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怪人勇者の更生譚  作者: メンデル
前日譚
4/8

前日譚4 波乱の始まり

怪人学の時間は退屈だ。

基本的に全ての授業が退屈だが怪人学は群を抜いてつまらない。


なにせ怪人である私がその怪人についての知識を教えられているのだ。

知っている事を延々と聞いているのだ,,,,退屈で仕方ない。

真面目に聞いている振りして別の事を考えていた。


「怪人には危険度を示すランク付けがされているわ!カガミ!全て答えなさい!」


ミソラ先生が急に私の名前を叫ぶ。聞いていないのがばれてたのか、苛ついた目を私に向けている。怪人のランク,,,,あぁ、あれか。


「全てで5つあり,,,,最下級が事件級、次に災害級でその上が破滅級、最上級ランクの魔法少女で対処できるのが地獄級,,,,全ての魔法少女が全員で戦なければ勝てないと思われるのが厄災級,,ですよね?」


そう私が言うとミソラ先生は少しムッとした表情をした後に言う。

「,,,,そうよ。ほとんどの怪人は事件級か災害級よ,,,,地獄級なんて指で数えれらる位よ,,,,さて皆に質問よ!現時点で厄災級に認定されている怪人全て答えられる人はいるかし「ハイハイハイハイ!!ボク答えられるよ!」


ミソラ先生の言葉を遮る元気のいい声がした。

声の主は早乙女さおとめ 転正てんしょう

見た目は完全に女子高生だがその正体はれっきとした男,,,,男の娘だ。

女の子ぽい声だが,,メイクしていたり、セーラー服を着ているが男だ。

男でありながら下手な魔法少女より多い魔力量と、珍しい光属性の魔法を使える点から特別に魔法少女科に所属している。


女の子っぽい見た目は生まれつきだが、別に女装や女の子の振りをするのは趣味では無く,,,,女の子だらけの環境に合わせて無理をしている。

魔法少女なのに男,,,,それに生まれつきの才能で魔法少女科に入って来た事を快く思わない連中がいるらしく、彼なりに思いついた解決策が女の子に成り切る事だったらしい,,,,本人からそう聞いた。


同じ男という事もあり向こうから私に近づいてきた,,,,人間の振りをしている身としては彼の苦痛はよく分かる。たぶんこのクラスで私と一番仲が良いのは彼だろう。


「早乙女さん,,,,遮ったのなら完璧に答えられるわね?」

気に食わなかったのかミソラ先生は、顔は笑っているが目が笑っていない。


「はいもちろん!!えっと,,,,【堕落女帝モーガン】と【星壊しのバベル】と,,,,これは,,,,【怪人ブローカー百面 あい】ですよね!!」

早乙女は教科書を見ながら自信満々そうに言う。

思わず変な声がでそうになる。

(ヒャクメン《《ソウ》》だ!漢字くらい読めろよ!!)

心の中で突っこむ,,,,早乙女はド天然だ。キャラ付けかと思ったが素のようだ。

どうやら教科書に書かれた百面相の読み方が分からなかったらしい,,,,少し悲しい。


「百面【ソウ】よ,,,,まあいいわ。星壊しのバベルは120年前に討伐されたようだわ,,,,けど残りの二体は未だに討伐されていないの。それにこの二体による被害は悪化している,,,,とくに百面相による怪人の増殖は大問題だわ。」

ミソラ先生はそう言いながら黒板に写真を二つ張る。


 一つ目はモーガン様の姿が写された写真だ。

背中には黒い翼と白い翼が生え、頭上には天使の輪のような物がある。

この姿のモーガン様は本気で戦っている時の姿だ,,,,モーガン様の周りは焦土になっていて、空は真っ赤に染まっており,,,,カメラ目線で狂気的な笑みを向けている。


 二つ目は装飾された青黒いタキシードにシルクハット、裏地が赤いマントに黒い革の手袋をした男が写された写真だ。

顔には仮面をつけている,,,その仮面は何も装飾されていない。真っ白なのっぺらぼうのような仮面だ。男の後ろには夜空と大きな月が写っている

,,,,これは私だ。正確には私が表舞台に出る時の姿だ。


「この二体の被害は悪化する一方よ。モーガンは存在が確認されてから今までに三回だけ姿を見せているわ,,,,三回とも大きな都市,,,二回目に至っては国そのものを襲っておりどれも壊滅級の被害と大量の死者を出しているわ。それに近年規模を拡大している犯罪組織のリーダーだと本人が明言しているわ。それともう一体の百面相は,,,,_」


モーガン様の説明の後に私の説明が始まる。

クラスの連中は真面目に聞いているが私は退屈だった。

当たり前だ,,,,自分の事なんか学んだったてつまらない。

私はまた真面目に聞く振りをして別の事を考えていた。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


ちなみに怪人に危険度ランクがあるように魔法少女にもランクがあり全てで5つ。


なりたてや見習いの魔法少女はブロンズ級。

ある程度の実力がでてきた者はシルバー級。

実力が認められ特別な試験をクリアした者はゴールド級。

破滅級の怪人を単身で倒す実力をもつ者をプラチナ級。

プラチナ級の中でも屈指の実力と正義の心を持つ者をダイヤ級としている。


これらは魔法少女をまとめる巨大な組織,,,,魔法少女協会が定めている。


第一少女学園の全生徒はシルバー級の資格をもっており,,,,百面相の通うクラスである二年一組は全員ゴールド以上で二人だけプラチナ級の魔法少女がいる。

ちなみにミソラ先生はダイヤ級の魔法少女だ。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


私が別の事を考えている内に授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。


「あら,,,今日はここまでね。ノートに書いた事を寮に戻って復習するように!カガミ!号令をしなさ「起立!気をつけ!礼!」

私はミソラ先生の言葉を遮り号令を終わらせる。

いちいち言わなくてもやるっての。


ミソラ先生が怒った顔で私を指さしながら叫ぶ。

「貴方ねえ!!遅刻したこと反省してるのかしら!?反省文増やす,,,,ッ!!??」


ミソラ先生が私に文句を言っているその時だった。

ミソラ先生が何かに気がつき驚く,,,,いやクラスの全員が驚いていた。


何か巨大なエネルギーを感じたのだ。それも教室の床からだ。

驚いて下を見るとそこには見た事のない模様をした魔法陣があった。


私も怪人の端くれだ。それに魔法少女と戦えば嫌でも魔法陣は目にする。

だがそんな私でも見た事がない模様をしていた。


魔法陣が白く光る。激しく光り、光は教室全体に一瞬で広がる。

「落ち着きなさい!教室の外に__」

「何だこれ!?おいこんなの__」

「ワワワ!?なんかのドッキr__」

「キャアアアアアアア!!??」

「,,,,,,,,_」


皆それぞれ驚きながらも、なにも出来ずに光に包まれる。

「クソ!!非常時t_」

私はいち早く異常を察知し、教室から抜け出そうとするが間に合わない。

他のクラスメイト同様に光に包まれてしまった。


光が消えるとそこには誰もいなかった。

開かれたままの教科書やノート,,,,椅子や机は先程の騒動で少しずれている。

だがその教室にはだれ一人いなかった。

一瞬にして人が消えた教室の異常に、人々が気が付いたには数分後だった。


 








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