202 専用武器が出来ました
さて、見張りついでに武器の製作を行いますかね。
これまで色々と邪魔をされてたからな。
ロマン武器は作り方が全く分からないから諦めるとして、小太刀2振を作るのは確定として、後は材料を何で作るかだ。
今、持っている物で、武器に使えそうなのは、木材、石、鉄、銅、銀、金、ミスリルが有る。まぁ、木材、石材以外は例のゴミ屋敷のだけどな。
後で返す必要があるかもしれないのも有るが、ミスリルや金、銀で作ると目立ちそうだから、とりあえず使わせてもらうのなら無難な鉄だろうな。
鉄を使うのが決まったので、後は形状だな。
今まで使っていた刺身包丁は、反りの入っていない直刃だ。俺が求めるのは刀なのでこれは却下だ。
とは言っても俺は刀を漫画やアニメ、後はドラマでしか見たことが無い。実物となったら、せいぜいお祭りとかで見かけるおもちゃの刀程度だ。
「……考えても仕方が無いし、とりあえず作ってみてから考えてみよう。」
使用する鉄の量は片手で振っても問題無い重さじゃないと扱えない。とりあえず500gの鉄の棒を作って振ってみた。
「軽いな。」
次に1kgで同じ様に振ってみる。
「んー、気持ちもうちょい重さが欲しいかな?」
なら次は2kgにしてみた。
「振れなくは無いが、これだとちょっとだけ重いな。」
⒈5kgに変更して振ってみた。
「うん。このくらいが丁度良いな。」
重さが決まったので、次は記憶を頼りに刀の形状に形成してみた。
完成した刀を、ウルフの肉を使って試し切りをしてみた。
「う~ん、何か違うな……」
切れることは切れるのだが、何となくだが、切るというよりは叩きつけている感覚だ。
試しに刺身包丁にしてみてから同じ様に切ってみたが、同じ結果になっていた。
「……そう言えば、ランクアップ試験の時にしか武器を使ったことが無かったから気が付かなかったな。」
刺身を作る際に、切る感覚と、今の切り付けた感覚は全然違う感じだった。何が違うのだろうか……
「そうか! 刺身の時は刺身包丁を引きながら切るんだっけ。」
用は切りながら刃を滑らせる必要が有るってことだ。じゃあどうやったら滑らせられるのかになるのだが、対象に当てた瞬間に引く必要が有る。
「いや、そんな器用なこと無理だろ。」
止まっているならまだしも、動いている対象にそれを行うのは困難だと思われる。ならどうすれば良いのだろうか。
「あれ? よくよく思い出してみると、刀の刃ってこんな形だっけか?」
今俺が作った刀は、刺身包丁の先っぽが丸くなっている形だ。漫画やアニメとかではよく見かける形状だ。
時代劇とかで見かける刀はどうだった? 何となくだけど刃全体が丸みを帯びていたような気がするな。
「そうか! そう言うことか!!」
刃に丸みを帯びていれば、腕の振りの微妙な動きでも刃が滑ることになる。なるほど、よく考えて作られているな。
色々と試行錯誤をした結果、満足できる形にすることが出来たのだった。
切れ味を重視するため、刃は薄くした。薄くしたお陰で、刃が欠けやすくなったが、錬金術で元に戻るのでその辺は気にする必要は無い。
「ただ、どうしても強度的に不安が残るよな……」
横から叩かれたら一発で曲がるし、刃同士で競り合っても、相手の武器を切れない限りは負けるだろう。
かと言って太くすると、重量が重くなってしまう関係上、どうしても使い勝手が悪くなってしまう。
「オリハルコンでも有れば良いんだけどなぁ~」
ファンタジー金属だが、ミスリルが有るんだし、もしかしたらこの世界には有るのかもしれない。探してみるのも一興かもしれないな。
「案外その辺で見つかったりしてな。例えばそこに落ちている石とか……ははっ、そんな訳無いよな。」
俺はそこに落ちていた黒い石を手に取ると、鑑定してみることにした。
-----------------------------------------
【オリハルコンの鉱石】
この世で一番硬い鉱石、熱にも衝撃にも強いため、加工することは出来ない。
-----------------------------------------
「ブ~~~~~!!!(本日2回目) げほっ、げほっ、げほっ……マジかよ……」
本当にオリハルコンだった。よくよく見ると同じ鉱石があちこちにゴロゴロと転がっていた。
「……とりあえず回収しておくか。」
目についたオリハルコンは全て回収しておいた。これだけでもずいぶんな量だな。
「それにしても何でこんなところにオリハルコンなんて落ちていたんだ?」
考えても分からないし、明日の朝にでもフィーネにでも聞いてみることにしよう。
さて、念願の(?)オリハルコンも手に入ったことだし、早速武器を作ることにした。
ふと、鑑定結果に硬くて加工できないって書いてあったが、錬金術でも無理なのだろうか……試しに変形させて……あ、出来たわ(笑)
問題無いことが分かったので、先ほどと同じ分量で刀を作ってみたのだが、どうやら鉄と比較するとオリハルコンの重量は重いらしい。
どうせ折れないんだったら、とことん薄くして軽量化してやる! 限界に挑戦だ!!
「と言う訳で完成したのがこの刀になります。」
誰に言っているんだ? とツッコミが無いのが寂しいが、とりあえず完成したので紹介することにしよう。
まず、刃の長さは予定より長くして1mだ。これは軽くなったお陰で支障なく振れるようになったからだ。
もっと長くしても重さ的には問題無かったが、扱いづらくなりそうなのでこの長さで止めておいた。
そして、何と言っても、向こう側が透けて見えるほどの薄さに好評のあるこの美しい刃だ。見た目にも素晴らしいの一言だ。実際透けているしな。
だが頑丈だ。高熱で炙っても、土魔法で思いっきり横から叩きつけても全くビクともしないのには驚いた。
そして、副次効果と言うか、薄くしたことでかなりの切れ味になったのは正直嬉しかった。
岩だろうが鉄だろうがスパスパと切れてしまったのは正直驚いた。ミスリルも、豆腐から野菜に変わった程度の多少の抵抗は有ったものの問題無く切れたのだった。
さすがにオリハルコン同士は切れなかったけどな。
持ち手の部分にも拘ってみた。普通の持ち手にしても良かったのだが、折角なので殴っても良しのメリケンサック状にしてみた。
まぁ、直接殴ることは無いとは思うが、指が掛かっているから、万が一弾かれた時に飛ばされることも無いだろうし。
こうして満足した刀が出来た俺は、見張り仕事へと戻るのだった。
いや、別に今までもサボってた訳じゃないよ? 途中で状況把握内に入ってきたウルフやゴブリンを、ちゃんと退治してたからな?




