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ある日突然……  作者: ミイチ
2/6

エルフ

俺が景色に見蕩れボケーッと眺めて歩いていたらいたら、門番らしき人に止められた。


「アーサー様、そこの人間は?」


うおっ!?ビックリした。

ぬるっと横から出て来たのでボケーッとしていた俺はちょっとビックリしてしまった。


「黒髪黒眼……東の人ですか。」

「え?何言ってるんですか?にのまえさんは白髪赤眼―――ってあれぇ?黒髪黒眼?さっきまで白髪赤眼だったはず?」


え?

アーサーにそう言われ自分の前髪をピンッと手で伸ばし、自分の髪を見た。俺が持っていた髪の色は前の俺と同じような黒髪になっていた。


戻ってる?なぜだ?やっぱり俺の幻覚?いやでも母さんとアーサーは俺が白髪赤眼だって言ってたよな……


そこで俺は体の違和感に気付く。

さっきよりも匂いがしなくなり音も鮮明に聞こえな無くなってる気がするのは気のせい?


「んー?まあ良いわ。この人はにのまえさん……あの~下の名前って、」


アーサーが俺の名字を言ったところで困るような声でこちらに訪ねてきた。そういや言ってなかったけか。


めぐるだ。」

一廻にのまえめぐるさん。ちょっとの間ここで匿ってあげようと思って。」

「しかし―――」

「優しい人よ?」


ちょっと威圧的な態度で言う。


「……わかりました。」


渋々って言う様子で門番の人は横に動き、通してもらった。




◇ ◇ ◇ ◇




「なあアーサー。なんであの人あんなに警戒していたんだ?それに―――」


歩く俺達、いや俺に向く警戒しているような周りの人達からの目。

どうやら俺と言うよりかは、人を警戒しているように感じ取れた。


「すみませんね。不快な思いをさせてしまったのならすみません。」

「いや……」


やっぱり嫌いなんだ……と思いつつ俺は何故エルフの人達がこんなに人を嫌ってるのか考えていて、ふと思ったことがあった。


「なあ、この国って奴隷制度ってあったりする?」

「ありませんよ。()()()()、ですけど。」

「この国は?」

「ブリタニア王国の隣国にあたるローマ帝国では奴隷制度が採用されています。」


ほうほう


「ローマ帝国の奴隷には位階ランクがあります。零、壱、弐、参、肆、伍の五つの位階ランクに分かれており、零は価値なし。そこから順に上がっていき伍が最高ランクとなっています。」

「エルフは?」

「……伍です。」


なるほどねぇ。

それで誘拐が発生しているとか?


「そのせいで、一人でいるエルフを中心に誘拐が多発しているんです。」


やっぱり。


「エルフは目立つのは嫌いなのでいっつも人気ひとけの無い場所を歩いているんです。ほら私達目立つでしょ?」


アーサーは自分のとがっているエルフ耳をちょんちょんと指しそう言った。


「なので結構狙われるんですよね。そのためエルフの人達にはなるべく人がいるところを通って~って言ってるんですけど、なかなかそうもいきませんしね。」

「この事を国はわかっているのか?」

「……それがわかっているようなんです。」


え?承知の上で放置をしているのか?エルフ領と、なっていると言うことはエルフはこの国の中では結構上の立場だということになる。なのに何故?


「何故国は放置してるんだ?」

「多分、国の利益になるからではないかと私は思っています。」

「利益?」

「帝国でエルフが売れた売上金の30%が国に支払われているようなんです。」


は?そんなことがあるのか?


「それを国は受け取り、国内でのエルフの拉致を黙認している用なんです。それを知った先々代の領主は国に行き直訴じきそしたみたいなんですが、門前払いされたんだとか。それでも諦めなかった先々代は何度も何度も国に行き、とうとう十回を越えたところで先々代は帰ってこなかったそうなのです。」


帰ってこなかった……?


「そこで色々調べてた結果、先々代の死体が王都の森でズタズタに切り裂かれた状態で発見されたそうなのです。そこから元々警戒していた帝国人だけでは無くこの国の人達も信じなくなったってことだそうです。私も当時生きていたわけではないので詳細はわかりませんがね。」


なるほどねぇ。それは確かに人を嫌っても仕方が無いな。


「それ以来エルフ達は外交を一切しなっています。ここは一様エルフ領とされていますが、『一国家』として変わりないかと思います。」


へぇ。ここに入ってから人を見かけないと思っていたが……そう言う理由があったのか。だからエルフしかいないんだな。納得。


「まあ暗い話はここまでにしてここから何をするのか話しましょう!!」


アーサーはパンッと軽く手を叩き話を切り替えた。


「まずは私の家に行って、そこから町の案内を―――」

「ちょ、ちょちょちょ待て。お前の家に行く必要ある?」

「え?だって一さんどこに泊まるおつもりですか?私が言うのも何ですがエルフ達といると居心地が悪いと思いますよ?」

「確かに。」

「でしょ?だから私の家に行ってから町を案内です。」




◇ ◇ ◇ ◇




その後は雑談をしながらアーサーの家に向かっていた。道行く人々は俺に向けて警戒の眼差まなざしを隠そうともせず向けている。……もうすこし隠して貰えると助かるんだが、


俺はそのグッサグサと刺さる視線を頑張って無視をしアーサーとの話に集中した。


雑談に集中するとは変な話だがこうでもしないと俺のSAN値がピンチなのだ。絵文字が踊り出すほどに。



「さあ着きましたよ。ここが私の家です。」


俺は上を見上げアーサーのいった家を見たとき少し固まってしまった。


そこにあった家は想像以上の大きさの家だったのだ。


周りにある家は一本の巨大な木に十軒ほどの家が木を巻くように建てられていたが、アーサーの家はその木よりも一回りほどでかい木を丸々一本使って家になっていた。


家の形式も違い、木を巻くように家が出来ているのではなく中身をくり抜いて出来ているようだった。


木に家が出来ているのではなくて家が木の形をしている、と言う方がしっくりくるだろう。


ボケーッと眺めていたらまたもや門番らしき人が話し掛けてきた。


「アーサー様お帰りなさいませ!!…してそこの人間は誰ですか?」

「この人は一廻さん。しばらくの間ここで泊まることになっているからよろしくね。」

「……承知しました。」


またも渋々って様子で通してくれたが今回はすんなり通してもらえた。この人はそんなに嫌いじゃないのかな?年寄りだからてっきり「人間!!許すまじ!!」と、襲ってくると思ったがそんなことはなかったようだ。


アーサーの家に入ってからも視線の弾丸が浴びせられる。街の人よかましになったがやはり警戒をしているようだ。まあでも街よりかはましなのは使用人だからかな?でも少しの人―――主に男の人―――は街の人より鋭い、穴が開くような視線を向けていた。


「大丈夫か?俺殺されたりしないかな?」

「あー……それは何とも言えませんね。」


おい。


「大丈夫でしょう。私が言っておきます。大丈夫、なはずです。多分」


アーサーはずっと大丈夫、大丈夫と言いながら部屋へ案内をしてくれた。いや、めっちゃ怖いんだが……


「ここが一さんが泊まる部屋です。少し狭いですが……申し訳ありませんね。」


俺の部屋の第一印象はヒロスギィィィ!!だった。


その部屋は一軒家のリビングのように広い部屋く、しかもこんな広い部屋にクソでかいベットがドン!!と、おいてあるだけだった。


これで狭いって言うアーサーの部屋はどんだけ広い部屋なんだ、とは思ったがどうせくそ広いのは確定事項なのだわざわざ聞く必要もないだろう。


「今日は取り敢えず休んで明日、町を案内しますね。もう日も暮れてきましたし。」


それを聞いて俺は部屋の窓から外を見た。


「ああ。確かにな。」


確かにしっかりと日が暮れていた。


「ではお疲れ様でした。また明日。」

「おう。また明日。」


アーサーは少し微笑みながら挨拶をした。



◇ ◇ ◇ ◇



ダラダラと過ごしているといつの間にか完全に日が落ち、夜になっていた。


俺はベットに寝転びながら俺は今日あったことを思い出していた。


今日はいろんな事があったなぁ。異世界に来たり、エルフの美女に会ったり、すげー神秘的な町に来たり、エルフと奴隷の関係を聞いたり、ホントに色々あったな。あのミニブラックホールは結局何かはわからなかたっが、んー考えてもわからんし。

一旦保留で!!


そんな風に一日を振り返えり、そろそろ寝よっかなぁと、思っているとコンッコンッと部屋がノックが聞こえる。


「はい?今開けます。」


俺はこんな時間に誰だ?

迷惑だ、と思いつつガチャッと部屋の扉を開ける。


開けた扉の前に立っていたのはさっきみた門番の人だった。


「何かご用で?」

「貴方にお願いがあるのです。」


門番の人は神妙な顔付きでそう言った。

な、なんだ?ちょっと怖いんだが。


ゴクリと唾を飲み込み身構えながら言葉を発するのを待つ。


「貴方にはアーサー様の護衛をして欲しいのです。」


は?護衛?


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