384 入団試験5
「2次試験突破おめでとう。君たち47名は、仮となるが騎士団への入団が認められた。」
あれ? あれで合格が決まっちゃったの? 筆記試験とかは無し?
「今も言ったがあくまで仮入団だ。3ヶ月の新人研修の結果次第では、入団をお断りすることもあり得るとだけ覚えておいてくれ。」
「「「「「「はい!」」」」」」
「では今から手続きに入る。向こうの建物の中で書類を書いてもらう。合格者は向かってくれ。」
合格者がゾロゾロと建物の方へと移動していく。とりあえず目的が済んだので、俺も帰るとするか。
「おい、何処に行く! 合格者は向こうだぞ!」
「あ、いえ、あくまで試験合格が目的で有って、別に騎士団に入りたかった訳じゃないので帰ろうかと。」
「馬鹿なことを言うな。騎士団の入団は帝命だ。断ることは許されない。試験を受ける際に記入した書類に、そのことが書かれていたハズだが?」
「マジっすか。」
そう言えば何か書類を書いた記憶が有ったな。何か他に書いてあったが、全く読んでなかったのは俺のミスだ。
「……退団するのはどうすれば?」
「退団は戦闘が継続できない年齢か部位欠損が発生した時や、死亡した場合のみだ。後は例外として王命により退団する場合も有る。
そうそう、犯罪者になった場合も退団となるが、打ち首になるから関係ないか。」
「マジっすか。」
そんな話なら入団試験なんか受けるんじゃなかったよ。いっそのこと王国へと逃げるか!?
「何を迷う必要がある。騎士になれば高給取りで女性はより取り見取りだぞ?」
「別にお金には困って無いし、自由が無くなるのはちょっと……」
「先ほどの理由以外で逃げた場合は、犯罪者として指名手配され、例え別の国に逃げたとしても、何処までも追いかけられることになる。諦めるんだな。」
そう言って試験管はポンと俺の肩を叩くのだった。マジっすか……どんなブラックだよ……
俺はトボトボと建物へと向かい、入団の手続きをするのだった。
手続きが終了したので、とりあえず外に向かって歩いている最中に、ふと先ほどのことを思い出した。
「ん? そう言えば、さっき新人研修の結果次第では、入団をお断りするって言ってたな。だったら!」
「それは止めておいた方が良いよ。」
「うおっ! ビックリした。」
突然後ろから声を掛けられたので振り向くと、そこにはカルロスさんが立っていた。
「あっ、カルロスさん、合格おめでとうございます。」
「ありがとう。君も合格おめでとう。」
「あ、ありがとうございます。それでさっき言ってた、止めた方が良いってのはどうしてですか?」
「それはだね、犯罪者として処理されるからだね。逆に言えば犯罪を起こさない限り、退団にはならいってことさ。」
「……マジっすか。」
仕方が無い。とりあえずは真面目に対応するとしますか。そして、いつか王命による退団に期待するしかないだろうな。
どういった内容で退団になるのかは分からないが、後で調べておこうと思う。
「何はともあれ、これで私と君は同僚だ。これからも宜しく。」
「はい。ヨロシクオネガイシマス……」
「元気出せ! 騎士になれば色々と融通されることも多いから、そう悪いものでも無いぞ。」
「はぁ。」
「じゃあ私はこれで帰るけれど、明日もちゃんと来るんだよ。」
「犯罪者にはなりたくないので来ますよ。」
「はははっ、それじゃまた明日。」
「はい。」
カルロスさんが帰って行ったので、俺も帰ることにした。
ダンジョン宿に帰った俺は、何もする気力が無くなったので、そのまま眠ることにした。
おやすみなさい。はぁ……




