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その1 物語の初っぱなから死ぬ俺

 俺の名前は西貝英雄。至ってふつうのサラリーマンだ。

 どうしようもない小学校生活から、そこそこの中学に通い、まあまあの高校を出てふつうの大学に行き、今の会社のシステム部門に勤めている。

 そんなどこからどうみても、ふつうのサラリーマンだ。

 一つだけ他の人と違うところを挙げるとするなら、学生時代に知り合った嫁と学生結婚したこと。

 嫁は小学生の時からクラスメートで、俺の片思いだった。中高は家庭の事情で引っ越していった彼女と会うことはなかったけど、大学で再会。

 正当派なおつきあいの末に結ばれたってわけだ。

 今日は、仕事が遅くなってしまった。朱美あけみは家で待ってるんだろう。一刻も!一分一秒でも早く帰りたくて、俺は気付けば、歩行者横断禁止の道を横断していた。

 しかもトラックがつっこんでくる。さよなら人生。いや現世。

 ありがとう朱美、お昼のハートのさくらでんぶの乗ったお弁当とってもおいしかった・・・・・・。



 気がつくと、何もかもが真っ白な部屋にいた。

 目の前には神様っぽいおじいさんがいた。いや、あれたぶん神様以外のなんでもないでしょ。髭とかふさふさだし。めっちゃ●ードオブザリングか●リーポッターの世界じゃん。


「お前は、勇者の名を持つものだな?」


 おじいさん・・・いや神(仮)は言った。勇者の名を持つ者ってなんだ?


「俺の名前、ヒデオだからエイユウとはちょっと違うと思うけどまあ・・・漢字的には英雄だよね・・・」


「なにを訳の分からんことを言ってるんじゃ。とりあえずお前には、異世界に行ってもらうぞ。そこの世界を救うのじゃ。」


 おじいさんがすごい意味不明なことを言い出した。俺が世界を救うって?俺は朱美すら救えていないのに・・・。


「一つだけ、その世界に持って行くモノを選ばせてやろう」


「朱美!嫁!」


 俺はとっさに朱美の名前を叫んでいた。異世界でも朱美と一緒に居たいんだ!


「お前ずいぶん早いな・・・もっと使えるモノでもかまわんのだぞ、銃とかミサイルとか。」


「いや使い方わかんないし・・・手に入ったとき使い方教えてくれそうな嫁の方がいい」


「お主の嫁は何者じゃ?まあいい・・・では、国を頼んだぞ・・・」


 神(仮)が杖を振ると、その真っ白な部屋よりもっと明るい光に包まれて、俺はまた意識を失った。

 もう一度目覚めたとき、朱美が隣にいればいいなーと思った。





 

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