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382 入団試験3


「では、試験を開始する前に説明をしておく。

 最初の1周はそのまま走って貰い、一番最後尾の人が1周した時点で、こちらに控えている騎士がスタートする。

 先ほども言ったが、この騎士に追いつかれた時点で失格となるため、死ぬ気で走る様に。」


「「「「「「はい!」」」」」」


「では開始する……前に、武器を装備していない人は、スタート時間を10数える間遅らせることとする。

 しっかりと見ているからな。持って無いにもかかわらず走り始めた人は、その時点で失格とする。」


「「「「「「え~~!!」」」」」」


「騎士が武器を持たなくてどうする。これはペナルティだと思ってくれて構わない。」



やっぱりそうなったか。武器を持ったままでよかったぜ。



「では試験を開始する。始め!」



試験管の合図と共に、武器を持った人達が走り始めた。


ドドドドドドド……


土ぼこりを上げて、少しでも前にと走って行く。



「やっぱり走りにくいな。」



最初はそのまま走ってみたのだが、荷物の重さ自体はは何とかなるのだが、成長による絶対的な足の長さによる不利と、体とほぼ同じ大きさの荷物によるバランスの悪さが影響して、戦闘集団から少しづつ離され始めていた。



「仕方が無いな。」



こんなところで落ちる訳には行かない。俺は荷物と盾と武器に対し、重力魔法を発動させるのだった。



「!? っととと、危なかった。」



急に重さが消えたことで、思わず転びそうになったが、何とか転ばずに踏みとどまることが出来た。一気に重さを減らしすぎたかもしれない。

とりあえずこれで問題は無くなったので、後は気兼ねなく走るだけとなった。

今の順位は80番目くらいなので、この順位を落とさない様に走っていればとりあえず合格は問題無いだろう。


最後の人が1周したので、騎士がスタートした。

この追いかける騎士は、魔法職と同じ荷物しか背負って無いが、甲冑をフル装備しているので条件は同じと言っておく。まぁ、背負ってない分動きやすいけどな。



「重さに慣れているのか、結構早いな。」



先頭集団より少しだけ早い速度で走っているので、追いつかれるのは時間の問題だろう。



「も、もう、だ、め……だ……」



後ろの方で走っていた人が脱落したみたいだ。ご愁傷様です。

それを見たからかは知らないが、続けざまに何人かの人も脱落していった。


5週目に入り、ようやく騎士が最後尾に追いついたみたいだ。

この時点で脱落者は10人を超えていたので、残り40人だ。そして、次々と追いつかれて脱落していく……このペースだと、そろそろ終わりかな?



「そこまで!」



試験管の合図で1次試験は終了した。もちろん合格である。

後ろを見ると5人程しか居なかったので、順位を間違っていたみたいだ。危なかったぜ。



「お、お前、す、凄いな……」



最後まで隣で走っていた男性が、息も絶え絶えに話しかけてきた。



「そういう貴方も凄いじゃ無いですか。」


「こ、これでも、鍛え、てたんだが……い、息も、切れ、切れてないって、どんな体力してるんだよ。」


「……内緒です。」



さすがに不自然かもしれなかったな。次からは気を付けようと思う。

少し休んだことで呼吸が戻ったらしく、再び話しかけてきた。



「俺はトムって言うんだ。宜しくな。」


「シュウです。」


「シュウは何で騎士になろうとしたんだ? 俺はお金を稼いで家族を養うためって理由もあるが、人々を守る仕事がしたかったんだ。」


「そうなんですね。立派な心掛けで凄いです。それに比べて俺は……」



単に見返すためだけに受験したとは言いにくい。何て言おうかな。



「何か事情がありそうだな。悪い余計なことを聞いちまったな。忘れてくれ。」


「すいません。」


「まぁ、何にせよ俺達はライバルだ。負けねーからな。」


「こちらこそ。」



俺はトムと握手をするのだった。



「では2次試験を開始する。次は実際に戦ってもらうため、心してかかる様に。」


「「「「「「はい!」」」」」」


「先ほどの走りの順番で10列に並べ。1番から10番が先頭で、11番から20番が2列目って感じに並ぶんだ。」



言われた通りに列に並ぶ。俺は95番目だから、5列目だ。

全員が並び終わると、再び説明が続けられた。



「その列に並んだ人達によるバトルロイヤル形式で戦闘をしてもらう。

 勝ち残った5名が次の最終試験への合格者とする。」



なるほど、次は人数減らしのバトルロイヤルか。ありがちな展開だが、強い人だけを絞り込むには良いやり方だと思う。

まぁ、強い人を集団で倒してしまう番狂わせが起こる可能性も有るが、そればっかりは運だろうな。


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