‐報告書‐****文明における近接航空支援能力に関して
・近接航空支援における飛竜種の区分
****世界では、複数の文明が乱立し互いの生存領域拡大を巡り水面下での緊張状態が続いている。各文明の防衛、攻撃兵器に関しての記述は膨大となるため、ここではとりわけ我々と同様の文化基盤を持つ****文明での、航空分野における軍事的戦略評価について記述していく。各国の軍事合同における航空分野での主力となるのは、表題の通り飛竜種となる。この飛竜種は、******大陸各所に以前から存在し、地域差によるものや全長の違いから複数タイプが存在する。高度な知能は有さず、調教用の装具の開発により、現在の運用に至る。実地調査により運用が確認されたのは大まかに以下4系統となる。
・ワイバーン級
もっとも一般的な飛竜種。全長およそ5m~8m前後と個体差があり、騎竜者1名から2名、低空飛行にて奇襲作戦・偵察を行う際に用いられることが多い。火力支援の方法としては、騎竜者の武器による攻撃や、ワイバーンの火炎弾によるものなど小規模、局地的な使用に限定される。規模に応じて、編隊を組んで支援を行う場合も多い。
・サラマンダー級
全長10m以上15m以下の飛竜種であり、騎竜者5名程度が、専用の区画がある鞍をサラマンダー級に装着し、支援要請にあった地点に、炸裂薬を中空飛行にて投下する役割をもつ。
積載規模が大きいサラマンダー級の場合、熱線を照射することができ、中程度の距離から支援攻撃を行うことが可能。この熱線は着弾地点で爆発を起こす性質がある。護衛としてワイバーン級の編隊が護衛についているケースが一般的である。
・ジャバウォック級
全長15m以上の飛竜種を指す。主に輸送用としての機能が大きく、大量の兵員輸送、物資輸送に使用されるケースが多い。こちらは、攻撃・迎撃能力がほとんどないため、護衛の編隊と合わせた運用が義務付けられている。飛行高度は中~高度空域に限定されている。
・ファフニール級
全長はおよそ15m以上と想定される。****文明における古代****文明に関する専門書*****によると、*****時期以前には、流星のような軌道を描いて超高高度を飛行する飛竜種がいたという記載がある。文献資料を検証すると、このタイプの飛竜は音速を越えた飛行能力を持つことになる。全長もさることながら、身体的な特徴が他の飛竜種と異なる部分が多く、表皮の色は各個体で異なり、オパールの煌めきを放つ。四つ足で歩行するが、2本足で立つこともでき、その場合2本の前足は人の腕のように動かせるという。さらには、人語を話し魔術を使う個体も存在したという記述も発見された。信憑性に欠ける古代文書の記述ではあるが、未開領域である****空域にて生息している可能性が言及されている。しかし、周辺空域は異常気象により絶えず積乱雲やハリケーンが渦巻いているという記載から、調査困難な可能性がある。神話生物など空想上の産物の可能性も考慮し、今後も引き続き調査を行っていく。