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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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いざ、門外へ!(8)

 そんな時である。

 タカトにのしかかっているカマキガルが何かの匂いを探るかのように触角をヒクヒクと動かし始めた

「ギギ……コ……コレハ……ア……ダ……ム……ノ……ニオイ」

 カマキガルの口が、カシャカシャと小刻みに噛み合っている。

 まるで、怒りに燃えているかのようにせわしない。

 そして、その怒りをタカトにぶつけるかにように、残ったもう一方の鎌をタカトの背中に振り下ろそうと大きく振りあげた。

「シ……ネ! ア……ダ……ム!」


 ビン子にはそんなカマキガルの様子がタカトの頭越しによくみえた。

 このままではタカトともども串刺しにされかねないのだ。

 どうやら今さらながら、自分たちが超危険な状況であることが分かったようである。

「きゃぁぁぁぁ」

 やっとこさ、悲鳴を上げるビン子ちゃん。


 慌てたビン子の手は床の上を探った。

 ――なんかないか……なんかないか……なんかないか……

 するとそこにはタカトのカバンからこぼれ落ちた道具たちが転がっているではあ~りませんか。

 ――あったぁ!

 ビン子は、その道具のうちの一つを掴むと、パニックさながら、それをカマキガルめがけて振り上げた。

 だが、手にしたのはハンマーでもプライヤーでもレンチでもなかった。

 そう、それはただのウチワ。

 どうして、今……それを選ぶかなぁ……

 だって……それ……女子学生のスカートをめくるしか能がないウチワじゃん……

 まだハンマーとかなら、会心の一撃みたいにカマキガルどついて、ワンチャンあるかもしれないのに!


 だが、一瞬!カマキガルの方が早かった。

 タカトの背中を貫く鎌。

 そして力任せにその先端を押し込んでいく。


 しかし、カマキガルがいかに力を籠めようとも鎌は沈まない。

 そう、タカトの背中の直前でピタリと止まっていたのである。

 そんな鎌の先端には小さな光。

 それは握りこぶし一個分ほどの六角形をした小さき金色の光。

 も! もしかしてコレは神の盾(のめっちゃちっこい版?)


 そんなビン子がカマキガルを睨み上げている。

 右目だけを金色に光らせて。

「ワラワの恋路の邪魔をするなぁァァァァ!この腐れ外道がぁぁぁぁぁぁ!」 

 怒りに任せたビン子はウチワの柄につくトゲに親指を押しあてて叫んだ。

 えっ? コレって、ビン子ちゃんの声? なんか声質変わってない?

 それはまさにワンピ○スのハンコ○ク!

 いやぁまさかぁ!

 いくらビン子ちゃんでも、そこまで偉そうな態度はとらないよ!

 でも、その声を発していたのは、まぎれもなくビン子自身であった。


 ビン子は開血解放したスカートまくりま扇をカマキガルに向けて振りぬいた。

 扇から飛び出す10匹の龍!

 タカトの時は3匹しか出なかったのに、10匹も?

 もしかして、出力を上げたのかな?

 いやいや今だに、その調整ダイヤルは3のまま。

 しかし、トゲに押し付けられた親指からしみ出す色は、いつものビン子の赤い血ではなく金色の光をまとっていたのだった。

 

 タカトの時とは比べ物にならない大風がうちわから飛び出した。

 渦巻く風がカマキガルの細い体を巻き込んでいく。

 徐々に宙に浮きあがり、ねじれていくその体。

 だが、荷馬車に食い込む鎌で何とか吹き飛ばされずに踏みとどまっていた。

 しかし、風の勢いは収まらない。

 次第にねじれだした肘の接合部からは、ところどころから魔血を吹き出して……


 ついにカマキガルの体が、大空高く吹き飛んだ。

 荷台に引きちぎられた鎌を残したままで……


 きりもみをしながら落ちていくカマキガル。

 そんなカマキガルが地面に衝突しようかという時だ。

 カマキガルの体が、突然、血しぶきをあげ真っ二つになったのである。


 雨のように振り落ちる血しぶきの中に一人の魔装騎兵が立っていた。

 真正面に剣を振り下ろしたすがたで。

 その魔装騎兵は、ヨークの虎とは異なりワニのよう。

 そう、この黒きワニの魔装装甲を身にまとった男こそが、第一駐屯地所属の守備隊長ジャック(対応戦力等級45)なのであった。

 しかし、ジャックの魔装装甲は、ヨークのものと異なり、その表面のいたるところから湯気のような闘気が揺らめきたっていた。

 これこそまさに、神民スキル「限界突破」が発動されている証拠なのだ。

 (対応戦力等級45→対応戦力等級55へと上昇)


 カマキガルに囲まれて一人悪戦苦闘をしてるヨークを見ながらつぶやくのだ。

「へなちょこ小僧が! タコみたいに踊りやがって」

 ペッと唾を吐き捨てると、ジャックは刀身が波打つ水のように見える『荒波の剣』を自らの肩にのせて、偉そうにカマキガルの群れへと歩を進めだした。


 ジャックと共に駆けつけた第一駐屯地の奴隷兵たちが、カマキガルの群れを盾で押し返し始めていた。

 だが、ジャックはそんな彼らたちの後方から大きな声で叫ぶのだ。

「ちんたらちんたらしてんじゃねぇ! じゃまだ! そこをどけ! 豚ども!」

 そして、手に持つ荒波の剣を大上段に構える。


 ――マジかよ! 俺たちがまだいるのにか⁉

 その様子に慌てて脇へと飛びのく奴隷兵たち。


千波万波せんぱばんぱ!」

 ジャックの怒号と共に右足が大きく踏み込まれると、大上段に構えらた荒波の剣が一気に振り下ろされた。

 踏みしめられた右足が、地面に食い込み溝を掘る!


 その瞬間、数匹のカマキガルが一瞬でただの肉塊へと変わった。

 再び振りぬかれるジャックの剣筋。

 多くのカマキガルが波に巻き込まれるかのように消えていく。

 無数の闘気をまとう剣波が次々とカマキガルを襲っていく。

 ただなすがままに切り刻まれていくカマキガルは、あっという間にその数を減らしていった。


「ひぃっ」

 そんな中、奴隷兵たちは悲鳴を上げていた。

 というのも、自分たちがカマキガルと接近戦をしているのにもかかわらず、ジャック隊長がお構いなしに斬撃を飛ばしてくるのだ。

 とうぜんそんな一撃に当たりでもすれば、カマキガル同様にただの肉片になってしまう。

 しかも、それどころか、切り刻まれたカマキガルからは噴水のように魔血が噴き出しているではないか。

 魔血をかぶりでもしたら魔の生気が体内に侵入し、人魔症にかかってしまう。

 パニック状態の奴隷兵たちは、もう、戦いどころではない。

 返り血を浴びまいと盾を頭上にかざし逃げ惑っていた。

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