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ファンタジーライフ  作者: 烏賊猫
5/10

05.最初の町

ネタ参考に色々やってたら2月だった。

投稿です。

 山を降りてきました。

 山の入口なのかな?ちょっとした石の塀と小さく質素な柵の扉がある場所だ。外国の田舎町にあるイメージだな、こういうの。

 しかし、まぁ、ゲーム内でチュートリアルだったとはいえ1時間以上は居過ぎたね。けれど、それだけの成果はもちろんあった。

 まず、私のレベルが4に上がった。これで3ステータスポイントをゲットだぜ。

 次に<杖術>と<採取>、<植物知識>がそれぞれレベルが2に上がって、合計で3スキルポイントをゲット。

 そして、採取したアイテムとドロップアイテムがこれ。


 ・球兎の肉×10

 ・球兎の毛×1

 ・球兎の皮×2

 ・球兎の骨×3

 ・スライムの核×12

 ・スライムの薬液×4

 ・スライムの消化液×1

 ・ヨモギ×25

 ・チユ草×23

 ・ポイズンリリィ×3

 ・マナ茸×2

 ・シイタケ×5


 あとは適当に拾った枝を21本と、途中で調理した焼いたボールラビットの肉を2個が加わる。ボールラビットの肉は弾力はほどほどに強くて、味は鳥のささ身に近かった。個人的にはとても美味しゅうございました。いろんな意味でほっくほくです。

「しかし、ガイドくん、長く付き合わせてしまってごめんね。」

「確かにぼくもこんなに長くなるとは思わなかったけど、お肉は美味しかったし、道中も楽しかったから、謝る事なんてないよ!むしろ、ありがとうね、ゲンジさん!」

 優しいなぁ、ガイドくん。

 もう、本当、説明も優しいし、反応も素直だし可愛いし……今後、人気投票が開催されたらガイドくんに投票する。絶対にだ。

「寂しいけれど、これでチュートリアルは終わりになるよ。お疲れ様でした!それで、ここで手に入れたアイテムの事もあるし、次は町に行くことをお勧めするよ。行き方は、この先に続いている道をずーっと真っ直ぐに進めばよくて、そこにはスプテという町があるよ!」

「山の上から見えた、海のある町の事かな?」

「そうだよ!この辺りでは一番大きい町で色んな施設があるから、きっと見るだけでも楽しいよ。」

 ふむ、いわゆる「はじまりのまち」ってやつかな?お勧めって言うから、行かなくても良いっぽいけれど、売れそうなアイテムは売っておきたいし、買っておきたい道具もあるから行ってみようか。

「せっかくだから行ってみるよ。それになにより、ガイドくんのお勧めだしね……そろそろ行こうかな。離れがたくなっちゃうからね。ありがとう、ガイドくん。とても助かったよ。」

「ぼくのお仕事だからね!でも、そう言ってくれると、ぼくも嬉しいよ。そうだ、これはぼくからの餞別!1万クラポ!これでしばらくの間の資金の足しにして。」

 そうガイドくんが言うと、私のインベントリ画面が開き、その画面右上に1万Cという数が足された。

 クラポと言うのはこのゲーム内で使われているお金の呼び方で、単位は1クラポで1円。1Cとも表記される。まあ、つまり、1万クラポは1万円なわけで……序盤では結構な額では……ありがたや。

「餞別とは言え、こんな大金……ありがとう。大事に使わせてもらうね。」

「良いんだよー!」

「それじゃあ……さようなら。元気でね。」

「うん、ゲンジさんも元気でね。サーン神の加護がありますように……さようなら!」


 会った時のように、さっと行っちゃったなぁ。まぁ、湿っぽいより良いか。

 ところで、サーン神って誰だろ。神様なんだろうけれど……後で調べるか。さて、それじゃあ、「スプテの町」目指して行きますか!

 :

 :

「ようこそ、スプテの町へ!お、爺さん門人ゲーターなんだな。ここまで来るの大変だっただろ?ゆっくりしてってくれよな!」

「お仕事お疲れ様です。ありがとう、そうしてみるよ。それじゃあ。」

「おう!じゃあな!」

 てってこ歩いて、検問も済ませて、着きました「スプテの町」!

 石畳に象牙色の家の壁、鮮やかな色の屋根、名前のわからない花壇の花、そして磯の香り。ヨーロッパの方だったかな、こんな感じの場所在ったよな。まあ、なんにしろ異国?異世界?情緒あふれる町並みだ。

 観光もしたくなるが、まずは、そうだな……やっぱり最初は冒険者ギルドに行きたいな。場所は人に聞いた方が早いか。

「もし、そこのお嬢さん。少しよろしいですか?」

「え……?あっ。あら、お爺さん!まあ、気付けなくてごめんなさい。何か御用かしら?」

<気配遮断>も「隠者の革靴」の効果も発動させてないから……単純にこの小ささで気付かれなかったんだろうな。この背丈にして正解だったな!ばれにくいのは私にとっては良い事だ。

「気付かれなかった事は気にしなくて良いですよ。この小ささですから。いや、私は門人でして、ここに来たのは今日が初めてなんです。それで、まずはこの町の冒険者ギルドに行こうと思ったのですが、道が分からず……申し訳ないのですが、教え貰えないでしょうか?」

「あら、ならちょうど良いわ!私、この町の冒険者ギルドで働いてて、今は買い出しから戻る所だったの。」

「おお、そうだったんですね。よろしければ、一緒に行っても?」

「良いですよ!じゃあ、行きましょ!」

 良いタイミングで良い人に会えて助かった。

 ギルド職員の彼女、エリサさんに案内されながら、あっという間に冒険者ギルドに着いた。というか、彼女と会った場所から2分とかからない場所にあった。そんなに近い場所だというのに、エリサさんすごい親切……優しい……ありがたい。

 ギルドの建物は入口の横に斧と剣が交差したマークが描かれた看板が下がっており、石造りの2階建てだ。そして、ギルドの横は訓練場となっているらしい。うっすらとだが、訓練する音が聞こえてくる。

「さあ、ここがプステの町の冒険者ギルドです!」

「親切にありがとうございます。助かりました。」

「ふふ、良いんですよ。これもまた、私達のお仕事ですから!さ、ここで立ち話もなんですから中へどうぞ。」

「それじゃあ、お邪魔します。」

 どうぞ、と言われ入ったギルドの中は、石で造られた建物ながら冷たさを感じさせない。所々に大小さまざまな観葉植物が置かれていたり、待合席には柔らかい色をした椅子が置かれており、いくつかある机にはそれぞれお鉢に入った焼き菓子がある……そして、冒険者でも何か用事があって来たような人じゃない人が数人、のんびりお茶している。良いのかどうかは置いておいて、どちらかと言うとアットホームな感じのするギルドだ。

「ゲンジさん、こちらへどうぞー。」

「ああ、はい。」

 おや、お爺さんが受付に行くなんて珍しいねぇ。そうだねぇ、元気な人なんだねぇ。なんて、のんびりとした会話を聞きながら受付に入ったエリサさんのもとに行く。

「それでは、ここに来る途中でもお話は聞きましたが、本日のご用件は「採取したものの買い取り」と「冒険者資格の発行・登録」でよろしいですか?」

 実は、このゲームには、いわゆるジョブシステムが無い。

 他のゲームであれば、何かしらのジョブに就くかなにかしてステータスに補正を入れるだろう。だが、このゲームにはそれが無いので、職業が冒険者なら職業:冒険者になるだけだ。フリーライフファンタジーの売りの一つとも言える。

 ただ、悪質な行為や違反行為の繰り返しを行ったプレイヤーには「ごろつき」や「詐欺師」などの職業に強制的に自動で就き、ゲーム内で犯罪者として扱われることもあるという。ある意味、唯一のステータス補正が入る職業だろう。マイナスだけれど。なので、もとよりそんな事をする気は無いが、気を付けようと思う。

 それで冒険者の資格発行だが、プレイヤーはデフォルトだと「旅行者」という扱いになる。職業なのに旅行者とはこれいかに。まあ、旅行と言う名の異世界調査隊の一人と言う立ち位置なのかもしれない。考察好きな人がその辺もう結論を出してるだろう。多分。

 まあ、とにかく「旅行者」だから、門人と分かっても、ある程度の保証はされるだろうが立場は弱い。ならば何か職に就いた方が良い。それで、束縛のあまりなさそうな冒険者になった方が良いだろうと、町に着くまで考えたわけだ。

「はい。それで今回はお願いします。」

「かしこまりました。それでは、先に冒険者資格の発行・登録をしますね。ゲンジさんは門人ですから、プレイヤーカードをお持ちですよね?それを出していただけますか?」

「プレイヤーカードをですか?分かりました。」

 さて、取り出したるは私のプレイヤーカード。

 それの中身を見せるように渡すと、エリサさんは透明な下敷きの様な物の上にカードを置く。すると、機械がスキャンする時の様な光が出た。照合するのに使うアイテムなのかな。下敷き(仮)をしまうと、次に持ち手の先に小ぶりな水晶の様なものが付いたハンコを取り出し、真っ白な朱肉……朱肉なのに真っ白と言うのもおかしいが白いんだから仕方ない。とりあえず、それにハンコを付け、活動許可マークの横に判を押された。すると、押された場所には剣と斧、そしてブーツ1足が描かれた紺色のマークがあった。不思議だ。

「はい、これで冒険者の資格と登録は完了です。」

「思ったより時間はかからないんですね。」

「いえ、本来なら資格の発行と登録にはもう少し時間がかかるんです。」

 エリサさん曰く、本来であれば資格を発行するのに身分証明書の確認・必要書類への記入・資格を与えるのに十分な人物かの確認・確認全てを終えてから資格の発行と冒険者登録となるらしい。時間にすると最低2時間。最高で3日かかるらしい。まあ、3日かかるようなのはかなりの問題児だそうだが。

 それで、何故あっさり終わったかと言うと、門人はプレイヤーカードがあるからだという。先程使われた透明な下敷き(仮)はマジックアイテムで「スキャンシート」と言うらしい。名前まんまの機能を持っていて、プレイヤーカードなどに入っている情報を読み取れるそうだ。そこから、冒険者の資格を得ても大丈夫か否かを見るそうだ。そして、大丈夫ならハンコを押す。

 ちなみに、門人はハンコで押されるが、この世界の住人はドッグタグの様なアイテムを渡されるそうだ……ちょっとそっちの方が良いなぁ。

 とりあえず、そういう訳で早かったという事だ。

 ついでに、資格の発行・登録は無料だ。そして、一度冒険者登録をすると、仮に何も依頼を受けなかったとしても1年は資格が保証されるとのこと。だが、資格を一度はく奪された人や紛失した人などは再取得・発行に費用が5000Cかかるそうで、再発行した人は何も依頼を受けなかった場合、3か月で資格はく奪になるとの事。

 気を付けよ。

「なるほど、そういう事でしたか。」

「はい。ちなみに、特殊なハンコで押されてますから、識別もちゃんと出来るんですよ。例えば、よそのギルドでゲンジさんはどこで冒険者登録をしたか確認すると、スプテのギルドで冒険者登録をしましたって、出るんです。」

「はー、凄いですねぇ。……そういえば、冒険者のランクと言うのはどうなっているんですか?」

 聞いてみると、冒険者のランクは5段階あり、内容は以下。

 最初はネイビーブルー。冒険初心者の色で、主に近場での採取や簡単な害獣駆除を行う。今の私はここになる。

 次はパープル。初心者から少し毛が生えたくらいの冒険者の色で、少し厄介な害獣駆除も行えるようになる。

 次はグリーン。中堅と言われる冒険者の色で、危険な場所の調査やモンスター退治を行えるようになる。

 次はオレンジ。熟練の冒険者の色で、重要人物の護衛や問題のある地域の調査・解決などを行えるようになる。

 最期は最高ランク。色はレッド。熟練の冒険者の中でもさらに上の冒険者の色で、危険地帯への単独行動が可能となり、各人の判断で各国要職に進言できるなど、かなりの権限が与えられるらしい。

 よくあるブロンズからゴールドまでの色だと思っていたら、内容は似たり寄ったりだけど、色がかなり違うのね。色に付いて聞いてみたら、この世界では冒険者は開拓者が下地にあるらしく、夜明けの太陽の色を階級の色に当てたそうだ。なるほどなぁ。

「門人の方で冒険者になった方々には馴染が無いらしくて、とても不思議がってましたね。」

「まあ、私も聞いて不思議でしたね。けれど、説明を聞いて、この世界ではそう言うものなのだな、と。」

「ご納得いただけたようで、なによりです。たまに、分かりずらい!色を変えろ!なんていう人も居たので……ささ、このお話はここまでにしましょう!次は買い取りになりますね。」

 そう言う人はどこでも居るもんだね。困ったもんだ。

 さて、買い取りになるけれど、これは羊皮紙に取引する物を記入し、アイテムをギルド職員に渡す。渡す際は、買い取り専用の袋を渡されて、その袋に入れてから渡すようになる。そして、ギルド職員がアイテムを確認し終えたら代金を受け取る。という流れが基本だそうだ。大物が居るとちょっと変わるらしい。この辺はアナログな感じなのね。

 で、今回買い取ってもらうのはこちら。


 ・球兎の肉×5

 ・スライムの核×6

 ・ヨモギ×15

 ・チユ草×13


 数がそこそこ取れたものだけ、売る事にした。後々何かに使えるんじゃないかと思うと、少ないアイテムって残したくなる。

「はい、では査定して参りますので、少々お待ちください。」

「よろしくお願いします。」

 待っている間どうしようかと思っていると、待合席に居たマダムやジェントルメン達にお呼ばれしたので、そこで茶をしばく事にした。会話が孫や体の不調、嫁や婿のお話が多く、別の意味で話に混ざり難かった。その中で、全身タイツ姿のプレイヤーが子ども達と遊んでいたというとても気になる話が出ていたが、査定が終わったので、気になりつつもお暇した。

「話が盛り上がっていた所すみません。」

「いえ、構いませんよ。それで、結果はどうなったんでしょう?」

「はい、査定結果ですが、一部を除いてどれも品質が良かったので、少し高めに買い取らせていただきます。」

 こちらがそれぞれのお値段になります。と紙を見せられた。


 ・球兎の肉×5

 5個の内2個─1つ250C

 5個の内3個─1つ150C

 合計─950C


 ・スライムの核×6

 1個─30C

 合計─180C


 ・ヨモギ×15

 1つ─25C

 合計─375C


 ・チユ草×13

 1つ─50C

 合計─650C


 買い取り合計価格─2,155C


 マスクデータみたいなので、良い品質になる狩り方や採取法があるのかも。しかし、結構良い収入になったな。

「こちらの内容でよろしければ、このまま代金引き渡しとなりますが、どうされますか?」

「この内容で大丈夫です。」

「はい、それではこちらが代金となります。良い素材をありがとうございました。またよろしくお願いしますね。」

 おお、袋に葉っぱ型のコインが入ってる。数字では見たけれど、クラポってこんな形してるんだなぁ。実物見るとお金を得た!って感じがするなぁ。ほくほく。

「こちらこそ、ありがとうございました。また、何かあったらよろしくお願いします。」

「いつでもお待ちしてます!あ、ギルド内に居れば、ですけれど。」

「はは、そうですね。……あ、そうだ。エリサさん、この町のマップってありますか?」

「はい、ありますよ。マップはこの町のもの・町周辺・国のもの・大陸と揃ってますよ。」

「それじゃあ、各種1つずつください。」

 こう、マップに自分で見つけたものとか採取場所とか、書いてみたいっていう。冒険者っぽいことしてみたいよね、形だけでも。

 本来なら全部で5000Cになる所を、全部買う人は余り居ないという事で、結構まけてもらって3000Cで購入できた。こんな優しい人に会うと、後が怖いわ。

「いやぁ、こんなにしてもらって……ありがとうございます。」

「いえいえ、これからのゲンジさんの活躍に期待、という事で!頑張ってくださいね!」

「まあ、ゆっくりやります。」


 元々の目的があるからね。でも、ゆっくり楽しんでやっていきましょう、冒険者。

 さて、ギルドでの用は、これで一段落。次は、旅の道具買いに行こうかな?

クラポは金のなる木の英名からぶつ切りで取ってつけた架空のお金。

ステータスにポイント振るのはいつになるんだ。


【Name】ゲンジ Lv.2→4

 HP:152/152

 MP:166/166

      (残りStP3)

【戦闘スキル】

<杖術─Lv.1>→<杖術─Lv.2>


【生産スキル】

<採取─Lv.1>→<採取─Lv.2>

<植物知識─Lv.1>→<植物知識─Lv.2>


【控えスキル】


     (残りSkP3)


【アイテム】

・球兎の肉×5

・球兎の毛×1

・球兎の皮×2

・球兎の骨×3

・スライムの核×6

・スライムの薬液×4

・スライムの消化液×1

・ヨモギ×10

・チユ草×10

・ポイズンリリィ×3

・マナ茸×2

・シイタケ×5

・枝×21

・ボールラビットの焼肉×2


【所持金】

9155クラポ

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