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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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黒の魔装騎兵と赤の魔装騎兵(14)

 人魔から飛び散る魔血を避けるように、守備兵たちが次々と後ろに飛び退いた。

「おっと、危ない危ない!」

 それを見ていた赤の魔装騎兵が怒声を上げる。

「このたわけどもが! お前たち守備兵は『人魔抑制剤』を打っているのであろうが!」


 ……人魔抑制剤。

 それは医療の国(いりょうのくに)が製造・管理している、魔の生気による感染――“人魔症”を予防する薬である。

 投与しておけば、魔血を浴びても一定の確率で発症を防ぐことができる。

 だが、その製法は国家機密とされ、他国は〈医療の国〉から高値で輸入するほか術がない。

 当然ながら、投与されるのは限られた者――神民、兵役従事者のみだった。


 守備兵の一人がおずおずと口を開いた。

「し、しかし……それを打っているからといって、完全に防げるわけでは――」


「言い訳をするな!」

 赤の魔装騎兵は一切の容赦なく、男の胸倉をつかみ上げた。


「ヒィッ! で、ではけが人は……けが人はどういたしましょうか!?」

 怯えながら守備兵が問いかける。


 赤の魔装騎兵は鼻で笑うと、つかんでいた兵を突き飛ばす。


「ふん! けが人はすべて収容所へ送れ。返り血を浴びた者も、全員だ。まとめて人魔収容所へぶちこめ!」


 人魔症の感染判定は、数秒で済む簡易検査によって明確に分かるはず。

 ならば、血を浴びていたとしても、陰性であれば収容所送りにする理由はない。

「じ、人魔検査は……なさらないのですか?」

 問いかけた兵に、赤の魔装騎兵は冷然と右手を振った。

「必要ない! 返り血を浴びていた者は、全員隔離せよ。例外は認めん!」

 その剣幕に、守備兵たちは膝をつき、声を揃える。

「御意!」

 それほどまでに、赤の魔装騎兵の身分は高かった。

 そう、この女こそ、一般国民ながら人魔収容所を直接統括する人魔管理局の局長、ソフィアである。

 ソフィア?

 ……あれ? 最初の方で名前だけ出てきたような気が……しませんか?


 街にはさらに騒がしさが増していた。

 人魔収容所から駆けつけてきた兵士たちが加わったのだ。

 さすがはソフィア直属の部隊。訓練されたその動きは無駄がない。


 道に転がる人魔の死体を、いくつもの荷馬車に次々と放り込んでいく。

 一方、別の兵士たちは、あらかじめ用意されていた檻へと、返り血を浴びた住人たちを容赦なく引きずっていった。


「私は人魔じゃない! まだ人間よ! お願い、検査して!」

「だまれ! ソフィア様の命令だ!」


 街のあちこちから、悲鳴と怒声がこだまする。

「やめて! 陰性だったら、何も問題ないはずでしょ!?」

「うるさい! ソフィア様の命令だ!」


 訴える声は無視され、泣き叫ぶ者も容赦なく詰め込まれていく。

 ほどなくして、何台も並べられた檻は、どれも満員電車のようにすし詰め状態となっていた。

 身動きひとつ取れないまま、捕らえられた住人たちは、やがて黙りこくっていく。

 静寂と嗚咽だけが、重くその場に残った。


 まったく返り血を浴びていないはずのピンクのオッサンも、いつの間にか檻の中に押し込められていた。

 おそらく、その傷だらけの顔を見て、魔物に襲われたのだと勘違いされたのだろう。

 だが、その傷は魔物ではなく、セレスティーノにやられたものである。

 ――とはいえ、それを教えてやろうという者は、誰一人いなかった。


 なぜなら、その檻の前では、セレスティーノが鋭い眼光で睨みを利かせていたからだ。

 もし「違いますよ」とでもチクろうものなら、今度は自分が嫌がらせを受ける羽目になる。

 なら……まあ、ピンクのオッサン一人くらい消えても、どうということはない。


「コラ! ここから出さんかい! ワレェ!」

 怒号とともに、ピンクのオッサンが掴んだ檻の鉄格子が、ギギ……と音を立てて歪み始めた。

 その異常な力に驚いた守備兵が、あわてて槍を突きつける。


「コラ! ケダモノ! 大人しくしろ!」


 だが――次の瞬間、ピンクのオッサンは突きつけられた槍の刃先にかじりついた。


 ガジガジガジッ!

 まるで煎餅を噛むような音が響き、鋼の刃がボロボロと欠けていく。

 オイオイ……コイツの歯ってどないなっとんねん!

 守備兵は戦慄した。

 ――やっぱり、こいつ……本当は魔物なんじゃないか?

 慌てて何度も、何度も、何度も何度も、その目の色を確かめた。

 ――黒い……。

 間違いなく黒い。

 ――人間、だよな……?



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― 新着の感想 ―
ピンクのおっさん…。もうラスボスの前にいる野良の最強モンスターじゃね?www
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