鑑定の神はおばあちゃん?(3)
「これもそれも、ベッツローロ! アンタがおでん組のセンターをちゃんとやらないからだろ!」
「ばあちゃん……俺、そんなダサいのは嫌だよ……」
「何がダサいだよ! おでんだよ! おでん! そのうち、ODN48にしてみせるからね!」
「ばあちゃん……おでんの具材が48種類もあるわけないだろ……」
「アンタ、バカだね! おでんの具材なんざ、地方も含めりゃ48種どころかもっとあるんだよ!」
「だから……おでんがダサいんだよ……おでんが……」
「よくも言ったね! ベッツローロ! アンタも私の神から授かった恩恵『誘惑』で操ってやろうか!」
「やめてくれよ……実の孫だろ……しかも、ばあちゃんの誘惑って三人までしか操れないんだろ?」
「何言ってんだい! こうやって若い男にかしづかせておけば、女性フェロモンがバンバン出て、そのうち誘惑の上限も上がるかもしれないんだぞ」
「ばあちゃんの場合……女性フェロモンじゃなくて、ただの加齢臭だよ……」
「ベッツローロ! よくも言ったな! 覚悟しな!」
――ひぃぃぃぃぃ!
ばあちゃんに誘惑で操られたら大変だ。
アダルトビデオでもなかなか見ない、デブのババアとデブのヤンキー孫による暑苦しい近親モノになりかねないのだ。
「おれは、清純派妹系アダルトビデオが好きなんだぁぁァァ!」
こうして、ベッツは慌てて部屋から飛び出した。
ベッツを見送るモンガは心の中で思った。
――アダルトビデオって……俺は断然、巨乳派だ!
だが、突然何かを思い出したように手を打つ。
「いけねぇ! 巨乳で思い出したぞ。今日は、第六の巨乳・エメラルダから毒消しを受け取って、第一駐屯地まで輸送する仕事があったんだ!」
巨乳と言えば私のことだろうと、ペンハーンは自分の胸をタップんタップんさせながら、
「まぁ、多少遅れても大丈夫だろうよ。なんてったって、今の第一駐屯地の隊長はジャックの小僧だろ♥」と色っぽく言うが……
その三段腹、どの段がオッパイなのか、実の息子モンガでさえ全くわからなかった。
「そうだけど……ジャック隊長、キレたらすぐに人を切り殺すから、おっかないんだよ……」
「大丈夫だって。つねづね私がラブコールを送ってやっているんだから」
「ラブコール?」
「そう、おでん組の新メンバー、ジャック10!」
「10って、ベッツ入れても5番目だろ……」
「いいんだよ、じゃこ天はおでんに入れてもおいしいんだから♥」ペロ♥
なぜか身震いをしたモンガは、いそいそと部屋を出て第六宿舎に向け、出発の準備を始めた。
はい、ということで、タカトたちが荷馬車で進んでいる時間まで早送り!
キュルキュルキュル!
……って、今どきの若い子たちって、ビデオなんて知らないんだからね!
う~ん、思い出しますね……中学性の暑い夏、雨上がりの青臭い河川敷。
捨てられたアダルトビデオを拾ったことがありました。
泥まみれのテープをウキウキしながらビデオ本体に入れたとたん、なんと! 運命のいたずらか、見事に本体が壊れたという切ない思い出。
なんか、今のベッツ君に重なりますね……めっちゃ怒られたし……
ということで、戻ってきましたタカトの時間軸!
こちらもなんと! 運命のいたずらか、ベッツが歩いて出てくる路地の入り口の前には、先ほどの犬の親子がちょうど通りかかっていたのだ。
だが……避けようとした母犬の、ひきずる前足は思うように動かない。
ぐらりと揺れる。
あっ! あぶなぁぁぁぁい!
ベッツの足がふらつく母犬の体を思いっきり突き飛ばした。
「なんだこの犬! 汚ねぇな!」
犬とぶつかったベッツは、咄嗟に自分の靴やズボンが汚れていないか念入りに確認しはじめた。
どうやら、先ほど怒られた憂さを晴らすために、わざわざ父親の目が届きにくいこの一般街のはずれまで来ていたようだ。
そして、ここいらで仕事をしている奴隷女を適当に見つけると、難癖をつけてイジメてやろうと思っていたのである。
こらぁ! このくそアマ!
服が汚れたじゃないか! この服は、ら・フランス製だぞ!
土下座しろ!
まぁ……どこの世界にもいるよね……
相手の立場がちょっと弱いって分かると、すぐにイキりだす奴。
謝罪しろ! 反省しろ! 1000年たっても謝罪しろ!
もし、そんな客が来たら、バシッと言ってやりましょう!
うるせい! てめえなんざ! 洋ナシ! 玉なし! 人でなし!
ヒトデでなければ短小ナマコ! いやウ○コや! ウ○コ! このクソ野郎!
文句があるなら守備兵でも神民兵でもいくらでも連れてこいや! ゴラァァァァ!
……と、つい本気で言ってしまったら、めちゃくちゃオカマのママに怒られた。
なんで俺が……怒られニャならんのニャァ? byハゲ太
というか、もしかしてオカマバーが流行らないのは、すぐにキレるハゲ太のせいなのではないだろうか。
……たぶん、そうだ。




