386 総当たり戦2
「では、第2試合を開始する。ロイドとルナ、前へ。」
「「はい。」」
今度は魔法使いと僧侶の試合か。どうなることやら。
「では、始め!」
先ほどの試合と同様にルナさんが前に出るが、ロイドさんがファイヤーアローで反撃する……命中!
と思ったら、ファイヤーアローが飛散した。シールド魔法か。回復が得意だなだけであって、別に使えないとは言って無かったしな。
そうするとサリーさんの戦闘の時に何で使わなかったんだろう? 同じ光属性だからダメージが減るからとかかな?
そんなことを考えている内に、ルナさんがロイドさんの懐まで踏み込み、メイスで殴りつけて勝負は終了した。やっぱり魔法使いは近づかれると弱いんだな。
「次はトールとゴンゾー」
「「はい。」」
次の試合はトールさんとゴンゾーさんの試合だ。
「では、始め!」
勝負はあっさりと決着が着いた。先ほどと似たような試合展開だったが、一方的な展開だった。
そりゃあシールドが張れて、近接戦闘に特化しているゴンゾーさんだしね。近づかれたら終わるのは仕方が無いと思う。
「次はサリーとシュウ。」
「「はい。」」
俺の番だ。さて次はどう戦おうかな。正直言って女の子を傷付けるのは趣味じゃないんだけどな。
「では、始め!」
試合開始と同時にライトアローが飛んできたので魔力盾を展開して防御する。
連続して飛んできたが、全て魔力盾で防いだ。
「シールド? いえ、魔力盾よね。でも、何で壊れないの?」
俺に言われても知らんがな。
その後もライトアローを撃っていたが、突然手を上げた。
「負けました。」
「それまで!」
どうやら魔力が尽きたらしい。近接戦闘を行わなかったのは、先ほどのゴンゾーさんとの試合を見て敵わないと思ったからだろう。
まぁ、怪我をさせなくて良かったとだけ言っておく。
その後の試合は省略させてもらおう。ほぼ全て同じ様な試合展開にしかならなかったからだ。
そして全試合をした結果、1位が俺。2位がゴンゾーさん、3位がルナさん、4位がサリーさん、5位がトールさんで、最下位がロイドさんとなった。
「これで全試合が終了した訳だが、まぁ、本人も気が付いているとは思うので特に言わないが、各々欠点を無くすように努力が必要とだけ言っておこう。」
「「「「「「はい。」」」」」」
「ただ、シュウ。お前はまだ余裕が有りそうだし、色々と隠していることも多そうだ。どうだ? 私とも勝負してみるか? いや、勝負だ!」
「……はい。」
多分だが、上司の命令は絶対だ。きっと何を言っても断ることは出来ないのだろう。だったらさっさと受けた方が気持ち的にも楽だ。
俺は前に出ると、教官と向かい合った。
「私の使用する魔法は水魔法だ。こちらだけ知っていて教えないのもフェアじゃないからな。では、行くぞ!」
教官はてっきり魔法を使ってくるかと思ったが、剣を抜くと向かってきた。向こうが剣で戦うのなら、こっちも剣で戦うか。
俺も武器を構えると、教官を待ち受けることにした。
「ふんっ!」
教官の攻撃を避ける。さらに連続した攻撃してきたので、それも避ける。
ゴンゾーさんよりは強いみたいだが、避けられない速度では無いな。
その時、教官がニヤリと笑うと、顔の辺りに魔力反応が現れた。俺は咄嗟に避けようとした。
「もがっ!?」
何と、俺の顔が水の玉に塞がれたのだった。思ってた以上に魔法の発動が速い!
「貰った!」
一瞬慌てたとは言え、状況把握で周囲の状況は常に確認していたため、問題無く避けることが出来た。
しかし、水も一緒に移動してきたと言うことは、動きで取れる物では無いらしいと言うことが分かった。
「がぼごぼっ(どうすっかな)。」
飲み干すには水の量が多いし、このままだと窒息してしまうかもしれない。
風魔法で散らすにしても、風魔法を申請していないから使えない。使えるのは土と氷だから……あ、そうか!
俺は水を凍らせてから砕くことで脱出することが出来た。
「ふぅ~ ビックリした。」
「やるな! そう言う脱出方法も有るのか。勉強になる!」
教官は嬉しそうにそう言った。
それにしてもあの魔法は、ウォーターボールの発動前の待機状態なのだろう。水魔法には、そう言う使い方も有るのかと感心するのだった。
「それじゃ、こっちも反撃しますかね!」
「来い!」
俺はアイスアローを展開すると、オート射撃にて攻撃をしかけたのだが、教官は全て避けて見せた。マジか。
「攻撃が正確過ぎるぞ。これなら避けてくれと言っている様なものだ。」
なるほど、戦闘に慣れた人間が相手だとそうなるのか。だったら、これならどうだ!
俺は複数のアイスアローを展開し、時間差に寄る攻撃をしかけた。
「うはははっ、どうした! 当たらんぞ!!」
「くそっ!」
どうやら直線的な攻撃は避けられるみたいだ。だったらルイス騎士団長も捕らえることが出来た、この魔法だ!
俺は、教官の足元に対してアークシェイクを発動させた。教官は足元の魔力に反応して飛び上がってはみたが、着地場所も発動しているため、そのまま地面へと沈んで行った。
「くっ! な、何だこれは! 地面が揺れる!!」
そして、首だけとなった教官がそこに居たのだった。
「……俺の負けだ。」
こうして教官との戦闘は、俺の勝利で終わるのだった。




