04.初戦闘してみました。
粘土はこねている時が個人的に一番楽しい(訳:設定練るのが楽しい)
お外に出てきました。
ここってちょっと高い山だったんだね。山の麓からちょっと先に町が見える。あの青いのは、あれ海かな?海。白い浜。きらめく太陽。海の家。焼きそば。かき氷……。
「さて、これからゲンジさんには戦闘をしてもらう事になるけれど、やり方を教えるね!」
おっと、いけないいけない。
ガイドくんの話聞かないと、やり方わからないで瀕死になるとか笑えない事になる。
まず、基本中の基本だけれど、敵を倒すには攻撃を当てて、HPを全部削る必要がある。自分のHPとMPは視界の右下で確認でき、敵のHPや名前は相手の頭上に表示される。ちなみに、設定であえて見えなくすることも可能だ。リアリティ求めるならこれだろう。
でだ、武器や魔法、時には素手やアイテムを駆使して削るのだけれど、敵には急所が存在する。ゲーム内だから急所に当たったら「きゅうしょにあたった!」って威力が倍になるわけでは無く、現実寄りで、急所に当たると運が良ければ一撃で倒せるんだそうだ。それはプレイヤー側にも言えることなので、こちらも注意しないといけない事だね。
それと、当たり前だが敵によって急所は変わるから、よっくと観察しないといけないねぇ。
「次は戦闘スキルの使い方かな。ゲンジさんは<杖術>を持っていたよね?まずは、それから説明しよう!」
「お願いするね。」
<杖術>というのは、そのまんま、杖を使って戦うスキルのことだ。そして、マーシャルアーツ、通称アーツがあり、それを発動させて攻撃する。
簡単に言うと、そういうスキルだ。
「戦闘スキルの発動は、攻撃をするって意志を持った上で使うスキルを意識すると、そのスキルで使えるアーツと一緒に視界に表示されるよ。ちなみに、見え方は違うけれど、生産スキルもそうやるとできるよ。あ、ちょうどよくそこにスライムがいるから、スライムを相手にスキルを使ってみよう!」
説明聞いている間に来てたみたいだね。
ゼリーみたいに半透明の身体に、緑色の核みたいなのを持った、ファンタジーでは定番のモンスター・スライムが初戦の相手か。
頑張ってみますか。
さて、さっきガイドくんに言われた通り意識してやってみたけど、あまり視界の邪魔にならない位置に出るんだね。視界に出るっていうから全面かと思ったよ。
それでだ。
私が取得したスキル<杖術─Lv.1>では「突き」「薙ぎ」「払い」の計3つのアーツがある。
どれを使ってみようか……ある意味、なじみのある「突き」を最初に使ってみよう。
ふむ、動作サポートもあるんだね。ムーンウッドの杖を構えて、スライムを一突き!……うーん、ゼリーやプリンみたいな感触!手応えが余り無い!スライムも平然とプルプルしてる。でも、こんな感じでやれるんだなぁ。ふむ、動作サポートはちょっと違和感あるから後で切るか。動きは自分で覚えよう。そうしよう。
「問題無く動けてるようだね。その調子でスライムを倒してみよう!」
「そういえば、ガイドくん少し良いかな?」
「良いよ!なにかな、ゲンジさん?」
「生産スキルにはなるんだけれど、私は<生物知識─Lv.1>を持っているんだ。それでスライムに使ってみたんだけれど、情報が見れないんだ。これってどうしてなんだい?」
「ああ、それはスキルが<生物知識>だからだよ。スライムは分類すると魔物になるんだ。名前とHPは誰でも見れるようになっているんだけれど、細かい情報……例えば弱点属性とか棲息地とかを見ようと思ったらスキル<魔物知識>が必要になるんだよ。」
「なるほど、それで見れなかったんだね。」
そうかぁ、魔物は魔物で別の知識スキルが必要なんだね。見れないわけだ。そうなると、戦闘は<回避>で、生産は<魔物知識>を次に習得しようかな。
さて、謎は解けたし、スライムを倒してみよう。
とりあえず、もう一度「突き」を放ってみる。ブジュッて音を立てながら貫通はするんだけれど、効いて無いよなぁ。HPに変動無いし。
お、遅いけど突っ込んできた。「払い」を使ってみるか。なんとなく剣道の払い落しに似てるな。物理効かなそうなスライムにこれ効いて良かった。ふむ、「払い」はパリィに近い扱いなのかな?だから効いたのかも。
さて、次はまだ使ってない「薙ぎ」を使ってみようか。……おっ?反応が今までと違うな。緑色の核みたいなのに掠ったら嫌がった様な……HPも少しだけれど削れている。もう一度、今度は核(仮)に当たる様に意識して「薙ぎ」を使ってみよう。……うん、確定だ。あれはスライムの核で弱点だ!結構削れたぞ。
スライムの動きが鈍いのは助かる。突っ込んできたからもう一度「払い」。狙いをよっくと定めて……「突き」!急所である核にダメージを与えた事でHPは0になって、スライムはポリゴンとなって消滅。うむ、動きを確認するには良い相手であった。経験値とドロップアイテムゲットだぜ。
《プレイヤー:ゲンジのレベルが2になりました。ステータスポイントを1入手しました。》
パパーっていう陽気なラッパの音と一緒にアナウンスキター!
ほほう、1レベル上がるごとにStP1貰えるのね。そうなると、スキルポイントも入手方法は同じだろうな……次に入手するスキルは決めてるのに、そのSkP入手方法わかってなかったのには、我が事ながら呆れるね!
「初戦闘お疲れ様!なかなか良い動きだったよ!今スライムを倒した事で入手したアイテムは、自動でインベントリに入るようになっているから見てみてね。後、ゲンジさんのレベルが2になったようだけれど、すぐにStP振る?」
「ありがとう、ガイドくん。うーん、StPは後でゆっくり振ってみるよ。」
ドロップアイテムの処理はそうなるのか。アイテムが何も無いから単純に落ちなかったのかと思った。
さて、じゃあ次はドロップアイテム確認してみようか。せっかくだし、ウェストポーチから開けて見てみよう。取り出したいものを、大まかにでも意識すれば取り出せるのか。どれどれ。
・スライムの核
・スライムの薬液
取り出したるはこれらだ。
モノによるんだろうけれど、これはアイテム化すると瓶詰めされるんだね。緑色の核と、ジェル状の半透明のものがそれぞれ入っている。核はわかるんだけれど……薬液かぁ。錬金とか調薬とかそういうのに使うのかな?
確認したし、しまおう。
「確認できたかな?そうしたら、今度は魔法を使ってみよう!ゲンジさんは土魔法と火魔法を持っていたよね?」
「うん、その2つで間違いないよ。」
「じゃあね、相手になりそうなのも今は周りに居ないし…土魔法を使ってみよう!」
魔法の出し方はさっきと同じやり方で選択、今度はアーツでは無く、魔法の名前を言って発動するんだそうだ。
ふむ、魔法は最初1つしか使えるの無いんだね。
お、カーソルみたいに半透明の魔法陣が出たな。発動場所はこれで指定するのか……射程距離は0m~5mってところかな?とりあえず、私から50cm離れた所に出してみよう。ゲーム内とはいえ、初めて魔法を唱えるんだなぁ。わくわくするなぁ。
ちょっと格好つけて、杖構えて……。
「クリエイトソイル!」
発動!
………。
……えーと。
土がポコッと出た。
けど、え、これだけなの?エフェクトもちょっとだけぽわっと光っただけで地味だし、その割にMPは結構持ってかれたんだが!?あ、手触り良い土……。
「うまく発動で来たね!ちゃんと土ができてるよ!」
「えっと、土魔法とはいえ、もう少し派手だと思っていたんだけれど……と言うか、結構MP使うんだね?」
「初級魔法だから、そんなに派手にはならないよ。HPの消費量は鍛えていったり、魔力操作とか覚えたりすれば抑えられるようにはなるんだけれど……実は、基礎魔法の火魔法・水魔法・土魔法・光魔法・闇魔法の中で土魔法が一番燃費が悪いんだよね。」
ため息吐きながらガイドくんが教えてくれました。
なんでも、世界観や設定に凝っていった結果、土魔法で発動する魔法は、初級魔法でも燃費が悪い魔法となってしまったんだそうだ。
そのせいで取得したは良いけれど、プレイヤーの間では不人気の魔法になっているらしい。この世界の住人でも、種族柄取得しているもの以外だと農民くらいらしい。
しかし、デメリットは結構あるけれど、その代わりと言って良いのか、他の魔法よりは汎用性は高めなんだとか。
……まあ、なんです、少しだけ土魔法取得したの後悔したけれど、後々MP消費量も減るっていうし、うん、頑張って使ってってみようかな。使いにくいったって、やりようだろう。ポジティブに行こう。
「扱い難い魔法みたいだけれど、頑張って使っていってみるよ。せっかく取ったんだしね。」
「本当っ?ぜひ使っていって!きっと役に立つから!」
運営側の悲しみを見たような気がする。リリース前からバランス調整より譲れない何かがあったんだろうなぁ。
おじいちゃん、頑張って使いこなせるようになるよ。
「それじゃあ、山のふもと目指して移動しよう!その間に他のスキルを試してみよう。」
ということで、移動です。
試すのは何が良いかなぁ。魔物が出たら<火魔法>を試してみたいけれど、歩いている間はどうしよう……あ、<植物知識>と<採取>が使えるわ。
まずは<植物知識─Lv.1>を意識して……見覚えはあるけれど、目についた草の情報見てみようかな。どれどれ……。
◆チユ草
薬草として使われる野草。とても苦く、そのままでは食べられない。
◆ヨモギ
食用や薬として使われる野草。独特な香りがある。
レベル低いからかな、説明が簡潔だね。
しかし、全部ヨモギかと思ったけれどチユ草っていう薬草も混じっていたか。ああ、でもよく見るとヨモギより青っぽいかも。とりあえず、これ摘んでおいた方が後々良いかも。薬草だしね。
んでは早速<採取─Lv.1>を意識して、少しばかり頂いていきますよ。ぽぽいっとポーチに入れて、と。
うさぎさんこんにちわ。
「うぉおおあ!?」
思わず後ずさっちゃったよ!驚いたなぁ!
ウサギ……ウサギ?も驚いたのか固まってる。しかし、ガイドくんも丸いけれど、このウサギもとても丸いな。名前は……ボールラビットってまんまだな。
あ、<生物知識─Lv.1>で見れる。今の内に見てみよう。
◆ボールラビット
ボールのように丸いウサギ。食肉としてよく使用される。
食えるのか。
「ボールラビットだね。結構おいしいんだよ、彼等。特にもも肉が美味しいんだ!」
ガイドくんが捕食者の目をしてらっしゃる。その見た目で肉食系なのね……フクロウは元から肉食か。
とりあえず、食えるというなら狩ろうか。食料食料。
さっきは格好つけて杖使ったけど、発動位置を指定する時、意外に便利な事に気付いた。だから杖を構えるんです。
<火魔法>を意識して、ボールラビットに魔法発動位置を指定。
「リトルファイア!」
発動!
思いの外よく燃える……。マッチ程度の火が着いたと思ったら、一気に燃えだしたよ。火魔法は燃費は良いようだけれど、おっかない魔法だね。扱いには注意しよう。
何があってもいい様に身構えつつ見てたら、ボールラビットは何もできないまま上手に焼けました。さっきのスライム同様、ポリゴンになって消滅……ついでに、良い匂いとは言い難い匂いも消滅した。呆気なかったな。
「こんがり焼けたね!」
「ガイドくんっょぃ。」
こんがり焼けたで済ませていいんだろうか……いや、気にしたら負けだ。食べるという事は相手の命を頂く事なんだから。うん。そういうことで。さて、ドロップアイテムはなにかな。
・球兎の肉
・球兎の骨
今度は瓶詰めじゃなくて、笹の葉みたいなのに包まれてる状態でお肉ゲットだぜ。骨はそのままか。何に使うんだろ。出汁に使えるのかな?
「お肉美味しそ……んっんー、良い感じで戦闘で来てるよ!採取もできてるようだし、この調子で降りていこう!」
「うん、後で一緒に食べようか。」
休憩しながら行っても良いでしょ。スキル<料理>も試せるしね。
さーて、今度は動作サポート切って戦闘をやっていってみようか。ガイドくんには、もう少しだけお付き合いしていただきましょう。頑張るぞー。
【Name】ゲンジ Lv.2
HP:152/152
MP:166/166
【Status】
物理攻撃力──15
物理防御力──10
魔法攻撃力──18(+3)
魔法防御力──16(+6)
敏捷値 ──25
器用値 ──15
(残りStP1)
【戦闘スキル】
<杖術─Lv.1>
マーシャルアーツ──突き・薙ぎ・払い
<火魔法─Lv.1>
魔法名──リトルファイア
<土魔法─Lv.1>
魔法名──クリエイトソイル
<気配遮断─Lv.1>
<気配察知─Lv.1>
【生産スキル】
<釣り─Lv.1><採取─Lv.1><生物知識─Lv.1><植物知識─Lv.1><料理─Lv.1>
【控えスキル】
(残りSkP0)
【装備】
【装備】
頭:隠者の頭巾 ─◆効果:知識系スキルにプラス補正・小を付与。/魔法攻撃力+2
胴:隠者のローブ─◆効果:スキル<気配遮断>にプラス補正・中を付与。/魔法防御力+2
腕:隠者の腕輪 ─◆効果:魔法攻撃力+1
手:隠者の手袋 ─◆効果:製作系スキルにプラス補正・小を付与。/魔法防御力+1
腰:隠者の腰ひも─◆効果:なし
脚:隠者のズボン─◆効果:魔法防御力+2
足:隠者の革靴 ─◆効果:靴に付いている飾りに魔力を込めると、一定時間、サイレント効果を靴に付与する。/魔法防御力+1
アクセサリー1:
アクセサリー2:
所持品:釣り師のウェストポーチ
【武器】
ムーンウッドの杖
【アイテム】
プレイヤーカード──1つ
体力回復薬 ──20本
魔力回復薬 ──20本
簡易釣りセット ──1つ
セット内容:魔竹の釣り竿/餌(ケース入り10個)/タモ/釣り針(予備含め5個)/釣り糸(予備含め3つ)
チユ草
ヨモギ
スライムの核
スライムの薬液
球兎の肉
球兎の骨