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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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鑑定の神はおばあちゃん?(12)

 ミズイは、放心状態のタカトの首に手を回した。

 そして、顔を擦り寄せ、耳元で甘えるように囁く。


「わしを労わってくれるのなら、もう一つのスキルも教えてやらんこともないぞ」


 その瞬間、ビン子の目が細くなる。

 それはまるで、イヤらしい笑みを浮かべる老婆を射殺すような視線。

「私のタカトになに気安く触ってんのよ!」と言わんばかりの気迫が全身から立ち上る。


 ……その気配に気づいたミズイは、反射的にタカトから離れた。

 そして、鋭くビン子を睨み返す


 ――なんじゃ、この娘……ただのノラガミではあるまい。

 わしの鑑定眼でも、スキルの全容がまるで見えぬ……。

 まさか、わしより上位の存在か……?


 ミズイは一歩退きつつ、ビン子の姿を下から上までじっくりと見つめ直す。

 かろうじて見えるのは戦闘力の数値だけ。

 ――……対応戦力等級3……電気ネズミと同等……笑止。


 だが、それよりも気になるのは……


 ――ノラガミのくせに……老化の気配がまるで無い……

 身体に満ちるこの張りと瑞々しさ、まさしく“幼女そのもの”ではないか……!


 神は、生気を吸収し続けねば、やがて荒神へと堕ちていく。

 だが、神民を持たぬノラガミにとって、生気の確保は死活問題なのだ。

 命の石を使えば延命もできる。だが、そんな都合よく、大量の命の石が手に入るはずもない。

 となれば、他の生き物の生気のおこぼれにあずかるしかない。

 それも一日かけてようやく集めても、その日の活力に届くかどうか。

 ゆえにミズイは“老化”という選択を取った。少しでも生気の消費を抑えるために――


 だが、目の前のビン子の身体には、どう見ても生気が満ち溢れている。

 ノラガミのはずなのに、なぜ……?

 まさか──この娘、スザクのようにすでに国を持ち、神民を従えているというのか?


 だとすれば……。

 ミズイは、喉の奥から絞り出すように声を出した。


「お主……まさか、『名持ち』か……」


 訳が分からないビン子は、目をぱちくりさせている。

「名持ちって、なに?」

 

 ──ビン子……たしかに、先ほどからそう呼ばれていたが……まさか……。

 いや、それはありえん。こやつが、この小僧と“契り”を交わしているなど──。

 

 そもそも、“契り”を交わせるのは、門を持つ神に限られている。

 だいたいノラガミなど、契る前に生気切れを起こして荒神になるのが関の山じゃ。

 

 それに、ここは融合国。融合の神・スザクが所有する大門が存在する領土だ。

 この国で、ビン子が門を持っているなど……あるはずがない。

 ……まぁ、小門さえあれば話は別じゃが、ここはその内側ではない。


 ──となれば、やはり原因はあの小僧か……。


 タカトのもう一つのスキル。あの忌まわしき荒神の力――

 『万気吸収』。


 生き物はもちろん、石、水、空気といった、万物に宿る「万気」。

 それは、生気の根源にして、命の本流とも言うべき力だ。

 それを、まるで呼吸のように吸収できる……。


 ──道理で、あやつは常に生気に満ちておるはずじゃ。


 この生気、鍛えれば戦闘に特化した闘気や覇気へと昇華できる。

 万気を無限に吸えるタカトが、もし覇気に目覚めれば――

 不老不死の騎士など、相手にならぬほどの力を手にするだろう。


 ……騎士の力は、神民から供給される生気に依る。

 神民の生気が尽きれば、騎士もまた力を失う。

 つまり、有限。

 それに比べて、このタカトの力は……無限。


 ──もはや、神とすら呼べるのでは……。


 ……それなのに。


 「痛ぇぇぇええ!死ぬぅぅぅ!」

 タカトはケンカのたびに泣き叫ぶ。

 勝率ゼロ。負け方は毎度、悲惨。

 擦り傷ひとつ、三日は残る。

 母との約束でケンカを避けている? 違う。

 本気でやっても、勝てないのだ。マジで。で。


 ──もしかして、生気をセイキに変換しているのか?


 確かに、タカトはおっぱいへの執着が異常。

 性欲は常時フルチャージ。

 下心、常時スタンバイ。暴発寸前。

 だが──そこら辺の変質者と一緒にしてもらっちゃ困る!

 なにせ、今までの人生、守備兵に逮捕されたことは一度もない!

 ……いや、通報されたこともない!

 というか!

 生気をセイキに変換なんてできませんから!


 となれば……やはり……


 ――このノラガミが、吸っとるのか……この小僧の生気を。


 そう、ビン子は無意識に、タカトを“命の石”代わりにしていたのだ。

 命の石ですら、吸えば崩れるというのに……

 このタカト、どこからともなく生気が湧く。湧く。湧く。止まらない。


 ビン子はただ隣にいるだけで、その生気を自然と吸収できた。

 これは……便利!


 ……って、待てよ。

 タカトが強くなれない理由、これって……

 おまえかッ! ビン子ちゃん、おまえのせいかぁぁッ!?


 ――ならば、この小僧がいれば、ワシの恩恵の力も最大まで発揮できるというもの……。

 ビン子にできて、ワシにできんはずがない。


 無限の生気があれば、老化による消耗など気にする必要もない。

 神の恩恵だって、最大出力で使い放題。


 ――そうなれば、マリアナやアリューシャの居場所も、きっと見つけられる……。


「まぁよいわ。いずれその小僧は、わしがもらうとしよう」


 そう言い残すと、ミズイは路地の闇へと、霧のようにすうっと消えていった。


 ***


 ミズイが消えた、何もない路地の闇を見つめるタカトとビン子。

「……なんだったんだ、あのばばぁ」

「さぁ?」


 タカトは首にまとわりつく線香臭い匂いを、手で振り払うようにこすった。


「しかし、俺を“貰う”ってなんだよ」

 今でも耳に残る、あのババアの甘ったるい声……寒気がする!

 さすがに女性のストライクゾーンが広いタカトでも、あのババアは半分アウト!

 無理無理無理!


「というか!」


 ……半分はOKなんだぁwww

 ちげぇよッ!!


「大体、俺はしおれた垂れ乳なんかに用はねぇんだよ!」


 その瞬間──

 澄み切った青空から、どこからともなくミズイの声が響いた。


「誰が垂れ乳じゃい! このボケナスがぁああ!」


 二人は思わず顔を見合わせ、びっくりして空を仰いだ。

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