表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

学校の教師が嫌いすぎて、吐きそうになった話

 私がまだ純粋無垢な中学生だったころの話である。

 当時、私は片田舎の自称進学校に通っていた。


 文武両道、質実剛健とかなんとか、綺麗な飾り言葉が校訓だった気がしなくもない。

 当時は、その教訓すら素晴らしい言葉だと真に受けるほど純粋だった。

 

 入学当時、私は、漠然と部活動というものに憧れを持っていた。

 そんなとき、「一緒に全国を目指そう」と、とある教師に声を掛けられて、私はテニス部に入部したのである。


 その、とある教師であり、テニス部の顧問こそが、心底嫌いになって吐きそうになった教師である。


 全国を目指そう。

 と、その言葉が甘言か本心かその真偽は定かではないが、練習は相当きつかった。

 

 平日は夜遅くまで練習。

 朝練は勿論、土日祝日も休みはない。長期休暇には強化合宿があり、まともな休みと言えば、大晦日と正月三が日くらいであった。

 上手いこと手を抜こうものなら正座で叱られ、試合で負けようもんなら殴られることもあった。

 

 と、ここまで書けば、そんな鬼のような練習を強いられために、顧問を嫌いになったと誤解するかもしれない。


 が、そうではない。

 

 むしろ、その経験自体は今の自分の糧になっている。

 それに、当時、その教師は、三十代後半の既婚者であった。娘も二人いた。

 そして、おめでたいことに、奥さんは第三子を妊娠されていた。

 

 それにも関わらず、私たちのために時間を割いてくれていた。

 厳しいけど良い先生だ。当時の自分は少なからず、そう思っていたに違いない。

 

 だが、私はその教師を吐くほど嫌いになった。


 それは、とある事件が原因である。


 その教師は、よく綺麗ごとを口にしていた。


 念ずれば花開く、だとか。

 人として成長しろ、だとか。

 感謝の心を忘れるな、だとか。


 少年漫画にありがちな情熱的かつ綺麗な言葉。今となっては、その教師が言っていた光景を思い出す度に、気持ち悪くなる。


 しかし、当時まだ、世に蔓延る男女の性欲を知らないほどに純粋だった私は、その言葉を言葉通りに受け取り、弱音を吐くことなく、日々練習に励んでいた。


 その甲斐もあってか、我々の学校は市大会を勝ち上がり、県大会へと出場することになる。

 

 その会場で事件は起こった。


 私たちの出番ではなく、他の選手の試合を見ていたときである。

 その教師から、私は名を呼ばれた。


「車にボールペンを置いてきてしまったから、取ってきてくれ」


 平たく言えば、パシリである。


 今思えば、生徒をパシリに使うこと自体異常なことだが、よくあることだったので感覚がマヒしていた。

 分かりました。と、はきはき返答し、手渡された車のカギを持って、私は駐車場まで走った。

 そして、鍵を開け、実際に探そうとなったときに気が付いた。

 

 どこにあるか、聞いていない。

 

 運転席にあるのか、将又、後部座席にあるのか。

 全く予想ができなかった。

 しかし、また戻るのは面倒。

 

 仕方なく、私は、後部座席からボールペンを探し始めた。

 しかし、後部座席には見当たらない。そして、助手席を探したが見つからない。

 

 そして、運転席を探していたその時であった。

 

 徐に開けた小さなボックスから、複数個連なった正方形の包装パックができた。

 

 コンドームであった。

 

 二つほど封は切られていた、と記憶している。


 その瞬間は、疑問が止めどなく溢れ出して、嫌悪感を抱く暇もなかった。


 どうして、こんなものがあるのか。

 え、娘さんがいるのでは?

 不倫? カーセックスで?

 見てはいけないものを見てしまった?


 私は、コンドームをボックスへと戻し、見なかったことにした。

 再び、ボールペンを探し、見つけ出して、私は先生に渡した。

 

 その日が終わった。

 そして、次の日が終わり、学期が終わった。

 

 が、その記憶だけは風呂場のカビのように、私の脳内に残り続けた。

 

 気持ち悪い。

 と、時間が経つごとに、自分の中の嫌悪感は強くなっていった。

 

 勝てると信じないと勝てないぞ!

 と、言われても、全く心に響かない。

 

 最後は気持ちの勝負だぞ!

 と、言われても、「まぁ、でも、こいつは不倫カーセックスしているしな」と、どこかで自分は冷めていた。

 

 そして、私はその部活を止めた。

 

 最後、私はその教師に「お前は破滅の道を歩む」と吐き捨てられた。

 

 なんだ、それは。それはお前が進む道だろうが。

 あぁ、気持ちが悪い。

 

 私は、本当に不愉快になり、その教師を吐くほど嫌いになった。

 

 後々、同じ部活の面々に聞けば、合宿中で私たちが勉強をしている間、酒を飲んでいたり、言うことを聞かない生徒に馬乗りになって殴り、「こんなもの、もみ消せるからな!」と言っていたそうである。

 

 もしかして、練習時間が長かったのも、不倫するための口実になっていたからなのかもしれない。

 そう考えると、反吐が出る。

 

 幸い、私は、今も破滅の道を歩まず、こうして筆を執ることができている。

 だから、やめてよかったと心底思っている。

 


 この話はこれで終わる。

 

 この経験を通じて、読者諸賢の皆様に、何か言いたかったわけではない。

 

 が、教師というものは全員が全員、優れているわけではない、とだけは言っておく。

 中には根が腐ったゴミのような教師もいる。

 信じれば信じるほど、裏切られたときのダメージは大きい。

 人によってはトラウマとなって心に残り続ける癒えぬ傷となるかもしれない。


 だいたい、教師なんてものは、そもそも信頼しない方がよい。


 学校を出れば、赤の他人だ。


「だれだれ先生のおかげで」だとか、「先生がいなかったら」とか、平然と口から発している馬鹿を見かけたが、吐き気を催すよ。


 単に、仕事でやっていただけ。

 貴方にとっては一人かもしれないが、向かうからすれば、多くのうちの一人でしかない。

 

 感謝だとか、信頼だとか、そういった感情は教師に向けるだけ無駄。

 上手く利用してやろう、とくらいに思っておいて丁度良いのである。

 

 と、最後に、私は注記しておこう。


以上のような、経験をして学生生活がどんどんあらぬ方向へと進んでいったのが、私です。

共感してくれるという方は、ぜひともブックマーク並びに感想をよろしくお願いします。


あと、そんな私が書いた小説にも、目を通していただけると幸いかと存じます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ