったのか。もう確認する術はないが……)


ケサギは不思議に思う

ムクロはなぜか昔からサカキに執着していた。彼がまだ未忍の頃からだ。

ケサギとムクロは忍務で忙しく、あまり里にいられなかったが、ムクロはサカキの上達ぶりやらその美貌の噂などよく口に出していた。

15歳の彼に上忍2人で房中術を教える、と言い出したときもケサギは驚いたが、ムクロの真剣な目を見て許可した。


下手をすれば死罪になるかもしれないほど危険なことだったが、ケサギはムクロを信頼している。

理由は言えなくても、そうしなければならない何かがあるのだろう。

実際、サカキがトラウマを抱えたままだったらこの先の忍務にも支障が出て上忍にはなれなかったはずだ。サカキを狙う奴らの中には上忍崩れ(上忍だったものが何らかの理由で里を追放された)もいたし、誘拐未遂も何度かあった。


(上忍になることでサカキは己の身を守ることができるようになったから、結果オーライだ。うん)

と、ケサギは自分の中では納得している。


ムクロにはいろいろと不思議な能力がある。

まるで自分がやるべきことを知っていてそれを忠実に辿っているようだ。

(――いったい、いつになったら本当のことを話してくれるんだ?

いつかはその日が来るだろうが、願わくばお互いのどちらかが死ぬ前に白状してくれよな、ムクロよ)

ケサギは、普段は人には見せない厳しい顔で黙り込んだ。

ケサギはムクロになにか秘密があると勘づいていますが無理に聞き出そうとは思っていません。

次話 48話 王女の幻体目:絶 です。

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