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ファンタジーライフ  作者: 烏賊猫
10/10

10.まだ終わらない濃い1日

当初の目的達成。

 ザバザバと小規模ながら滝の流れ落ちる音。サラサラ流れる、青緑に輝く美しい川。さわさわと優しく吹く風に揺れる木々。

 そして、川と岸を繋げるようにある岩の上に、私とキクはいる。

 ここはスプテの森の奥にある場所。そこで私は元々の目的である釣りをしている。

 奥地ではあるが、なぜスプテの森にまた来たのかというと、色々騒ぎになったからである。

 あの後、キクを連れて依頼達成を報告にギルドに行ったのだけれど、大騒ぎになりまして。はい。私の従魔だと分かっても、その場にいた皆が怖がってしまったので、用を済ませたら早々に町を出ることを決めた。

 なのでササッと、エリサさんに報告して、報酬金2500Cをゲット。

 ついでに、キクから貰った薬草類と道中倒したモンスターのドロップアイテムの一部を買い取ってもらった、らだ、25万8700Cに化けた。

 25万Cってなんだって思うじゃん?草だらけなのに、バグかなって思うじゃん?でも、現実に起きたんです。ゲームだけど。

 なぜそうなっかといと、キクが持ってきた中にあったモモみたいなやつ。他はヨモギとかイチョウとかよく知った物だったのだけれど、それだけはただのモモじゃ無かった。

 何だったかというと、これだ。


◆グランドピーチ

モモによく似たタケノコ。とてもおいしく、栄養価が高い。


 めっちゃモモに似てるし名前にピーチって入っているけれどタケノコであるこれが大金に化けたのだ。

 これは特上級の体力回復薬や魔力回復薬、各種状態異常回復薬など、色んな物の材料になるというのだ。しかも、採取できる場所は厳しい場所にあり、1回に採れる数もそう無いので希少で、薬剤師などからは喉から手が出るほど欲しい物らしい。

 初めは50万C以上で買い取らせてほしいと言われたが、小市民なのでそんな大金持ってるのは怖い。なので、門での一件と、ここまで来るのに町を騒がせてしまった迷惑料という事で差し引いてもらって、合計25万8700Cを貰う事にした。これでも臨時収入がでかいわ。

 こうして、数日は困らない程度の保存食、一番安い回復薬と状態異常回復薬、調味料をシジマ雑貨店で買い込み、人目の付かない森の奥へやって来たという訳だ。

 ……これ以上騒ぎにならないようにって言う配慮はもちろんあるが、先延ばしになっていた釣りのためでもある。

 しかし、ここまで来る間に思ったが、キク強い。いや、ほんと。

 従魔になった事でキクのステータスを見れるようになったのだけれど、これだ。


────────────

【Name】キク/グラスウルフ Lv.31

HP:2046/2046

MP:1582/1582


【Status】

 物理攻撃力──320

 物理防御力──458

 魔法攻撃力──321

 魔法防御力──415

 敏捷値  ──530

 器用値  ──30


【スキル】

<爪牙─Lv.35>

<水魔法─Lv.23>

<土魔法─Lv.24>

<植物育成─Lv.31>

<擬態─Lv.34>

<気配遮断─Lv.30>

<気配察知─Lv.29>


【装備】

 【装備】

 頭:なし

 胴:なし

 腕:なし

 手:なし

 腰:なし

 脚:なし

 足:なし


アクセサリー1:従魔の環 ─◆効果:従魔の証。破壊不可。着脱不可。

 アクセサリー2:なし

────────────


 なんだこのステータスだよね。

 ここって序盤の町周辺のフィールドなんだよね?なんでこんなくっそ強いモンスターがこんな所に居るの?私よく生きてたね?

「ウォン。」

「おっと、ありがとう、キク。」

「フスッ!」

 ちょっとキクを見ていたら当たりが来ていたようで、教えてくれた。フンスってして可愛い。よし、イワナが釣れた。釣果はこれで4匹目。全部イワナだが。

 まあ、なんだ。とりあえず、何か理由があるのだろう。その内解明されるだろうさ。誰かに!

「日が陰って来たなぁ……。次でラストにしよう。夕ご飯の準備もあるからね。」

「ワウッ!」

 移動して、ここに着いたのが、この世界の午後3時半頃だったから、もう結構な時間だ。ご飯の量が足りなければボールラビットの肉が道中で手に入ったから、それも焼こう。今度は調味料があるから、きっともっと美味いはずだ。

「……!ぅわっ、おっも!?」

 ご飯に思いを馳せていたらグンッ!と釣り竿がしなった。これはきっと大物に違いない!

「キク、せーので私ごと引っ張ってくれ!大物だよ!!」

「ワンッ!」

「いくよぉ……!せー、っの!!」

 キクの協力により、ザバァッ!と大きな水しぶきと共に、逆光で黒く大きなシルエットとなった魚が釣れて岩にべじゃっと……。

「うぅ゛……。」

「……獣人?」

 魚じゃなくて、獣人が釣れた。

「じゃない!君、私の声は聞こえるかい?」

「ひ、と……?」

「意識はあるね。どこか具合が悪い所はあるかい?」

「……ぁ、た……。」

「すまない、もう一度──。」

「腹が、減った……。」

「……。」

 古典的な……!!!

 しかし、拾った、いや、釣った責任はある。責任は取らなくては。

「3日、食って無くて……。」

 ……買い込んだが、私達の分は、残るだろうか。


またステータス振って無い主人公。まだ終わらない初日。

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