388 防御特訓1
「それで防御って、どうやって鍛えるの?」
「まずは盾を使った防ぎ方を学びます。防ぎ方は大まかに2種類あって、受け止めるのと、受け流すになります。」
「どう違うの?」
「受け止めるのは、相手の攻撃を完全に停止、または弾き飛ばすことで相手の態勢を崩します。
えっとルナさん、俺に攻撃して貰っても良いですか?」
「了解~、思いっきり行くからね!」
「どうぞ。」
俺が返事をすると、ルナさんが思いっきり振りかぶってから振り下ろしてきた。本当に遠慮しないみたいだな。
まぁ、そんな見え見えの大振りの攻撃だと、防ぐのは楽勝だ。
ガイン!
俺が思いっきりメイスを叩きつけられたのを防ぐと同時に、はじき返してみた。
ルナさんがバンザイした格好になったので、すかさず近づいて殴る直前で寸止めをした。
「こんな感じですね。」
「なるほどね。よく理解できたよ。」
「ただ、この防ぎ方には欠点が有って、力が相手より弱かった場合は、逆にこっちの態勢が崩されるんだよね。
ルナさん、ちょっと盾を構えて貰って良いですか?」
「こう?」
ルナさんが盾を構えたので、そこに向けて思いっきりショートソードを叩きつけた。
ドカッ!
「きゃああぁぁ~~~!!」
力負けしたルナさんが、吹き飛ばされて尻もちを突いた。STRが88なのは伊達じゃないぜ!
「いったぁ~い!」
少し涙目でこちらを睨んでいたが、これも経験だ。諦めてもらおう。
「と、まぁ、こんな感じになる訳だな。」
「分かったけど、酷くない?」
「百聞は一見に如かずって言葉もあるくらいだし、体験した方が早いでしょ。」
「そうだけどさぁ~」
「次に受け流しな。今度はサリーさんが攻撃して見て。」
「うん、わかった。」
先ほどのルナさんとは違って、コンパクトに素早く叩きつけてきた。
ガッ!
俺は盾の面を斜めにズラして攻撃を逸らした。
ドカッ!
そしてその攻撃は、そのまま地面を叩きつけたのだった。
すかさず俺は攻撃を繰り出し、顔面の前で寸止めした。
「とまぁ、こんな感じかな。受け流しは少々技術が要るけど、力は受け止めるよりは小さくても対応は可能だ。こっちは追々覚えて行こうと思う。」
「「はい。」」
さてと、どんな感じにやろうかな。
「……まあこのくらいは教えても良いか。ゴーレム召喚!」
俺は練習場の土を利用してゴーレムを2体作り出し、武器は土を固めた棒状の石を握らせた。
「ゴーレム!?」
「これってシュウ君の魔法?」
「2人も盾を構えて。最初はゆっくりやるから、盾の位置を確認しながらしっかりと受けてくれ。」
「「はい!」」
俺はゴーレムにAGIが10のスピードで、色んな角度からランダムに攻撃するように命令した。攻撃力もSTRで10程度にした。
カン、カン、カン……
2人もゆっくりの攻撃のため、難なく盾で防いでいた。うん、この程度なら何の問題も無いな。
「少しスピードを上げるぞ。」
俺はAGIを11に変更した。
カン、カン、カン……
問題が無ければAGIを徐々に上げていくを繰り返して行く。
カン、カン、カン……ガッ!
「くっ!」
AGIが20を超えた辺りになってから、少しづつ被弾するようになってきた。しばらくはこの速度で慣らすのが良いだろう。
「そこまで。」
俺はゴーレムを停止させると、2人は地面へと座り込んでしまった。
「つ、疲れたぁ~」
「良い訓練だった。」
「一応言っておくけど、今の速度は魔法職か重戦士のレベル10程度の早さだからね? 軽戦士やスカウト系ならこの1.5倍から2倍は早いから。
そう言うことだから、2人にはAGIが50程度の速度まで慣れてもらおうと思う。」
「え~!!」
「無理。」
「無理じゃない。その速さで大丈夫なら、今回の新人達の速度には十分に対応できるから。」
「「は~い。」」
休憩後も特訓は続いたが、今日のところはAGIが30までしか対応出来なかったとだけ言っておく。
「お疲れ様でした。当初に比べるとずいぶんと防げるようになったよね。」
「おかげさまでね!」
「でも、徐々に慣らしてくれたからこそ対応できた訳だしね。だからルナ、そんな怒った言い方をしたら失礼だよ?」
「うぅ~分かってるわよ。ありがとね。」
「明日も続きをするから、効率よく盾を動かせるように練習しておくと良いかも。」
「はいはい。頑張りますよ~」
「もう、ルナったら。私も頑張るからね。」
さてと、こっちは今日のところは終わりだが、ゴンゾーさんの方はどんな感じかな?
「・・・・」
ロイドさんとトールさんが伸びて地面に倒れているのが見えた。
「シュウ君の特訓で良かったかも。」
「うんうん。」
2人はブルリと震えていたのだった。




